私のお気に入りの本。それはオマル・ハイヤームの「ルバイヤート」
この本は、いわゆる<四行詩>とよばれる短い歌(?)が、たくさん載っているものであるが、一つ一つの歌に警句のような鋭い意味があって、断片的な歌(四行詩)をいくつか読んでいくと、作者の深い人生哲学の全貌が、うっすらと伝わって来る仕掛けになっている。
また、短い歌がたくさん載っているものなので、好きな時間に好きなページを読めるのもいい。――とても気楽に読める本で、かつためになる。
岩波文庫から出ているが、多分まだ絶版にはなっていないと思うので、興味のある方は、読んでみたら如何?
参考程度に、いくつか好きな歌を紹介しておこう。
以下、「ルバイヤート」からの抜粋。
※ ※ ※
創世の神秘は君もわれにもわからない。
その謎は君やわれには解けない。
何を言い合おうと幕の外のこと、
その幕がおりたらわれらは形もない。(7)
※ ※ ※
われらが来たり行ったりするこの世の中、
それはおしまいもなし、はじめもなかった。
答えようとて誰にはっきり答えられよう――
われらはどこから来てどこへ行くやら?(10)
※ ※ ※
もともと無理やりつれ出された世界なんだ、
生きてなやみのほか得るところ何があったか?
今は、何のために来り住みそして去るのやら
わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!(2)
※ ※ ※
魂よ、謎を解くことはお前には出来ない。
さかしい知者の立場になることは出来ない。
せめては酒と盃でこの世に楽土をひらこう。
死んだからって俺たちが、天国に行けるとは決まっちゃいない。(4)
※ ※ ※
この道を歩んで行った人達は、ねえ酒姫(サーキィ)
もうあの誇らしい地のふところに臥したよ。
酒をのんで、おれの言うことをききたまえ――
あの人達の言ったことはすべて風だよ(13)
※ ※ ※
わが宗旨はうんと酒をのんでたのしむこと、
わが信条は正信と邪教の争いをはなれること。
久遠の花嫁に欲しい形見は何かときいたら、
答えて言ったよ――君が心のよろこびをと。(75)
※一部、表現を変えた箇所もあり
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