スズキのチョイノリは、すごい昔に、乗っていたことがあるが、私にとってとても愛着のあるスクーターであった。
では、チョイノリの何が好きか? というと、それはあの<チープさ>にある。このバイクは、何もかもが<チープ>に出来ているのだが、そこで開き直っている所に、このバイクの最大の魅力があるのだと思う。
たとえば、チョイノリは、まずデザインが<チープ>である。あの、ほとんど何もないシンプルさが、とても潔い。それから、エンジンも<チープ>である。トルクが全然なく、アクセルを回すと、バイクとは思えないほど、軽い音がする。(オモチャみたいだ)それから装備品も、スピードメーターしかないという単純さである。
しかし、――繰り返しになるが――その安っぽさが良い。「チープなものには、チープなものの良さがある」が、このバイクを開発した人は、それがよくわかっているのだろう。チョイノリは、そのオモチャ感(?)の美学を追求したバイクなのである。
ちなみに、「では、なぜこのバイクを手放したのか?」というと、このバイクに乗っていると、しょちゅう警察に捕まるからである。私は、昔、何も違反していないのに、しょっちゅう捕まって、いちゃもんをつけられたりして、違反切符を切られていた。
そして、確か免許を更新する時、ほとんど点数が残っておらず、もっとも悪質なドライバーが受ける講習を受講させられたような気がする。(チョイノリは、そんな風に、警察の点数稼ぎのカモにされるので、お薦めできない。)
いずれにせよ、チョイノリは、本体は安いが(違反切符をしょっちゅう切られるので)、実はコストパフォーマンスが悪いバイクなのである。