ab Cuore 

帰国した時ノンポリだった私が見たのは≒無政府状態の日本。
ショック、怒り、希望をこのブログに書きました。

5/18- 中村浩子 And then 第8話

2024-05-18 19:57:51 | あほ

5/18- 中村浩子 And then 第8話

会ったばかりで? と浩子は思った。

そうしたら雄二が会ったばかりだけど、一緒に来てくれると思った。

と言った。

雄二は自分の濃紺の上着を脱いで、クローゼットに掛けに行く前の

ほら、ジャケットをちょうだいと浩子のジャケットも脱がせた。


それから机下の冷蔵庫を開けると

何飲むと聞いた。

浩子は返事をしなかった。

雄二はグラス2個とハーフボトルのシャンパンを出した。

テーブルに置くと、勝手にグラスについた。

そして、浩子に一つ渡し、自分のグラスを軽く浩子のグラスに当てた。

うーん、まあまあ。

シャンパンは大きいボトルのほうがおいしいんだ。

浩子、怒っているの?


浩子は突然涙が込み上げてきた。

男にこんなに好き勝ってをされたことはなかった。

なんで、手を振り切って逃げなかったんだろう?

こんなところまでついて来て。


ノー、そんなに惨めにならないで。

男に支配されるのも悪くないよ。

それに僕は暴君じゃないし。

浩子は片足でダンと床を鳴らした。

好き勝ってなことばかり言わないで、

帰るとドアに向かった。


雄二は大きなため息をついてドアに向かった

浩子の肩をつかむと引き戻した。

そんなに怒らないで。

そのまま浩子を抱き上げるとソファに座った。

浩子の怒りは頂点に達し、雄二をなぐろうとした。

雄二はその腕を軽くつかんで駄目よと言った。


それから机に手を伸ばし、パスポートをとると

見て、浩子。 遅ればせながら自己紹介します。

パスポートのページをめくりながら

そこを読み上げた。

見せ終わると、シャンパングラスを浩子の口にあて

飲んでと半ば強制的にシャンパンを浩子の口に入れた。

グラスの半分くらい飲まされてしまった。


浩子は悔し涙を流しながら、

なんでこうなるのよとつぶやいた。

あなたは僕を捨てた女性にすごく似ている。

そうして雄二はもう1枚の写真を見せた。

浩子はその写真にびっくりした。

いつこんな写真撮ったかしら?

と、思うほど写真の主は浩子に似ていた。

この女性は僕の2人目の恋人。

大学一年のとき、同棲していた。

でもある日、財産のある金持ちと結婚するために僕を捨てたんだ。

説明がなかったから詳細は知らない。

りょうこ・良子はかんしゃく持ちで、衝動的で、あなたみたいに

爆発するんだ。 可愛かった。

でも美人で頭がよくて、一緒にいろんなことをしたんだ。

僕を裏切って、・・・・・それから数年で死んでしまった。

もう言い訳もきけない・・・・・・


雄二の話に浩子は少しずつひかれて行き、自殺したの?

ってうっかり聞いてしまった。

雄二は少し黙っていたけど、出産のときに何かあったらしい。

彼女も子供も助からなかった。

同級生に聞いたんだけど。


まあ、お気の毒。

それが浩子の本音だった。


浩子の体がくつろいできたのを雄二は感じた。

さっきね、電車であなたが乗ってきたときびっくりして

すぐ声が出なかった。

もう逃がしてはいけないと思って、でも驚かせて

ごめんね、本当に悪かった。


僕は商社勤務で先週と今週は日本にいるけど

またNYに戻らないといけないんだ。

一緒に来てほしい。


でも私・・・・・浩子は決めようがなかった。

NYに行くってことは結婚するってこと?

この会ったばかりの人と?


じゃこうしよう、日本にいる間、一緒に住もう。

僕を知ってほしい。

ご両親に僕を紹介してくれる?

雄二が浩子の髪をなでた。










































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