ab Cuore 

帰国した時ノンポリだった私が見たのは≒無政府状態の日本。
ショック、怒り、希望をこのブログに書きました。

5/23 中村浩子 And then 第12話

2024-05-24 11:20:30 | あほ


5/23 中村浩子 And then 第12話


祖母はみんなが集まると開口一番、この山本家は長男将暉 に相続させます。

子供たち以上に両親は驚いた。 

雄二の父が おかあさん、何を言っているんですか? と かなりの権幕で言った。

母がおかあさん、 あんなに可愛がっていた雄二になんてことを???

母はもう泣きそうだった。

雄二は養子です、雄二は私の大事な可愛い孫です、雄二には私個人の資産を継がせます。

雄二はああ やっぱりとまず思った。

雄二の理由のわからない不安、モヤモヤはこれだったんだと思った。


雄二は言った。

おばあちゃん、 大好きなおばあちゃん、好きにしていいんだ。

僕はおばあちゃんがいてくれればそれでいいんだ。

雄二はすごくおばあちゃん子だった。


雄二は戸籍を見たことはあったけど、たいして気にかけなかった。

そして雄二はおばあちゃんを抱きしめると、席を立ち、家を出てしまった。


雄二はすでに社会人だった。

親に頼らず就職し、ちょうどNY転勤中の休暇で東京に戻ったときのことだった。


雄二は電車の中でぼんやりあの日のおばあちゃんのことを考えていた。

おばあちゃんのことは怒っていない でも

あれきりおばあちゃんに会っていなかった。


そんなところに浩子が乗ってきた。

一瞬大学一年の時に同棲して彼を裏切り他の人と結婚し、あげくに出産中に亡くなった

あの彼女は生きていたんだと思った。


その浩子も彼のそばに留まってくれなかった。



山本雄二のところに

社員が常務と言って、紙きれをもってきた。

そこに浩子の住所と電話番号が書かれていた。

社員は昼間あったことを話した。

彼のことを常務と間違えた女性がいた。

彼女に名刺を渡したら、この会社にいた人を知っていると言って

常務の名前を言ったと話した。

浩子は去ったわけではなかった。


雄二はどうするのが一番いいか考えてたけど、

金曜日は仕事で

土曜日は付き合いゴルフで、

結局日曜日も夜まで時間がつくれず

何も考えず、浩子の住まいまで来てしまった。


ドアの前で電話した。


元気よ、見て確認する?

エ? 浩子が驚いていると雄二はおかしそうに声をたてずに笑った。

今部屋のドアの前。

バタバタ浩子の玄関に来る音が聞こえる。

ドアが勢いよく開いて浩子がいた。


浩子を抱きしめて浩子の匂いを思い切り吸いこんだ。

ああ、この温もり、浩子だ


そして浩子の部屋の奥に行ってもう一度、記憶の浩子と確かめた。


浩子は僕のタイプ

絶世の美人とはほど遠いけど、ユニークな美人で温かい容姿

ちちゃくて可愛い浩子

まだ癇癪持ちかしら?


浩子と新居で住むようになってわかった。

浩子はノイジー、騒々しい子で、おちょこちょい。

カッとするのは相変わらずだったけど、彼女の怒りはすぐ覚めた。

気まぐれは雄二の思った以上で、

雄二が出会ったどの女の子?より気まぐれだった。

昨日までよかったことが翌朝はよくなかった。

だから彼女へのプレゼエントは選ぶのが大変だった。

サプライズは無駄になるリスクが大きいのでNG。

どこかレストランとか週末の過ごし方とか

事前に彼女の欲することを聞いて決めた。


還暦と言ったけど、浩子は肉体的にはまだそれほど衰えはなく

雄二は浩子のスベスベの肌に触れているのが好きだった。

でも浩子はもうディザイアがなかった。

雄二は浩子を着火させる四苦八苦した。


雄二がまだ?なんて思って浩子を見ると

彼女はスヤスヤ眠っていることもしばしばあった。

雄二だってもう若くはなかった。

だけど、忘れたことのない浩子とやっと一緒になって

失われた時を埋めたいと願う雄二はそんなに悪いかしら?


迷いに迷って雄二は浩子に彼の悩みを浩子に言うことにした。
















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