社会人になった時に、
親から「ハンコだけは少しおカネがかかってもいいものを作りなさい」と言われて、作った覚えがある。
最初に押したのは出勤簿。
以来ビジネス生活で、ハンコは親しき友であった。
ハンコを押すということは、自分の意志で押しましたという存在証明だったのである。
行政手続きの見直しとか制度の簡素化はどんどんやればよい。
しかしそのことと「ハンコ文化」そのものを馬鹿にするような行為は、河野大臣の人間的資質が問われる問題。
河野大臣は自身のツイッターに「2+1は田村厚労大臣と。平井大臣からのプレゼント」とのつぶやきとともに、平井デジタル改革担当相と笑顔でのツーショット写真、さらに「押印廃止」と彫られたハンコと捺印の写真をアップした。
悪ふざけしてほくそ笑んでいる姿が拡散された。
さっそくハンコ産地の山梨県の長崎知事が噛みついた。
「唖然として言葉も出ませんーーーただただ限りない”嫌悪感”」
外野で大きな声を出しても、いざマウンドに登ると口ほどでもない姿は毎度のことだ。
雑誌選択
私は、5~6年前までは河野太郎を評価していたのだが、この数年安倍・菅に汚染されたのか、すっかり俗物に成り下がってしまった。
特に評価できないのが、強い相手にはビクつき、弱い相手には強面で通すこと。
実印などの大切な印鑑は「印相体」で作るケースが多い。
印相体は篆書体をベースにより印鑑にふさわしい文字になるよう整えられた書体。
①自体が複雑なので偽造されにくい
②周りの枠と接点が多いので欠けにくい
③八方向へと広がるデザインなので縁起が良い
ハンコには日本文化のエッセンス(本質、神髄)が詰まっているのだ。
日本の印鑑の歴史としては、中国から贈られた金印に端を発していると言われている。
「漢委奴国王」と刻まれた金印ーー中国後漢の時代西暦57年
デジタル、デジタルと騒げばすべてうまくいくと思うのは単なる錯覚だ。
ハンコ廃止などと騒ぐ前に決済方法のシステムを見直すべきだ。