安倍政権は、「GOTOトラベル」をめぐりキャンセル料を補償する方針に転換した。
朝令暮改も極まれりだ。
世襲政治家や官僚エリートは、予測が出来ない不確実性が高まると、突然に無能レベルに陥る。
平時には何とか誤魔化せたことも、緊急時とか異常事態になると試験問題を解くようなわけにはいかない。
乱世にはEQの高さが求められるのだ。
EQ--こころの知能指数(Emotional Inteligennce) 自己や他者の感情を知覚し、自分の感情をコントロールする知能。
戦時独裁統治が、効率的であり、場合によっては正当であるとみなされる。
しかしこのスタイルは殆どといっていいほど成功していない。
コロナ過で「いわゆる夜の街」をターゲットにした警察権の行使などが話題に上っているが慎重に取り扱うべきだ。
EQを日本的な言葉で表せば「仁」という言葉になろうか。
太平洋戦争下のジャワ軍政の指揮官、今村均中将は「仁将」と呼ばれた。
今村の統率スタイルは「懇談と雑談による調整」、いわゆる民主的な統率方式だった。
しかしこのような穏健な民族自主化政策に対し軍中央は極めて批判的だったという。
次のようなエピソードは感銘に堪えない。
今村は、1948年オランダ軍による軍事裁判にかけられた。しかし今村の軍政に対し多くの原住民が証言に立ち、慈愛に満ちたものだと証言した。
そして今村は無罪になった。残りの刑期(自分の部下の中に不正を働く者がいて10年の刑を受けている)を巣鴨刑務所で過ごすために、日本に戻ってきた。
この時、今村は、オーストラリアに抑留された部下たちがマヌス島で収容されていることを知り、自らもマヌス島で服役することを志願した。当時のマヌス島は、悪疫や酷暑で人間が住めないと恐れられていた孤島だった。
昭和28年(1953)、刑期を終えて、今村均は旧部下165名と共に横浜港に帰還したのである。
責任を取ることから逃げ回る安倍晋三や麻生太郎に、今村中将の「爪のアカ」を飲ませたいものである。