8年近くに及んだ安倍政権の総括も十分行わないまま、早々に安倍的なるものを丸呑みした菅政権が誕生しそうだ。
日本人は、どうも論理的に物事の正否を論じるのが苦手なようだ。
何を判断の基準にするかというと、「機能主義」(役に立つかどうか)だ。
こっちが便利だと思ったらすぐ乗り換える。ワープロやファックスなどもうほとんどの人は使わない。
菅、石破、岸田のなかで、菅が当面使い勝手が良い、ということだろう。
アベノミクスなどという「花見酒経済」をまだ続けるつもりだろうか?
もっとも今やアルコールが全身に回っているから、もうやめようがないのだが。
しかしその弊害に気が付いてやむなく維持せざるを得ないと考えているのと、無反省に続けるのとはこの先に違いが出る。
「あくまで成長を追い求める」路線から「今あるものでより善く」の方向に早く転換する必要がある。
このところの異常気象は、すでに地球のキャパシティが限界に来ていることを突き付けている。
日本はこの事実にいち早く気が付いて、旗振り役に回らなければならないのに、トランプへの追従であたら時間を潰した。
トランプが再選されてあと4年同じような状態が続くと考えたら寒気がするのだ。
目の前で展開されている事柄は、愚かな一部の指導者たちが「未来からの収奪」を行っているということだ。
日本はこの先ゼロ成長でも十分にやっていける。
一つには日本が世界一の金持(資本蓄積)だから。
問題はその金が偏在していることだ。
中間層の厚みを造るような税制改革が必要だろう。
(中間層への減税と高所得層への増税)
「あるもので最善を尽くす」、これは日本のお家芸。
完成度の高い消費財市場は、世界のどこへ出しても恥ずかしくない。
ここに低成長で成功する日本モデルがある。