昨年の参院選で参政党は177万票を集め1議席を獲得した。
これは社民党126万票やN党の125万票を上回っている。
既存マスメディアはほぼ無視の状態だが、なぜここまで票を集めたのか検討しておいた方が良いと思う。
なぜかというと、支持者は真面目でおとなしそうな、政治の素人が多いからだ。
参政党の主張は、一見もっともらしい。
考える力を養い伝統を大事にする教育改革、無農薬を中心とした食の安全、外国からの投資制限、マスク着用の不使用など。
ところが科学的、合理的に検討されたうえでの主張なのか、いささか疑問がある。
やや陰謀論的な主張が含まれているような気がする。
もう一つの柱が「右傾的世界観」だ。
その言説の多くは戦後民主主義の理想である「平和主義」、「基本的人権の尊重」、「国民主権」に反するものだ。
このようにリベラル的な主張と右傾的な保守主義が混在している。
リベラル的な主張に魅かれて投票した人は、どこかの段階ではしごを外される可能性がある。
ここは注意すべき点だろう。
岸田内閣を支持しない有権者の8%が参政党に投票した。
これはれいわ10%、国民民主党7%と同じくらいのレベルだ。
ちなみに立憲民主党は21%。
必ずしもガリガリの右傾的な保守ばかりでもない。
既存政党は与党も野党も参政党の選挙戦術を研究したほうが良い。
ユーチューブの視聴者が支持している割合が高い。ネットを上手く利用しているということだ。
参政党収入は18億円だが9割が個人ということからもうかがえる。
国民民主党は年間収入が18億円だが、ほとんどが政党交付金だ。
参政党の集金力はバカにならない。
更には街頭での「一緒に活動しよう」という呼びかけは、
政治への無関心層を掘り起こしている可能性はある。
いずれにしてもこの政党を無視していることはかえって危険な気がする。