消費税増税関連法案の行方を占う野田佳彦首相と小沢一郎元代表の会談が来週に行われる。
増税に反対する小沢氏は野田首相の説得に応じる考えはないことを明らかにしており、会談が「民主党分裂劇」の開幕を告げるセレモニーになるかもしれないとみているが、どうだろうか。
一方、野田首相は５月２３日に衆院の社会保障・税一体改革特別委員会で、小沢氏説得に全力をあげるとともに、民主党の分裂を避けるために法案の採決を先送りすることはないと強調した。
ひと月前のこのコラムで、「野田さん、党を割るしかないですよ」と書いたが、首相は法案成立のためには党分裂もやむなしと腹を固めたようにも見える。
「首相のほんとうの腹の底」には、なお疑念が残るが、主義主張が異なる者が同居している民主党は分裂した方がすっきりする。
政権交代後の政治の混乱に辟易していた者としては、民主党分裂は歓迎である。
自身は口にできないだろうが、民主党のダメさ加減に一番あきれているのは首相自身ではないかと思う。
野田首相が会談で海千山千の小沢氏を説得できると見る人は、まずいないだろう。
しかし、首相は伝家の宝刀、解散権を持っている。
衆院の定数是正が成立しない中での衆院解散についても「解散権は制約されない」ときっぱり言い切っている。
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