secret boots

ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

フェイス/オフ

2008-09-09 22:06:32 | 映画(は)
評価点:97点/1997年/アメリカ

監督:ジョン・ウー

この映画から全てが始まった。

刑事のショーン・アーチャー(ジョン・トラボルタ)は、息子を殺したキャスター・トロイ(ニコラス・ケイジ)に復讐を燃やし、ついに追い詰める。
空港に逃げ込んだキャスターは、爆発の衝撃によって意識不明に陥ってしまう。
捜査が進むにつれて、キャスターは逮捕直前に爆弾を仕掛けていたことが判明する。
その場所は弟のみ知るが、弟は兄のキャスターにしか心を開かない。
刑務所にいる弟に接近するためにショーンは、仕方なく意識不明のキャスターの顔をはぎ、自分の顔に移植する。
何とか刑務所に潜入したショーンだが、刑務所に潜入している間に、キャスターが目覚めてしまい、ショーンの顔を奪い、潜入捜査を知る関係者を全員殺してしまう。
立場が入れ違ってしまったことを知ったショーンは、刑務所を脱走することを決意するが……。

今観るとどうしても、ニコラス・ケイジが笑いを狙っているようにしか見えないが、予備知識なしで観れば、きっと驚愕するはずだ。
まだ観ていないという人は、この映画は絶対に観るべきだ。

僕はこの映画に出会えて、本当に良かったと思っている。

▼以下はネタバレあり▼

僕の儚い映画人生に転機をもたらした作品である。
いまだこの作品を超えるアクション映画は観たことがない。

犯人とそれを追う刑事とが顔を入れ換えて、立場まで入れ代わって戦いを繰り広げる。
見に行く前までは正直突拍子もないそのストーリーに対して、果たしてすんなりのめり込めるのか、疑問だった。
しかしトラボルタとケイジの演技力と巧みな展開によって、ほとんど違和感なく感情移入できた。
牢獄に入れられた(正確には自ら入った)主人公に、刑事の顔持つトロイが会いに来るシーンでは思わず声をあげたくなる。

ありえない状況を作り出した設定には巧みさを感じずにはいられないが、それを見せる順番や見せ方がすばらしいので飽きない。
脱獄と追跡という二つの大きな要素をぎりぎりの時間枠で、効果的に見せ、尚且つ感情に訴えるのもすごい。
トロイとアーチャーの一対一の勝負を何度もさせることによって、見せ場から見せ場へとどんどんエスカレートしていく。

アーチャー(顔はニコラス・ケイジ)に感情移入させておき、近づいていくトロイ側の人物を描き、トロイの人物像にまで触れていく事が出来る。
お互いがお互いを利用し、利用され、なりきる事によって、お互いをある意味では「理解」していく。
この効果によってあたかも二人が本当に入れ代わってしまったかのように錯覚させられる。

脇役たちも二人を形成している人間として捉えるので、不自然にならないし、必然性さえ感じる。

この映画はほんとうにすごい。
映画の良さは役者やスタッフというカードをいかに活かすかが、監督にかかっているということを、教えてくれる。

(2002/04/17執筆)

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