サラ☆の物語な毎日とハル文庫

村上春樹の恋愛相談♡in「村上RADIO~今夜はアナログナイト」

↑ (c)Shinchosha


村上春樹さんの「村上RADIO~今夜はアナログナイト~」

今回はバレンタインデーがすぐということで

村上春樹の恋愛相談がテーマ。

 

途中でミュージシャンの坂本美雨さんのナビで

恋愛相談が挟まれたけど、

それがなかなか面白かった!

 

 

その部分だけ、TOKYO FMプラスのニュースソースから

引用させてもらおっと。

茶色の部分が引用です。

 

興味深かったのは、例えば

★「ラブレターの書き方のコツ」

(この話、村上春樹のエッセイかなんかで読んだことがある。)

でも、「日頃楽しいことや面白いことをコレクションしておく」って

意外にもむずかしい。

何を面白いと思い、何を楽しいと思うのかが問われる。

でもいいじゃない。自分の人生なんだから

自分が面白いこと、楽しいことを集めればねー。

ラブレターでなくたって、

楽しいこと、面白いことをメモしてためておくのは

人生を滋味深く生きるコツかもしれない。


★思い出は大事ってこと

たとえ混乱とか乱れが起った、

それが人生だからしょうがない。

思い出というのは人生の燃料になる。

歳を取ってから、その燃料があるとないとでは、人生のクォリティが違ってくる。

 

うーん。不安や恐れを抱えていても、

やりたいことに向かって突き進むほうが

人生のクォリティは高くなるってことだ。

 

やってまえー、ということですね。


ふむふむ、すべての発言が掌編かエッセイを読んでるようで

心に沁みました。


 

★村上春樹の恋愛相談in「村上RADIO~今夜はアナログナイト」★

バレンタイン直前ということで、放送前に「村上さんへの恋愛相談」を募ったところ、多数のお悩みが届きました。そのなかから選ばれた3つの恋愛相談と村上さんの回答の概要を紹介します。


村上:僕は、恋愛相談って、わりにすぐにぱっと答えるんだけど、あんまり当たらない。例えば、カップルが来て「僕ら結婚しようと思うんですけど、どうでしょうか」と言うので、「絶対合うから大丈夫」と答えると、なぜかだいたい離婚しちゃう。それで「絶対合わないよ」と言うと、けっこう仲良く暮らしていたりして(笑)。だから自信はあんまりないんですけど、答えることはすぐ答えるのでなんでも聞いてください。

<村上春樹さんへの恋愛相談>
私は最近、「絶対結婚する!」と思っていた彼とお別れしてしまい、それからなんだかなぁ、という感じの毎日を過ごしています。「うんうん、そうだね」って優しい時間を過ごせる人と一生を過ごしたいのですが、なにかしら問題を抱えた陰のある人を好きになってしまいます。春樹さんは恋愛と結婚は別だと思いますか?

村上:そういう人っているんですよね。つい陰のある人を好きになっちゃう人。これは、まあ一生治らないかもしれない。諦めるしかないです。陰のある人も、そういう人がいないと立場がないしね。誰かが相手をしてくれて、陰がある人も助かって、それでようやく世の中がうまく回転しているわけだから、これは自分の義務だと思って精進してもらうしかない。世の中のために尽くしているんだと思って、陰のある人を好きになるしかない。例えば年下のイケメンが好きだとか、年上の男の人に惹かれるとか、そういうのと同じで、これは「宿命」です。

<村上春樹さんへの恋愛相談>
僕には気になるパン屋の店員さんがいます。彼女からお釣りを渡されるとき、手に触れる感じでソフトに丁寧に渡してくれます。もちろん笑顔です。アタックすべきでしょうか。失敗して行きつけのパン屋を失うのが怖いです。なにせ、とても美味しいバゲットを出す店なので。

村上:いいですね、こういうの好きです。昔、エリック・ロメールという映画監督が撮った『モンソーのパン屋の女の子』という映画で、21歳くらいの大学生の男の子がきれいな女性を街角で見かけて、後をつけていく。その女の人がここに住んでいるというのがわかる。すぐ近くにパン屋があって、そこでパンを買って食べて、うろうろして彼女が出てくるのを待っているわけ。毎日それをやっているうちに、その売り子の女の子と仲良くなっちゃうという、なかなかいい話です。
この質問への答えですが、毎日同じ時間に行って同じパンを買う。そうすると顔を覚えられますよね。だんだん話もするようになって、きっと仲良くなれます。いっぱいパンを食べなきゃいけないけど、頑張って食べてください。
 
