外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

都会の夜の空中庭園散歩

2015-06-10 17:14:36 | 日記


先日池袋で、夜の空中庭園を堪能してきた。

友達との待ち合わせに時間があったので、JR池袋駅東口付近をのそのそ歩き回っていた時、西武池袋本店正面の垂れ幕がふと目に入ったのだ。


1番右のやつだけが私の目に飛び込んできた。気になるものだけが視界にくっきりと入るという、特殊な目なのだ(ウソ)



デパート屋上の「食と緑の空中庭園」とは、どのようなものだろうか?

デパートの屋上はもともと好きなので、とりあえず行ってみることにした。友達もあとで合流した。
8Fまではエレベーターで上がって、その後は狭い階段を登る。

階段を上りきって一歩踏み出したら、そこには英国児童文学的にファンタジーな異空間が広がっていた。


デパートの屋上なのに、この庭園っぷりはどうしたことか



説明を見ると、ここは「睡蓮の庭」らしい。たしかに池に睡蓮が浮かんでいる。モネを意識しているようだ



印象派の池の裏側の片隅には、なぜか稲荷神社がある。伏見稲荷の分家らしい。商売繁盛を狙う西武の気合が伺える



睡蓮の庭の反対側には、テーブル席の並んだスペースが広がっている。脇に各種売店が並んでいるので、ここで食べ物や飲み物を買って、好きな席で飲食することができる。(家族連れを意識してか、全体的に価格帯が安め)イタリアンレストランやビアガーデン用の専用スペースもある。



この日は風が強くて肌寒かったので、私たちは讃岐うどん・そばの「かるかや」(昭和43年から営業)でうどんを食べて暖まろうとしたが、
時間が遅かったので、残念ながらもう終わっていた。代わりに中華スタンド「招福門」で串刺しの焼売と青島ビールを買った。(合わせて1000円)


青島ビールにレモンを刺すのはどうかと思う。焼売はまあ普通。味付けが濃かった



睡蓮の庭周辺では、子供たちが数人、延々と鬼ごっこをして盛り上がっていた。
ヒマなので30分くらい観察していたが、親は一向に現れなかった。近所の子供達かもしれない。
警備員さんもいるし、車も来ないし、遊び場には最適ですね。


この空中庭園のオープンに関する記事
http://ryutsuu.biz/topix/h042804.html

西武池袋本店のページ
https://www.sogo-seibu.jp/ikebukuro/roof_garden/

これらの記事を見る限りでは、いかにも通俗的な商業施設のように思えるが、実際に行ってみるとそうでもなかった。
別に何も買わなくてもいいし、ベンチも飲み物の自販機もあるので、あまりお金を使わずに時間を過ごすことができる。
デパートの屋上は皆に開かれた場所なのだ。

黄昏時や夜が特に美しいと思うので、池袋にお越しの際にはぜひ足を運んでみてくださいね。(なぜか宣伝)
物陰をじっと観察したら、妖精や小人の1人や2人見つかるかもしれません。
でもきっと、心の綺麗な人にしか見えないの。
(ということは、私には見えるはず、ふふふ)
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ゆるやかに流れるホンムス(アラブ料理のひよこ豆ペースト)

2015-06-07 15:49:54 | グルメ


ホンムス(ホンモス・フムス)は、中東のトルコやギリシャやアラブ諸国でよく食べられるひよこ豆のペースト。
(料理に関しては、ギリシャは中東の一員として認定させていただく。トルコ・アラブ料理との類似の度合いがハンパじゃないので)
シリアやヨルダンにいた頃しょっちゅう食べていたせいで、帰国してからも発作的に食べたくなる。中毒性があるのかもしれない。(ないない)

ウィキペディアから借用したホンムスの写真。うっとり



ホンムスは、イスラエルでもごく日常的に食べられている。
そして、イスラエルは大胆にもこれを「イスラエル料理」だと主張している。
しかしそれは間違っている。

ホンムスの起源は明確には分かっていないが、エジプトかシリアを中心としたシャーム地方から始まったと考えるのが妥当であり、
つまりアラブ料理なのだ。少なくともイスラエルが起源の料理ではない。
イスラエルはホンムスだけではなくて、ファラーフェル(ひよこ豆のコロッケ)なども自分たちの伝統料理だと主張している。
ファラーフェルもホンムスと同様、アラブ料理なのに。

これは単なる食べ物の話ではなく、民族の文化の問題であり、その背後にはパレスチナ占領の歴史が控えているので、黙ってはいられない。
日本にはイスラエル料理店が多いためか、あるいはアメリカのユダヤ文化の影響か、ホンムスやファラーフェルをイスラエル料理だと認識している人が少なくないようだ。
この状況をなんとかしなくては・・・!

