緑には、東京しかない

千葉県の東京寄りに住んでいる私「緑」が大好きな東京の散策写真のブログを作ります!!!

開業後の東京駅:丸の内駅舎南ウイング部建屋とJPタワー

2012年11月07日 14時04分21秒 | 東京駅周辺


丸の内南口前から丸の内駅舎南ウイング部建屋に沿って歩いてJR有楽町駅方向へ向かいます。大手町のオフィスビル街に近い丸の内北口と比較すると丸の内南口周辺は人通りも少なくのんびりとした雰囲気に包まれています。丸の内駅舎の南側はJR有楽町駅前の繁華街に近く、人の行き交いもそんなには多くはないのです。




午後の西日が強烈に照りつけてくる丸の内南口。作り直された雨よけの屋根の下にいれば日除けの効果もありますので、待ち合わせをしている人たちは皆さん屋根の下で待機しているようです。




丸の内駅舎の復原工事において、建物地下に免震ゴムやオイルダンパーが新たに設置されていてます。駅舎と外部地盤との間には隙間が空けてあり、地震発生時には免震装置が作動して一切の揺れを建物には伝えません。南ウイング部の建屋の脇には地震動の揺れにフレキシブルに稼動する柵が設けられていました。




南ウイング部の壁面には午後の西日が直に照りつけられており、赤レンガの壁面が光り輝いていました。




今回の復原工事では3階部分が再建されたので、1・2階部分の赤レンガの壁面はそのままの状態になっています。ですが部分的に損傷や汚れが激しい箇所では修復がなされていました。




離れた場所から眺めるとわかりづらかったのですが、丸の内駅舎の壁面をすぐそばから見上げてみると、壁面の窓枠などに設置されている花崗岩のフレームなどが立体的な意匠であるのが見て取れます。




南ウイング部建屋前から見上げて撮影した「JPタワー」です。東京中央郵便局の保存・再開発工事には様々な評価の声が聞かれますが、緑としては東京の玄関口にふさわしい、素晴らしい高層ビルだと思います。




南ウイング部建屋の南端部をズームで撮影してみました。




「JPタワー低層棟」を撮影してみました。丸の内駅舎が赤レンガ壁なのに対し、低層棟は大理石の壁面を連想させるような真っ白なレンガ造りとなっています。二つの色のレンガ壁の対比が見ていて面白いと思います。




丸の内駅舎とJPタワー低層棟、丸ビルと新丸ビルを一つの写真の中に収めてみました。影になっていてわかりにくいかもしれませんが、丸の内駅舎の赤レンガ壁と低層棟の大理石のような壁面の組み合わせです。




1908年(明治41年)3月25日に丸の内駅舎の基礎工事が開始されます。この時点で駅舎の設計そのものはすべて完了していなかったのですが、上部構造の概要が固まっていたことや、1912年(明治45年)に東京で万国博覧会を開く計画があったことなどから、当局が工事速成を要望して設計完了前に着工されました。ちなみに計画されていた万国博覧会は結果的には中止となっています。




建設を請け負ったのは関西を地盤とする当時新興の建設業者大林組で、指名競争入札により落札しました。大林組としては、大阪電気軌道(現:近畿日本鉄道)の生駒トンネルの工事と並んで社業を発展させる二大工事と称されました。ちなみに現在の大林組の本社ビルはJR品川駅前にそびえ立つ「品川インターシティB棟」内に入居しています。




基礎工事としては地表から3.6メートルまで掘削したところに3.6-7.2メートルの長さの松杭を60センチ間隔で合計11050本打ち込み、その上に厚さ1.2メートルの基礎コンクリートを打ち、さらに平鋼と丸鋼を格子状に並べたうえで再びコンクリートを打って完成させました。松杭は青森営林局から調達したもので、また鉄骨柱を建てる場所に礎石として配置した花崗岩は茨城県稲田産のものでした。




鉄骨は一部八幡製鐵所(現:新日鐵住金)製の国内産の他、イギリスおよびアメリカからの輸入鋼材が使用され、石川島造船所(後の石川島播磨重工業・現:IHI)が製作・組立を請け負いました。使用された鋼材は約3500トンに達しています。壁体および床は1911年(明治44年)4月20日着工、1913年(大正2年)5月18日完成となりました。




煉瓦は構造用に日本煉瓦製造製のものを約767万個イギリス積みで、化粧用に品川白煉瓦製のものを92万7000個小口積みで使用し、目地の仕上げは覆輪目地とされています。他に、腰回り、入口、窓枠、車寄せ、馬車回り、柱形装飾などは花崗岩と擬石漆喰塗を混用しました。皇室用の部屋は寄木張り、大理石敷き、白木格天井などで仕上げたが、一般用の部屋は1階に敷瓦・人工石敷・アスファルト敷、2・3階にコンクリート上に木造床、天井は漆喰塗などとなっています。




屋根は銅板葺およびスレート葺で、スレートには宮城県雄勝産の約32万枚を用いています。南北の八角形大広間のドーム天井には、鷲の像や十二支をモチーフにしたレリーフ、兜や鎧など日本的なモチーフをデザインした装飾などが取り付けられています。電気工事、給排水工事、暖房工事などを含め、1914年(大正3年)12月15日に竣工となりました。




基礎工事の着手から6年9か月かかりましたが、設計が完了する前に基礎工事を始めてしかもそれが順調に進んだことから、基礎工事完了後設計が完了して建物の鉄骨組み立てが始められるまで1年1か月あまり工事が中断しており、実質的な工事期間は5年7か月あまりでした。

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