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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

カンフー・ジャングル(V)

2020-04-17 14:08:21 | 映画(か)
評価点:56点/2014年/香港・中国/100分

監督:テディ・チャン

カンフーアクション以外は、素人。

武闘家ハーハウ・モウ(ドニー・イェン)は、カンフーの名士だった。
ある日、対戦相手を殺してしまい、自首し、禁固五年の刑に服していた。
そんなある日、拳術の名士が撲殺されているのが発見される。
事件を担当するロク刑事(チャーリー・ヤン)と話をするために、ハーハウは刑務所で騒ぎを起こし、ロク刑事に次の襲われる人間を予言する。
そして、数日後、ハーハウが予言した蹴術の名士が殺される。
ロク刑事は、ハーハウに捜査協力を要請するが……。

アマゾンプライムにて鑑賞。
おすすめに上がっていたので、気になって見た。
ドニー・イェンといえば、数々のカンフーアクションの映画を撮り続けてきた、第一人者である。
私は、ほとんど彼に対する記憶はない。

みたいとは思っていたものの、結局「HERO」や「ローグ・ワン」くらいしか記憶にない。
ただ、それもかなり記憶に薄いので、思い入れはほぼないと言っていい。
アクション映画のセオリーは、思い入れの強さにあるので、それがないというだけでもかなり評価はさがっているかもしれない。

手放しで喜べるような完成度とはとても言えない。
カンフーが好きなら、見る価値はあると思う。

▼以下はネタバレあり▼

シークエンスによって大きな落差がある映画である。
カンフーアクションの部分は見応えがあり、ハリウッド映画よりも完成度が高い。
しかし、それ以外の演出やカメラワーク、キャラクター設定などは、驚くほど完成度が低い。
その落差に驚かされる。

圧巻なのはカンフーアクションで、しかもその道のプロ、という拳、蹴、掴、武器といったすべての武術の名手を殺していく、という設定だ。
だから、結果、すべてのアクションについて、個性や違いを明確にしながら撮る必要がある。
こんな設定ができるのは、ドニー・イェンをはじめとしたキャストやその闘いをしっかりと演出できるという自信があるからに他ならない。
そして、それがしっかり生きるように撮られている。
これはハリウッドといえどもまねできるものではないだろう。

中でもやはり最後の一騎打ちのシークエンスは、これだけでお金を払ってもいいだろうと言える完成度だ。
カンフーアクションにはよくある一騎打ちだが、その舞台を広場や家屋ではなく、高速道路にした。
周りに車がばんばん通るその場所を舞台にしたことで、スピード感と「作られた闘い」というような印象が払拭されている。
また、すべての武術に精通している二人であるがゆえに、あらゆる武術をつかって戦う。
そこに竹は落ちてこないだろうという展開でも、竹を用意させて武器で戦う。
一つ間違えれば大けがでは済まないような演出が、クライマックスを盛り上げる。

だが、その一方で、それ以外のシークエンスがなかなかつたない。
ロクとハーハウが二人で車に乗っているところでは、誰が運転しているのかわからないほどの動きをしている。
(二人が後部座席に乗っているなら運転手がいるはずだし、ロクが運転しているなら、もっと前を向かないと事故が起こる)

妹弟子に対してほのかな恋心を抱いている設定だと思っていたら、がっつり恋していて、それを待ち受けにする(いつどこで
撮った写真だ?)などの、キャラクター設定もよくわからない。
そもそも最初から正直に話をして協力していたら、もっと効果的に、ほかの犠牲者を出さずに事件は解決したのではないか。
彼の行動がいかにも無理がある。

ボートでのアクションは、不自然きわまりない。
ロク刑事が街中で銃を乱射して、しかもそれが全く犯人に当たらない。
ボートが衝突させられたことよりも、ロク刑事の銃弾がどこに飛んでいったのかが気になって仕方がない。

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