行雲流水の如くに

万葉人は言葉を大切にしたのだがーーー今はどうだろうか

しきしまの大和の国は 言霊(ことだま)の助くる国ぞ ま幸くありこそ 

 柿本人麻呂

 

どうだろう最近の言葉使いの軽くなったこと、全く嘆かわしい。

首相のブレーン的役割の某内閣官房参与が、女性アナウンサーが口にしたくないような言葉使い。

首相はどうかというと、うつろな目で「言葉に魂がこもらない」。

 

オオバナノエンレイソウ

湿潤な広葉樹林を好み発芽から開花まで10年かかる。

こんな性質と開発が進むことによって、いまや「絶滅危惧種」に指定された。

北海道大学の徽章になっている。

 

あをによし奈良の都は咲く花の 薫(にほ)ふがごとく今盛りなり 

 小野老(おゆ)朝臣

赴任先の大宰府から奈良の都を思って詠んだ歌。

ここで詠まれている歌は桜だろうか、それとも梅だろうか?

やはり梅のような気がする。

 

利休梅

馥郁とした香りと花心の黄緑色が何とも好ましい。

しかしこの2~3年野ネズミにかじられて痛々しい。がんばって夏を乗り切って欲しいものだ。

 

 

忘れ草わが紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため

大伴旅人

(忘れ草をわが下紐につけるーー香具山の古き京を忘れんがため)

ここでいう忘れ草は萱草(カンゾウ)ーー花が一日限りで終わると考えられたため

 

カンゾウ

 

北国ではまだ薔薇が咲かない。漸くつぼみをつけ始めた。

今楽しめるのは、チューリップ、忘れな草、クリスマス・ローズなど。


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コメント一覧

megii123
四季の彩りさん
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り万葉時代も「言葉の乱れ」があったのでしょうね。
(孔子の時代にも道徳の乱れがあったようですから)

しかし万葉の歌を詠む限りにおいて、当時の人たちが感じたことが今の我々とあまり違いがないことに感動いたします。
しかも言葉使いが豊かです。

ツイッターなるものが一般化して「言葉の軽さ」が一層ひどくなったような気がします。
要するに「脳細胞」を経由しない「脊髄反射」のせいでしょう。

大伴旅人についての感想、私も同感です。
人生観がある程度似通っているからこんな会話が出来るのでしょうね。
「朋有り遠方より来るまた楽しからずや」
megii123
kenちゃん
「嫁さん」のために作った詞だそうで、夫婦仲が良くていいですね。
私は照れくさくてとてもできません。
shou1192_2010
「行雲流水」さん こんにちは。

「言葉使いの軽くなった」とは、おっしゃる通りですね。
かつて、日本を「言霊の幸(さき)わう国」と呼んでいたことがありましたが、
柿本人麻呂は「言葉が持つ力によって幸せになっている国」への思いを
この短歌に籠めたことが伺われます。と同時に、この時代にも言葉を
粗末にする少なからぬ潮流があったのではないかと推察できます。私の
勝手な邪推かもしれませんが…。

それにしても、言葉で人々を導かなければならない方々の「言葉の軽さ」には
嘆かわしさを通り越して、あきれるばかりです。
深奥に秘める責任感と、覚悟の無さが言わせる言葉の「軽さ」とも言えると考えます。
そのような方々には、その立場から、早々に退いて頂かなければなりませんが…。

行雲流水さんは「万葉時代の歌人が好きですね。特に大伴旅人」とおっしゃって
おられましたが、令和の元号で注目を浴びる前に、既に大伴旅人の短歌を深く
味わっておられたことと思います。

私も、彼の詠んだ
 〇我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも
の歌が好きです。華やかな宴の中にあって、そこはかと忍び寄る寂寥感を
漂わす、この歌の神髄は未だ理解できないもどかしさを抱えています。
こんなお話ができるブログは楽しいですね。
これからも宜しくお願い致します。
knsw0805
わあ、行雲さん、コメントに書いてある、ゴルフ、お酒、クラシック全て一緒、ガーディニングは忙しくて出来ませんでした。今日も
「葉山一色慕情」お聞きくださりありがとうございました。cookie(嫁さん)のために作った詞です。長野県に移住する前にいた場所です。ブログでもリスペクトする人に出会うのですね。不思議です。
megii123
ひまわりさん
コメントありがとうございます。
安倍・麻生・菅政権がかくも長く続いていることが、日本語を乱し日本文化をもズタズタにしていますね。
彼らはつねに「脊髄反射」ーー椅子に座って膝頭を叩くと足が跳ね上がるーー
要するに「脳細胞」を経由していないんでしょう。

永田和宏さんの短歌、いですね。
言葉の危機が時代の危機だ
まったくその通りだと思います。
megii123
kenちゃん
「自分のことは自分ではわからない」とよく言いますが、「意外性がある」というご指摘はありがたいですね。
現役のころの趣味は、ゴルフとガーデニング。
酒はほどほどに。日本酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、ビールなど何でもよし。
リタイア後は、演歌からクラシックへ変化しました。
読書はいですね。世界が広がります。
ひまわり
永田和宏さんの短歌

 不時着と言ひ替へられて海さむし言葉の危機が時代の危機だ

   秘密保護法とか共謀罪が強行採決されたころの歌です。
ひまわり
おっしゃるとおりです!
言葉が軽く、歪曲した意味を持つようになったのは、
安倍さんの時からだと思います。
麻生さんの「未曾有(みぞうゆう)」もひどかったですが、
事実をねじ曲げ、言い訳するために日本語を乱しました。
「募っているけど、募集はしていない」はてさて???
永田和宏さんもずいぶん前から嘆いていました。
knsw0805
「行雲」さん、こんにちは、学がありますね。私が知っているのは
「あをによし奈良の都は咲く花の 薫(にほ)ふがごとく今盛りなり」です。ちょっと違う話を書きますが行雲さんには意外性があります。一番最初行雲さんの文章を見た時「これは固い人だな」と思ったのですが、私の音楽番組に訪問してくださったり、ゴルフで御代田町遺跡付近を通っていたとかの文章があったり、縄文遺跡がお好きだとか、そして今日もそうですが「お花」の写真投稿があったりと、幅のある人だなと思いました。その意外性で行雲さんを好きになりました。
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