ともかく(落ち着いて、みっちゃん)

そのホンムスを作ったわけですよ。(落ち着いた)
買ったばかりのフードプロセッサーで。
1回使っただけなのに、もう容器にいっぱい傷が付いているが、安物だからだろうか?

材料はひよこ豆の水煮(カルディで買った紙パック入りを使用)、練りゴマ、にんにく、オリーブオイル、レモン汁、塩、そしてクミン粉末を少々。

分量配分は適当だ。分量の配分といった瑣末なことには、あまり興味が持てないのだ。(おいおい)
そもそもうちには計量スプーンもカップもスケールもない。
料理が上手な人なら、目分量でもおいしく作れるのだろうが、
私の場合は目分量ではなく、文字通り適当なので、同じ料理を作っても毎回味が違う。
人生はバクチだ。(?)

ホンムス作りは非常に簡単だ。
材料を全てフードプロセッサーに入れて、スイッチを押すだけ。
フードプロセッサーって、なんて素晴らしいのでしょう・・・


出来上がりがこれ(右側の茶色いやつ) 
ひよこ豆の漬け汁を入れすぎたせいで液状になってしまったが、味はおおむねホンムスだ。(おおむね?)



写真の左側の白っぽいやつは、勢いに乗って作ったナスのペーストだ。
アラブ料理のナスのペーストは、シリア方面では「ムタッバル」と呼ばれている。
焼きナスの皮を剥いてつぶし、タヒーナ(ゴマペースト、練りゴマで代用可)やレモン汁、にんにく、オリーブオイル、塩を混ぜて作る。
ナスがベースの優しい味なので、日本人の味覚に合うらしく、「ホンムスよりもムタッバルの方が好き」という人はけっこう多い。

最初はムタッバルを作るつもりだったのだが、出来上がったものはトルコ式のナスのペースト「パトゥルジャン・サラタス」だった。
トルコ式はタヒーナではなく、ヨーグルトを使うのが特徴。うちにヨーグルトが余っていたので、こういう結果になった。
ヨーグルトとタヒーナの違いを除けば、アラブ式のムタッバルと材料も作り方もほぼ同じ。

ナスを焼いて皮をむくのは面倒なので省略し、代わりに蒸しナスを使うことにした。
まずナスの皮をむいて、ぶつ切りにしてから蒸す。(蒸し器はないので鍋とザルを使用)
柔らかくなったら、他の材料とともにフードプロセッサーで攪拌するだけ。
例によって「レシピをみて材料を計量する」というプロセスを省略したせいで、やけにニンニク味が強くなってしまったが、
まあまあ美味しくできたと思う。
もしかしたら、私には料理研究家の才能があるんじゃなかろうか。(おいおいおいおい)

ホンムスもパトゥルジャン・サラタスも、パンにつけて食べるためのペーストだ。パンがなければ存在意義がない。
というわけで、パンも作った。

本格的なパンは発酵させるのが面倒だし、そもそもうちにはオーブンもオーブントースターもレンジもないので(なんにもない家だな)、
小麦粉に水を加えてこね、焼くだけにした。
もちろん麺棒もないので、成形は手のひらで適当に伸ばすだけ。
そして、フライパンで焼く。


ベーキングパウダーも入れてないのに、若干膨らむところが健気だ



出来上がり。小麦粉の味がした



パンは翌日には硬くなってしまって、食べにくかった。
やはりベーキングパウダーくらいは入れるべきかもしれない・・・

「ホンムスやムタッバル、パトゥルジャン・サラタスを作ってみたい!」という方は、クックパッド等のレシピを参照してくださいませ。
もちろんちゃんと材料を計ってくださいね!
あ、計らないのは私だけか~


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理想の非常食としてのタムル(デーツ)

2015-06-05 17:06:26 | グルメ
(生のタムル)



最近地震が多くておそろしい。

私は京都の出身で、埼玉に引っ越してきたのは去年の12月。
関東に住むのは初めてなので、日常的に地面が揺れるという状況には慣れていない。
1995年の阪神大震災の影響は、京都ではあまり感じられなかったし、2011年の東日本大震災の前後はトルコにいた。

しかし、そう遠からずまた日本で大地震が発生する可能性は少なくない気がする。すごくする。
それに備えて、ある程度対策を講じておく必要があるだろう。
「備えあれば憂いなし」とはいかずとも、備えておくに越したことはないに違いない。

