約束の時間を 30分も 過ぎていた
ボクは 電車から 下りると
息を きらして キミの アパートへ 向かう
星が凍りつく ような 夜
はく 息は 白く
冷たい 風が ほほを つきさす
チャイムを 3度 押す
ボクとキミとの 合図
キミは そっと ドアを 開く
綿菓子のような キミの笑顔
シチューと 石油ストーブの
まざった 暖かな 空気が
ドアの外の 凍った ボクを
一気に 溶かして ゆく
「寒かったでしょ、、 手が 冷たい」
部屋に入ると
キミは ボクの手をとり
ほほにあてる
ボクは 思いっきり キミを 抱きしめたかったけど
そのまま、かじかんだ手を
キミのほほのぬくもりで
温めていた
「そうだ」
ボクは ポケットから 小さな箱を
取り出した
「メリー クリスマス 」
キミに差し出すと
キミは嬉しい時 見せる
ちょっと 困った 顔をした
うつむきながら 「なあに?」と
聞いた
ピアスだよ、、星のカタチの
じゃ、、 わたしも、、、
いつの間に 編んだんだろう
キミの手には 白い マフラー
ちょっと 不揃いな あみ目が キミらしい
おどけて 巻くと
キミの感触に 触れたみたいで
ドキっと した
小さな 耳たぶに 光る 星
仄暗い中で
キミの 細い 首すじに
キスをした
シチューの かおりと
ストーブの 低い 音
静かな 夜が
ボク達を 包んだ
出演 玉木 宏 & 水嶋ヒロ(お好きな方どうぞ)
宮崎 葵