MVCメディカルベンチャー会議

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第3回医療経営塾

2009年06月20日 | 医療経営塾
医師のキャリアプランについて学ぶため、狭間研至氏(医師 医学博士 外科専門医)を講師にお招きして、「大学でも、勤務医でも、開業でもない!?ビジネスドクターという第4の選択」をテーマにお話いただきました。





①私は、大阪で薬局の長男として生まれました。現在40歳で、卒後15年目の医師です。薬剤師の母は、地域の中では健康相談センターのような働きをしていました。

②母は私に薬剤師ではなく医師になることを勧めましたので、大阪大学医学部に入り、卒後には心臓外科医に憧れて第1外科に入局しました。市中病院で研修を積み、呼吸器外科の専門医になり、大学院に戻りました。

③大学院では臓器移植に応用できることを視野に入れて、人畜共通感染症予防に関する論文を書き、博士号を取得しました。5年前の2004年、35歳のときに、研究者として大学に残るのか、臨床医として市中病院に勤務するか、開業するかという選択肢以外のもう一つの道が選択肢に上りました。

④母が経営する薬局を会社にして、その社長に就任し、経営者になる、という道に進むことを決意し、当時の指導教授にその旨を伝えたところ、「お前、アホちゃうか?医者が薬局行って何するんや?」と言われました。

⑤先輩の医師が尽力して下さったため、医局と縁が切れることなく、薬局経営の道にすすむことが可能になりましたが、後年その教授には「あの時はすまんかったな。教授として若い人材の流出を唯唯諾々と受け入れるわけにはいかんもんや。」と言われました。これは自分が経営者となった今はよく理解できます。

⑥この10年で、外科医→経営者へと少しずつ創業へのソフトランディングが進んできましたが、現在は薬局経営に加えて、週に8コマの外来を持っています。

⑦ファルメディコ株式会社は、2004年に母の薬局を法人化したものです。社名の由来は、Pharmaceutical scienceとMedical ScienceとComputer systemを組み合わせたものです。

⑧現在は、薬局3.0という概念をまとめ、昨年書籍として出版しました。医療におけるデジタル化が自社の強みとする領域であり、医療と教育とITの交わるところにオンリーワンとなる分野があると考えています。

⑨高齢者居住系施設向けの医歯薬連携体制構築という業務を受託することで、街づくり(medical town)にも積極的に関わっています。

⑩医師は、コミュニケーション能力の点でも、プレゼンテーション能力の点でも、リーダーシップの点でも、診察・学会・院内業務を通じて、経営者になる素養があるように思います。

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