イギリスのオックスフォード大学地理学教授ダニー・ドーリングの著書「減速する素晴らしき世界」が、世界中で大きな反響を呼んでいる。
彼の主張は次だ、
世界の人口や出生率、情報量、経済成長など、加速していると思われているほとんどの指標がスローダウンしている。
スローダウンとは「減速」であって「減少」ではありません。
スローダウンは進歩していない「停滞」であると私たちは捉えがちです。しかしそれは安定であり、決して悪いことではありません。
私は彼の意見に賛成だ。
もはや我々が住むこの地球は限界を迎えつつある。地球温暖化などその最たるものだ。
ところが未だに「成長!成長!」と騒ぐ人たちがいる。
未開発国ならいざ知らず先進国、特に日本は十分豊かになっている。
問題は格差が生じていることだろう。
日本は世界の中で最初にスローダウンした国だ。
デフレだからと金融異次元緩和を主導した黒田総裁は何の成果もあげられずに開き直って退任した。
スローダウンしている大きなうねりにどう逆らおうが波に流されるだけだ。
スローダウン(デフレ経済)の良さを楽しむべきだったのだ。
減速した生活を楽しむのであれば「田舎暮らし」も良いだろう。
特に若い人には田舎に向かって欲しい。
都会に住むのであれば自然をたっぷりと取り込んで欲しい。
10年ほど前に藻谷浩介が「里山資本主義」を著したが、先見の明があったと思う。
随処に主となれば、立処皆真なり。
いつ・どこにあっても、やる気になってやるなら、
そこが現実に理想の場となる。
2017.4.11