<村上春樹さんへの恋愛相談>
私はずっと「100パーセント」の男性を探して、合コン、婚活パーティー、結婚相談所などで数百人の男性と会いましたが、出会うことはできませんでした。なので、付き合って半年になる、90パーセントの男性に、心を決めてプロポーズしようと思います。もし成功すれば、私は既婚者になります。そこで相談です。もし今後、100パーセントの男性に出会ってしまったら、私は不倫をしてしまうと思いますか? 真剣に悩んでいます。

村上:「100%の女の子」という短編小説(「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」、『カンガルー日和』所収)を昔書いたんだけど、なかなか100%の人と巡り合うことはないですよね。80%だとちょっとパスするかとなるけど、90ってのは難しい。ちょっと見逃すのは惜しいし、かといって頭から突っ込んでいく気にもなれない。100%と90%の差というのは結構あります。でも、僕の意見を言わせていただければ、だいたい結婚して2、3年経つと数字って目減りする。減価償却みたいな感じで。3年経って25%目減りしたとすると100が75になって、90が65になりますよね。そうすると75と65の差ってないじゃない(笑)。だから結論から言うと、90あれば結婚しとけばというふうに僕は思います。そのあと100%の人が出てきたらどうするか、あとは野となれ山となれです(笑)。あとのことは、あとで考えましょう。90は確保しておかないと惜しい。どうでしょう、猫山さんに聴いてみますね? 

猫山:にゃー。

村上;猫山さんも、まあそんなもんだろうと。

<村上春樹さんへの恋愛相談>
旅先である女性と運命的な出会いがありました。ちょっと古くさいのですが、手紙で文通することになりました。そこでお尋ねしたいのですが、春樹さんがラブレターを書くうえでもっとも大切にされていたことは何でしょうか?

村上:いいですね。この人はメールとかSNSとかじゃなくて、郵便で出す手紙を出したいということなんですね。いまどきなかなかあんまりいない。僕の若いころは、インターネットなどはもちろんなく、手紙しかなかった。結婚して、うちの奥さんに「なんで僕と結婚したの」と聞いたら、僕が付き合っていた人のなかで一番手紙がうまかったからって。うちの奥さんは三人姉妹の真ん中なんだけど、ボーイフレンドから手紙がくると三人姉妹で全部朗読して、点をつけるわけ。そのなかで、僕が圧倒的に点が良くて、「絶対、村上くんがいい」ということになって結婚しました。そんなことを知らないから一生懸命書いてた(笑)。だから手紙って大事なんです。

ラブレターの書き方、これにはコツがある。もちろん上手いに越したことはないけど、下手には下手なりに書き方があって、僕の場合は日常生活に面白いことや楽しいことを集めておいて、それを書くんです。好きだとかなんだとか、自分の思いばかりを書いちゃうと、読むほうもけっこうしんどい。だからそういうことは控えめにして、面白いこと、楽しいことを手紙に書いて、ちょこっと「好きだよ」とかそういうのを書く。それがコツなんです。だから面白いこと楽しいことをコレクションすることがまず大事になると思いますね。
 

<村上春樹さんへの恋愛相談>
夫の事は大切で大好きなのですが、昔、一目惚れした人に会いたいと言われて迷っています。彼への一目惚れは本当に激しく、6年たった今でも忘れられません。正直、会いたいです。でも、結婚しているのに、食事をするだけでも不真面目だよなと思います。今まで真面目に生きてきたのに情けないです…。春樹さん、アドバイスをください。

村上:小説家としては、そうしないと物語が始まらないから、会いに行きますよね。リスクを恐れて会いにいかないと、なんにも始まらないし、小説にならない。だから、小説家としては「会いに行きなさい」と言うしかないわけです。でも、現実生活、彼女が彼に会うとリスクを引き受けなきゃいけない、責任を引き受けなきゃいけない。だから気軽にそうしなさいとは言えないんだけど……でもやっぱり僕としては、そんなに会いたければ、会いにいくのが普通じゃないかなと思いますね。もし混乱とか乱れが起こったとしても、それが人生だからしょうがないじゃない。
人生ってセックスと同じで、混乱もなく乱れもなくセックスが終えられたとしたら、それはやり方が間違っている。人生も同じで、混乱と乱れのない人生はやり方が間違ってます。
思い出を作るというのはすごく大事です。思い出というのは、人生の燃料になります。歳を取ってから、その燃料があるとないとでは人生のクオリティが違ってきます。だから思い切って会いにいきましょう。そうですよね、猫山さん?

猫山:うにゃあ。

村上:まあまあという感じですね。


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