紫の物語的解釈

漫画・ゲーム・アニメ等、さまざまなメディアにひそむ「物語」を抽出して解釈を加えてみようというブログです。

【幽遊白書】蔵馬の物語を追う[人間界での戦い]

2010-08-05 22:45:24 | ○○の物語を追う
前回からの続き


  母の病気

ある日、南野秀一の母親が病気で倒れた。
どうやら重い病気のようで、母親は日がたつにつれて着実に弱っていった。
このとき蔵馬は、自分がこの人間の母親を本当の母親として慕っている
ということにあらためて気付かされるのだった。



南野秀一の父親は少し前に亡くなっていた。
蔵馬が父親に対してはどのような感情を抱いていたのかはわからないが、
母親ほどには慕ってはいなかったのではないだろうか。

ともあれ、蔵馬は病に冒されていく母親を本気で助けたいと思った。


  飛影と剛鬼

母親を救う手立てを探していた蔵馬は、霊界の秘宝に「暗黒鏡」というものが
存在することを知った。
満月の夜に映った者の望みを叶える力があるという、
この秘宝を入手できれば、あるいは母親は助かるかもしれない。



決意した蔵馬は、盗賊稼業を再開することにした。
仲間は二人。
一年前に知り合った飛影と、剛鬼という妖怪だった。
かつての妖孤・蔵馬の悪名を知っていた剛鬼は、現在の人間の姿の蔵馬を
見てあざけるが、蔵馬はその気になれば前以上の力を出せると大言する。
しかし、これは嘘である。
蔵馬にはもう、かつての妖孤としての力は無かった。



とはいえ、かつて盗賊として培ってきた技術・知識まで
失ったわけではない。
飛影も魔界で名を馳せた盗賊である。
蔵馬たちは霊界から秘宝を盗み出すことに成功したのである。


  浦飯幽助

秘宝を盗まれた霊界は蔵馬らのもとに追跡者を送り込んできた。
霊界探偵「浦飯幽助」である。



暗黒鏡を使って母親を救うまでは捕まるわけにはいかない蔵馬は、
自分の正体や病気の母親のことまで、すべて幽助に告白し、
満月の夜までは自分を捕まえるのを待って欲しいと頼む。

しかし、暗黒鏡は願いを叶える代償に、願った者の命をささげなければ
ならない呪われた鏡だった。
蔵馬はそれを承知で、満月の夜に暗黒鏡を使用する。



暗黒鏡によって蔵馬の命が失われようとする瞬間、
傍らにいた幽助が手を出した。
なんと、この人間は自分の命を半分差し出すと言うのだった。
命を半分ずつ差し出せば、蔵馬の命を全部取らなくてもいいだろう、と。
自らを犠牲にして他人を助ける人間が、母親以外にここにもいたのだ。
これには蔵馬も驚いた。



蔵馬と幽助が使用した暗黒鏡により、母親は命をとりとめた。
蔵馬は約束どおり霊界に投降し、霊界裁判を待つ身となった。

また、しばらくして飛影も幽助によって霊界に捕縛されることとなる。



その際、蔵馬は幽助に肩入れした。


  免罪への道



霊界に逮捕された蔵馬(と飛影)は、免罪の条件を突きつけられる。
それは、「四聖獣」と呼ばれる魔界の犯罪組織を幽助と協力して潰す、
という条件であった。
幽助に協力することで、のちに行われる霊界裁判で罪状を軽減できる
ということだった。



四聖獣との戦いでは、持ち前の植物を操る能力と、盗賊としての技術を
駆使して「玄武」という幹部を倒した。


  暗黒武術会へ出場、かつての妖孤の力を



人間界で行われる妖怪たちの殺し合い「暗黒武術会」。
この大会に、浦飯幽助らと共にゲストとして招待されることとなった蔵馬。
拒否の選択肢はない。戦って、勝つこと。
これ以外に生き残る道はないようだ。







人間として生きることに決めていた蔵馬にとっては気乗りのしない
大会ではあったが、呼ばれた以上は妖怪として存分に戦った。
妖気を総動員して戦うのはずいぶんと久しぶりであった。
この大会を通じて、蔵馬の妖力は向上しつつあった。
そして、決定的な出来事が起こる。



裏御伽チームの、裏浦島が使用した「逆玉手箱」によって、
蔵馬は前世の姿まで若返り、かつての妖孤・蔵馬に立ち戻ったのだった!
しかし、効果はほんのわずかしか続かず、すぐにもとの南野秀一の姿に
逆戻りしてしまったが。
人間として生きることに決めた蔵馬であったが、一度かつての妖力を
取り戻すことが出来てからは、どうすれば元の妖孤の姿に戻れるか
真剣に考え始めた。



そして、その想いは戸愚呂チームの「鴉(からす)」と対峙してからは
決定的なものになった。
今の妖力では、戸愚呂チームに勝つことはできない。



そんな蔵馬に、渡りに船とばかりのアイテムが手渡される。
裏御伽チームの大将であった「美しい魔闘家・鈴木」から、
「前世の実」というアイテムを託されたのだ。
これを使用すれば、少しの間、妖孤の姿に戻れるのだという。



鴉との戦いで早速使ってみる蔵馬。
爆弾を操作する鴉 対 植物を操作する妖孤・蔵馬の戦いは熾烈を極めた。
しかし、前世の実の効果は驚くほど早く切れるのだった。



人間の姿に戻ってしまった蔵馬であったが、
最後の力を振り絞って魔界の吸血植物を召喚する。
本来、魔界の植物は妖孤クラスの妖力が無いと召喚は難しく、
仮に召喚できたとしても命を失いかねない技術だったのだが、
このときの蔵馬は命を落とすことはなかった。

南野秀一の肉体に、かつての妖孤の妖力が戻りつつある証であった。



暗黒武術会は浦飯チームの勝利で幕を閉じた。
この大会は、皮肉にも一度は人間として生きることを決めた蔵馬に
かつての強大な妖力を甦らせつつあった。

人間と妖怪の挟間を揺らぎ始めた蔵馬。
どうするどうなる―?


 次回へ続く

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1 コメント

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ゆうゆうはくしょ大好き (小6)
2018-11-18 08:45:15
せんすいかずやのことも書いてください!!
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