中村草田男が、
「降る雪や明治は遠くなりにけり」を詠んだのは1931年(昭和6年)31歳の時だった。
その明治の心とは「恥を知る」だという。
昭和6年頃は昭和恐慌の後で世情がすさんでいたのかもしれない。
もう数年もしたら昭和100年になる。
「散る梅や昭和は遠くなりにけり」
これは私のざれ歌、この国を指導する人たちの精神の衰退に暗澹たる思いをこめた。
桜にしようかと思ったが梅の方が凛々しい。
日本人が正気に戻るのは負けを認めた時だ。
戦後短期間で復興したのも「敗北を抱えていた世代」(内田樹)がいたからだ。
安倍・菅・岸田と続く政権は、何があっても負けを認めたくないようだ。
黒田東彦前日銀総裁などその典型的な例だ。
トップが事実を直視できないのだから日本の混迷はまだ続くだろう。
レジリエンス(resiliensce)という言葉がある。
逆強にへこたれずに元気を取り戻す力
敗北を抱えるとは、最悪を知っているということだ。
最悪を知らなければやはり言い訳したり開き直ったりするのだろう。
ダルマ人形は立ち直りと我慢強さの象徴だ。