外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

在日クルド人家庭訪問~アレウィー教徒の母子家庭編(1)身の上話

2017-08-08 13:47:29 | クルド

日本は最近また蒸し暑くなったが、皆さん如何お過ごしだろうか。
最近は気力も体力もなくて、いつも気がついたら畳の上で行き倒れ寝をしているという具合なので、なかなか更新できまかったが、久しぶりによっこらしょ~と気合を入れて書いてみた。我ながら、なんてエライんだろう…

前回の記事では、ボランティアで顔を出している在日クルド人女性・子供向けの日本語教室で新たに知り合ったトルコ出身のクルド人の家庭を訪問し、少数派のアレウィー教徒だという彼らの身の上話を聞いた経緯を説明した。

今回は、同じく日本語教室で7月に知り合った別のアレウィー教徒のトルコ系クルド人の若い女性(以下、Sさんとする)の家庭について書きたいと思う。本人と他のクルド人等の話を総合してまとめた。脳が暑さでトロトロになっているので、あらすじだけになるが…

Sさんはトルコ南部出身。結婚していて、就学前の小さい男の子が2人いる。トルコでは美容師として働いていた。シリア内戦の影響もあって、トルコ南部は近年治安が悪化しており、クルド人の中でも特に差別を受けるアレウィー教徒は安心して住めないと感じて、一家で外国に移民することを決意。欧米とは違って入国ビザが要らず、良いイメージのある日本を目的地に選んだ。

親戚等に借金して、今年の3月に家族4人で来日したが、成田で理由もわからずに一家全員が拘束され、夫は茨城県牛久の入管収容所に、Sさんは品川の収容所に、子供たちは児童相談所に送られ、一家がバラバラになるという事態になった。Sさんと子供たちはその後しばらくして出ることができたが、5ヶ月経った今も夫は未だに収監されていて、いつ出られるかわからない状況。

母子家庭となったSさんたちは、クルド人団体の紹介で借りられたアパートで暮らしているが、借金生活で家賃等の支払いが重荷になっている。携帯電話やインターネットの接続がないため、夫やトルコの家族等との連絡は友人宅の世話になっている。在留許可がなく無保険のため、子供が熱を出しても病院に行けない。頼りにできる親戚は日本にはなく、アレウィー教徒ということもあって、多数派であるイスラーム・スンニー派のトルコ系クルド人コミュニティとの付き合いが希薄。日本語がほとんどできず、夫との面会のため牛久に行くこともままならない状態で、ずっと会っていなかったため、子供たちは「お父さんは牢屋で死んじゃった」と思い込むようになった。(その後、ようやく面会に行くことができ、家族対面を果たしたのだが、それについては後日書く。たぶん…)。

要するに、非常に大変な家庭なわけだ。市役所にも支援がないかどうか聞きに入ってみたが、在留許可がなければ何のサービスも受けられないという返事だった。無料・定額医療を行っている医療機関については、まだ調査中の段階。

日本語教室で初めて見かけたとき、Sさんはごく普通の家庭の明るくて頭の回転の速い若い女性、という印象だったが、話しているうちに、「この前子供が口から血を出していた」などと激しいことを言って、私を動揺させるのだった。その後の子供の様子を見る限り、その場限りの出血だったようだが…


(続く)←たぶん…



話が暗いので、気分転換にネコ写真をどうぞ。


蕨で通りすがりに会ったネコさん






同じく蕨の公園にいたネコさん。カメラを向けると、ものいいたげに寄ってきた








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