というわけで、姉妹や友人たちのアドバイスを参考にしながら、ぼちぼち非常用の食料や飲料を用意することにした。
食べ物や飲み物は最重要事項ですからねえ~。

飲み物は基本的にペットボトル入りの水でいいだろうが、
災害時に不安な心を落ち着かせるために、強い酒も必要だな。
消毒に使えるという説もあるし・・・
ラムかウオッカあたりが適当かしら、うふ。
ワインも少しくらいはあったほうがいいかしら、うふふ。

食料は何を用意しようかしら、うふふふふ(だんだん楽しくなってきた)
非常食といえば乾パンと干し芋だろうか。(それは第二次大戦中の防空壕用だ)
しかし、乾パンはあまり美味しくないし、歯が悪い私に干し芋はキビシイ。
う~ん・・・

少々考えた結果、カルディで見かけたグリッシーニを買うことにした。
グリッシーニって、細長くってちょっとお洒落な乾パンじゃないですか?


グリッシーニと水。美しい風景だ



友人のアドバイスに従って、お風呂に水もはった。
完璧なんじゃないだろうか、と浮かれる自分に、心の中のおばさん天使が冷静にツッコミを入れる。
「水も食料もこんなもんでは全然足らんやろ? どこが完璧やねん」
・・・はい、その通りですね、もっと色々買い込まなくては。

グリッシーニ以外に、非常食としてぜひ用意したいと思っているものがある。

それはデーツです。

デーツはアラビア語で「タムル」という。
以下、このブログではデーツを「タムル」と呼びます。
タムルの方が響きが可愛いので、ぜひこの単語を日本で一般化させたいのだ。


アンマンの市場で撮影したタムル売りの屋台。
タムルと言えばサウジ産が有名だが、ヨルダン産も味では負けていないと思う。



タムルは滋養豊かで効能が多い果実だと、クルアーン(コーラン)やハディース(預言者ムハンマド言行録)にも記載されているそうだ。
私がかつてフィレンツェ大学でアラビア語を教わったシリア人教師サマルも、こう力説していた。
「タムルは栄養が豊富で、体にいいんです。マルヤムがイーサーを身ごもって苦しんでいたとき、タムルを食べたら元気になったのよ」
「マルヤム」はキリスト教の聖母マリア、「イーサー」はイエスのアラビア語である(イエスはイスラームでは、預言者のひとりとされている)。
サマルは、パンにタムルとバナナを載せて食べるのが好きだそうだ。かなり甘そうだけど・・・
(サマルが何者かはこちらを参照)

また、乾燥させたタムルが非常食に最適であることは、パレスチナ・ガザ地区のカッサーム部隊の人たちの証言でも明らかになっている。
2014年夏、イスラエルによるガザ攻撃の最中のことである。
ハマースの軍事部門カッサームの精鋭部隊が、ハーン・ユーニスのトンネルの中に21日間閉じ込められたとき、
彼らは地下に溜まった泥水を薄いスポンジで濾過して飲み、
1日にタムルを1個ずつ食べて凌いで、23人が無事生還したという話だ。
彼らは1個のタムルを半分に裂き、1片を朝食、もう1片を夕食として食べていたという。


トンネルに閉じ込められたカッサーム部隊のエピソードに関するアルジャジーラのインタビューはこちら(アラビア語)
https://www.youtube.com/watch?v=L_NpmlxrFqQ

この毎日新聞の記事にも、ちらりと載っている。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140902ddm007030108000c.html


しかし、先日新大久保のハラールショップでタムルを買おうとしたら、チュニジア産のものしかなかった。
チュニジア産のは固めでゴワゴワしていて、あまり好きではないのだ。
日本で入手しやすいタムルとしては、イラン産のほうがねっとりしていて美味しいと思う。
そのうち入荷するだろうから、また今度出直すことにした。
それまでに地震が来ませんように・・・
いや、タムルのあるなしに関わらず、地震が来ませんように。
埼玉にも、どこにも












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商店街を足早に歩く猫

2015-06-05 15:43:38 | 


今回は、昨日近所の商店街で出会った猫の写真をのせます。


駅に向かって商店街を通っているとき、見知らぬ猫が私の前方をのしのし歩く姿が目に入った。



無目的な散歩ではなく、目的地に向かって歩いているとわかる着実な足取り。
どこへ行くのだろう。


私がカメラを向けているのに気がついたようだ



猫は足を早めて私から遠ざかろうとした。
そして、前からくる自転車にぶつかりそうになった・・・世界は危険がいっぱいだから、気をつけてね(危険に晒した本人は私だが)



