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サラ☆の物語な毎日とハル文庫

ほんとうは怖いグリム童話ってナンダ?

先日、池袋の西武ギャラリーで、「グリム童話の世界」展というのをやっていました。
ちょうどデパートの地下を歩いていたらポスターを見かけたのです。
最終日で、しかも西武百貨店のポイントカードを持っていると無料で閲覧できるというので、寄ってきました。

ドイツの「カッセル・グリム兄弟博物館」が所蔵する、グリム兄弟ゆかりの品々や美しい挿絵の数々が展示してありました。

グリム童話というのは、ヤーコブ・グリムとヴィルヘルム・グリムの兄弟が、ドイツに代々伝わる昔話を語り手たちから聞き取り、再話したものです。
(グリム兄弟は、ドイツで有名な言語学者だったそうです。)

「白雪姫」「赤ずきん」「シンデレラ」「おおかみと七匹のこやぎ」「いばら姫」など、すっかりおなじみの童話がいっぱい。
絵本になったものも数々あり、その挿絵がステキでした。

さて、このグリム童話、1812年に「子どもと家庭のメルヒェン集」として刊行されてから、1857年に第7版が刊行されるまで、文字通り7回も改訂されています。
ちなみに日本で出版されたものは、ほとんどが第7版がベースだそうです。

最初のグリム童話には、残酷な描写、性的な描写が含まれていたそうですが、そうした描写などを含めて、弟のヴィルヘルムのほうが手を加え、最終的に現在の形にしました。

ところで、ちょっと前まで「ほんとうは怖いグリム童話」といったタイトルの本がベストセラーになっていました。
グリム童話は、もっと残酷で性的な描写もありなのだ、というわけです。

きっと、それって、最初の頃に刊行されたグリム童話のことを言っているのだと思います。
あるいは、民俗学的に見れば…ということでしょうか。
だけど、「ほんとうは」のほんとうって、なんなのかな?

「もともとは」とか、「当初は」とかいう表現ならいいけれど、「ほんとうは」とつくと、まるで、わたしたちが幼いころから親しんできたグリム童話は“ウソ”みたいに聞こえませんか?

グリム童話に第三者が手を加え、毒抜きにしたというイメージ。

でも、手を加えたのは弟のヴィルヘルム・グリム本人です。
グリム童話は、グリム兄弟の作品です。
再話とはいえ、二人のフィルターを通してできあがった作品群。
改訂されていまの形になったのは、それが最終的に納得できる作品だったからでしょう。
グリム童話が、いまこんなに親しまれているのは、グリム兄弟の手になったものだからだと、わたしは思います。
再話だからって、単なる仲介者ではありません。
彼らはやっぱり創作者なのです。
グリム童話はグリム兄弟のオリジナル作品だと考えていいと思います。

さて、そこで、何がいいたいかというと、わたしは自分が大好きな話をニセモノ呼ばわりされた気がして、「納得できないよっ」と憤慨しているわけです。
プンプン!
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