世界の移民政策、移住労働と日本

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カナダへの出稼ぎラッシュ

2008年08月12日 | ニュース・新聞記事
カナダが深刻な労働不足に陥っているらしい、移住労働の研究者や私たちのような実務家の中で最近この話がよく話題になる。確かに、最近「カナダで働こう」といった類の広告を街でよく見かけるし、職場や事業で運営す移住労働センターにも「カナダに行きたいのだが、どうすればいいのか」という電話がよくかかってくる

最近まで私はバングラデシュ、インド、スリランカ、ネパールなどの南アジアの移住労働事業に関わっていたが、どの国にもカナダ人雇用主がリクルートに来ていたし、また現地斡旋業者もカナダへの労働者の送り込みを見込んでいた。

中東、東南アジア、そして韓国や日本が今までのアジア人労働者にとってのおきまりの出稼ぎ場。そこは短期滞在のみが許され、時には人間らしい扱いを受けない厳しい環境の職場も多い。ビザを売りさばくブローカーの暗躍で労働者が自らが多くの借金をして出稼ぎにでる。

一方でカナダは、短期の労働者として出稼ぎに来ても数年間働けば州スポンサーシステムで永住できる可能性が高い。そうなれば家族を呼び寄せ、カナダへの移住が可能となる。また雇用主が雇用にかかる費用を全額負担することが法律で義務図けられており(労働者が斡旋業者に対して斡旋労を支払うことは禁止されている)、それが発覚すれば罰則が待っている。アジアからの出稼ぎで日常化してしまった就労ビザの売り買いがすこし抑制されるかもしれない。なんといってもカナダの高い賃金水準は魅力だ。

現在、アルバータ、マニトバなどの州で、サービス、ガス・石油、農業、食品加工業などの業種で大量の求人が出ている模様。単純労働、技能労働、双方の募集あり。ただし、送り出し国での人材募集・選考・採用のプロセスに透明性や公正性が欠けていれば、カナダ領事館がヴィザを発給しないという手段にも出ているため、悪徳ブローカーの蔓延する南アジアではまだ少数のヴィザしか出ていないようだ。

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アルバータ州公式移住サイト






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