今年のクルドの新年のお祭り「ネウロズ」は、天候上の理由で3月21日から24日に延期となったが、無事に開催されて特に問題もなく終わったようだ。「ようだ」と伝聞形で書いているのは、私が行った時にはもう終わっていたからだ…(2017年のネウロズの様子はこちら。2016年のはこちら)
開催時間は11時から16時。今年の会場はさいたま市秋ヶ瀬公園の三ツ池グランド。公園の案内ページには、「JR浦和駅西口から志木駅行きのバスに乗って『さくら草公園』下車、徒歩3分」と書いてあったので、素直にそれを信じて、15時半までには会場に到着するつもりで家を出た(寝るのが遅いので、なるべくギリギリまで寝ていたかった)。しかし周辺には案内図も何もなく、googleの地図や位置情報を使いこなせないローテクな私には、バーベキュー場も野球場もサッカー場もあって、川まで流れているような広大な秋ヶ瀬公園で会場を見つけることは大変困難だった。土手でカラシナを採っていた地元の女性(茎の柔らかいところをゆがいて食べると美味らしい)などの4、5人に道を聞いて、ようやくたどり着いた時は既に16時を過ぎており、音楽も踊る人々の姿もなく、会場の片付けもほぼ終わっていた。
歩いてる時、「もうどうせ間に合わないさ~」とあきらめの境地に入り、その代わりにと周りの風景を撮り始めた。美しい公園だなあ
バーベキュー場 安上がりで良さそう
川まで流れている…前日までの雨のせいで泥色になっている
30分以上歩いてようやく三ツ池グランドにたどり着いた。トルコのイムラル島で収監されているPKKの指導者アブドゥッラー・オジャラン氏の笑顔がお出迎え。去年の川口駅前の会場では、政治的スローガンや旗などは一切禁止だったが、ここではOKだったらしい。
会場はもはや静かで人が少なく、舞台装置も分解されており、完全にお開きムード
主催者側らしき男たちがなぜか羊肉を焼いている。
その周辺では、若者が何人かサッカーに興じている。子供はちらほらいるものの、女性の姿はほとんどない。みんなもう家に帰ったのだろう。
この羊肉の串焼きは売れ残りなのか、あるいは関係者の懇親会用に残してあったものなのかはわからないが、非常に魅惑的な匂いを放っていた。どうしても食べたくなって「ひとつ下さい」と言ってみたら、「どうぞどうぞ!」と差し出してくれた。代金は要らないとのこと。
独特のスパイスの効いたジューシーで香ばしい炭火焼の羊肉…うっとり。食べ終わったらもう1本くれたので、もちろん遠慮なくいただいた。用意されていた飲み物はコーラと水。ビールでないところが現地風だ。
お姫様風に着飾った女性が残っていたので、お連れの方と一緒に写真を撮らせてもらった。
家族写真も1枚。男の子が着ているのはクルドの戦闘服。
羊の串焼きをいただき、写真も撮らせてもらって満足したので、帰ろうとしたら、クルド文化協会事務局の方が駅まで乗せていってくれる車を探してくれて(私が「いっぱい歩いて道に迷ってたどり着いたらネウロズ終わってましたなんてことなの~」と愚痴ったからだと思う)、その結果、仕事を終えてお店に帰るところだった「ハッピーケバブ」のトラックで蕨駅付近まで送ってもらえることになった。
このトラック。ケバブのワゴン車に乗ったのは生まれて初めてだ。
運転手はハッピーケバブの店主。せっかくの機会なので、蕨駅に着くまで色々質問した。
その中で、ハッピーケバブについて得た情報は以下の通り:
・ハッピーケバブは野球のヤクルトのスポンサーで、ヤクルトの2軍が神宮球場で試合をするときは屋台を出す。2020年の東京オリンピックのスポンサーにもなっている。
・ハッピーケバブは2015年にケバブグランプリで1位になった。(と店長は言っていたが、後で調べてみると「イケメン店員部門」での1位獲得だった。ケバブグランプリに行ったことのない私には、そんな部門があること自体驚きだが、イケメン店員が誰なのかちょっと気になる)
・お店で出しているドネルケバブ(あのぐるぐる回る逆三角形の焼肉)の肉の塊は出来合いの冷凍ものではなく手作り。(冷凍の輸入品は高いからというのがその理由)
・チャイはインド産の茶葉を使用している。トルコ産よりもインド・セイロン産のほうがしっかりした味でチャイに適している。
・日曜日には牛肉の挽肉を使ったケバブの一種を提供している。
なお、昔は日本で売られている羊肉は臭くて下処理をせずには食べられなかったが、最近は臭みのない良質の羊肉が普通に買えるようになったとのこと。羊肉、北海道以外でも普及してきたんですかね・・・
私は偶然この数日前、初めてハッピーケバブを訪れ、ケバブを食べていた。
パンなしのおつまみケバブ(辛口ソース)と赤ワイン。トルコのワインは美味しい。ラクも飲んだ。
こっちは友人が食べたもの。シシケバブのラムかな?美味しかったそうだ。
ここのチャイは、トルコそのままの強めの味で、たしか100円だったと思う。
私たち以外の客はほとんどクルド人の男性で、トルコ語の会話が飛び交っていて独特の雰囲気だったが、不思議と居心地はよかった。お店側が日本人の客を歓迎しているのが感じられたからだと思う。というわけで、みなさんもぜひハッピーケバブにどうぞ。(回し者?)
ハッピーケバブの食べログ
https://tabelog.com/saitama/A1102/A110202/11036932/
(終わり)