後方確認よりも前方確認のほうが大事なのでは



やがて猫は商店街を離れ、駐車場を抜けて民家の庭へ入っていった。
私も用事があったので、それ以上は深入りせずに尾行を終了。またそのうち会えることを期待する。



商店街にはお花も色々咲いているので、いちいち立ち止まって写真を撮ってしまったりする。
そして、通りすがりの人たちに不審そうな目で見られる・・・



あちこちで紫陽花が咲いていますね。
今日は雨だけど、もしかしてもう梅雨入りしたのだろうか。
私に一言の断りもなく~


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ベールに包まれた餃子の世界

2015-06-03 17:18:25 | グルメ


最近、悩んだ末にとうとうフードプロセッサーを購入した。

フードプロセッサーは以前から欲しかったのだが、
「よし買おう!」と決意して電気屋さんに行っても、売り場でいざ商品を目の前にすると、
私の心の中に住んでいる「口やかましいおばさん天使」(関西出身)が口出しして邪魔するのだった。

「ちょっとアンタ、もうちょっとまともに脳みそ使ったほうがいいんちゃう。
これ買ってどないするん?
何に使うの?ホンムスかいな?(ホンムスは中東のひよこ豆ペースト)
ホンムスなんか、めったに作らへんくせに。
どうせ台所の片隅で眠らせるくらいなら、最初から買わんとき。
日本ではゴミを捨てるのも一苦労やからねえ~」

しかし先日Johsinで、この小さいおばさんがマッサージ椅子に気を取られている隙に、ついに買ってしまった。


これ。2000円ちょっとの小さくて軽くてかわいいやつ。最大調理容量200g(肉の場合)と書いてある。



箱の側面には餃子とハンバーグの写真があり、
きざむ「玉ねぎや肉を刻んで、ハンバーグや餃子などのしたごしらえ」
まぜる「きざんだ具材をまぜて、ハンバーグや餃子などのタネ作り」とある。
ほかにも色々できるに違いないのに、どうしてそんなに餃子とハンバーグを作らせたいんだ、君は・・・

結局、記念すべき初使用の機会には、箱の指示通りに餃子を作ることにした。
市販の餃子の皮と牛ミンチとニラが冷蔵庫にあったからだ。
なんとなく玉ねぎとしょうがとニンニクも入れた。


うい~ん。小さい容器に無理やりいっぱい詰め込んだら、なかなか均一なペースト状にならず時間がかかった・・・



なんとかタネができたので、皮に詰める。この時点ですでに夜中の12時。
夜中の12時に餃子を手作りする行為が、健康的なのか不健康なのか、私には判断しかねる。
ヒダのつけ方がわからないので適当にやったら、普通の餃子の半分位の大きさになってしまったので、
後半はヒダを付けるのをあきらめ、半分に折ってフチを閉じるだけの半月型にした。アラブ菓子のカターイフと形が一緒。
詰め終わったら、フライパンで焼くだけだ。


我が餃子たち。手作り感満載にもほどがある



参考資料:カターイフ(アンマンの市場で撮影)



出来上がり。タレは黒酢と醤油に、中華食材屋さんで買ったピーナッツと唐辛子入りの油を加えたもの。



おそるおそる食べてみたら、生焼けだった。美味しいとか不味いとか以前の問題である。
しかし焼き直すのは面倒なので、そのまま全部平らげた。
牛ミンチだし、多少生焼けでも問題ないだろうと思ったが、案の定お腹はこわさなかった。
それにしても・・・餃子は皮に包まれているのに、人はどうやって中まで火が通ったかどうか知ることができるのか。
ナゾだ。

おとつい、華北出身の中国人男性と話す機会があったので、餃子の作り方について質問してみた。
その人の家では、餃子といえば水餃子で(中国では水餃子が主流ですね)、
奥さんが皮を作り、彼が中身を用意するらしい。
皮は厚めで、生地をこねたり発酵させたりするのに時間と労力がかかるそうだ。
彼の好きな具の組み合わせは豚肉、白菜、ニラ、そして卵。
ニラと卵だけははあらかじめ炒めて、ニラ玉状態してから肉や白菜と混ぜる。
具には塩味をつけておくので、皮で包んで茹でたら、そのまま食べるそうだ。
ただし、「中国では黒酢をつける人たちもいるけどね」とのことだった。


私がかつて旅行先の上海で食べた水餃子。黒酢と唐辛子が添えてあった



こちらは、ヨルダンで台湾人の友達にご馳走になった蒸し焼き餃子




私には餃子作りの才能はないようなので(才能の問題なのか?)、
次回は餃子ではなくホンムスを作りたいと思います。







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