モダンデザイン・デザイナーズ家具・名作家具を考える。

世の中のすべての製品には歴史があり、現在に至ります。
製品の歴史、変遷、デザインを辿りたいと思います。

アントニ・ガウディ(アール・ヌーヴォーの建築家-3)

2013年08月13日 | 建築家・デザイナー

スペインのカタルーニャ州、バルセロナに近い所にタラゴナという町があります。 タラゴナはローマの遺跡が点在する歴史のある町です。

アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)アントニ・ガウディ(1852-1926 Antoni Gaudi) は1852年、タラゴナに生まれました。

幼少の頃どちらかと言うと病弱だったガウディは、友人たちと自由に遊びまわることが困難で、一人で居る事が少なくありませんでした。
そのような環境の元、自然の風景を観察したり、動物、昆虫、植物に接する事を好むようになります。

ガウディの建築作品には植物、小動物、昆虫などのモチーフが多用されますが、それらは幼少の頃の自然との接点が多分に作用したのではないかと考えられます。

1873年にバルセロナで建築を学び始めますが、建築だけでなく、その他の芸術や美術、さらには哲学や歴史など多様な分野について研究熱心でした。

ガウディが仕事を始めて間もない頃、折りよく 『パリ万国博覧会(1878)』 が開催されました。
博覧会では、出展企業の商品を展示するショーケース等を設計しましたが、それらガウディの作品が富豪 エウセビ・グエル(1846-1918 Eusebi Guell) の目にとまりました。

グエル公園(Park Guell)グエルは、その後ガウディに 『グエル邸(1886 Palau Guell)』『グエル公園(1900 Park Guell)』『コロニアグエル教会地下聖堂(1898 Colonia Guell)』 など多数の建築、空間の設計依頼をします。
左は 『グエル公園(1900 Park Guell)』 にあるトカゲのオブジェですが、破砕タイルを貼り付けて装飾する手法はガウディの建築作品の特徴のひとつです。

グエルは、長きに渡りガウディの理解者として、又、パトロンとしての関係を保ちます。
又、グエルがガウディに依頼した案件がガウディの傑作と言われる作品になっているものも少なくありません。
それらの作品を目にすると、当時いかにガウディがのびのびと設計作業に専念出来たかを想起させます。

サグラダ・ファミリア教会(Sagrada Familia)1918年にパトロンだったグエルが死去した頃、バルセロナの経済状況の悪化、ガウディの親族など身の回りの状況が立て続けに悪化し、ガウディは内向的になります。

ガウディの晩年は周辺環境の悪化と同時に、ガウディの精神状況も決して良くなかったと思います。

1926年、教会に行く途中に路面電車に轢かれ亡くなります。
ガウディが事故にあったその時の身なりがあまりにみすぼらしかった事もあり、適切に迅速に医療処置がされなかった事が死に至った最大の要因のひとつと言われています。

さて、ガウディの死後間もなく1世紀が経とうとしていますが、現在なお建設中のガウディ設計の 『サグラダ・ファミリア教会(Sagrada Familia)』 は果たしていつ完成するか興味深いです。



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