そろそろ お腹回りがヤバくなってきたかつおが
会社から、帰ってきた
ガタガタ、、と大きな音がするので 玄関に行ってみると
大きな機械と セールスマンがかつおと一緒に
立っていた
「ただいま 今日はお父さんとお母さんのルビー婚式
(40周年)のお祝いにタイムマシンを買ってきたよ」
あらあ、、もう40年、、、
そんなに経つのねぇ、、
ちょっと感慨深げな気分な私
セールスマンは早速 機械の装着に取り掛かっていた
なんでも パナウソニック製の新製品らしい
キッチンにいた嫁の静代も 一歳になるフグを抱きかかえて
来て覗きこんだ
静代は かつおが大学4年の卒業とともにできちゃった婚で
うちにきた嫁
体もでかいが態度もでかい、、
すでに10歳と9歳の年子がいて、フグはちょっと年の離れた
3男だった
「おもしろそうねぇー」
ここんとこ、ちょっぴり物忘れの激しくなった団塊くんと
孫のお世話でクタクタのまりも、そして静代 かつおが
タイムマシンを覗きこんだ
セースルマンは蔓延の笑みを浮かべて
「準備は整いました
では、、、さっそく、、試して みましょうか 」
タイムマシンは4人乗りだった
一番最初にちょっと腰の曲がった団塊くんが乗り込んだ
そう、、、団塊くんと言えば オレは70歳で死ぬんだ
と意気込んでいる時もあったが70を過ぎた今でもピンピン
していた
そして、、私、かつお、、フグを抱っこした静代が乗り込んだ
前に大きなスクリーンがあり、レバーを上にあげると過去、
レバーを下に下げると未来が映し出されるという
セールスマンは 慌てて注意した
「くれぐれも過去の世界が映し出されている途中で
ドアを開けたり、いきなり時代を戻したりしないで
下さいね
現在に戻れなくなる、可能性もありますから、、、」
みんな、、、神妙な面持ちで 大きくうなずき、
「では、、、、」
とセールスマンがトビラを閉めると
私達は 10年前の過去へ 向かった
大学生のかつおがいた。
今では沖縄にお嫁にいってしまったいくらも
家でくつろいでいた
かつおが何やら、部屋にかぎをとりつけている
やがて、静代が 玄関のチャイムを押し
かつおの部屋へいそいそ、入っていくところだった
「あっっ あの日だ」
玄関に脱いであった静代のパンプスを
コソコソ眺めている 私が映し出された
「お母さん 何してるの」
となりで静代が聞くので、、慌てて
「え、、いぇ、、しずちゃんの靴 かわいいなと思って、、、」
スクリーンに S アライ の文字が、、、
「あーーー懐かしい 私ねー
いつも飲み屋とかで お座敷に上がると 飲み屋の
サンダルで家に帰っちゃうから、靴に名前書いたたんだわー
懐かしい~~~~」
うわっっ やっぱり、、
確か、昔やってたブログで そんな予想してた人もいたっけ
ウヒウヒ 笑ってる静代が気を許した隙に
フグがふざけて、レバーを下に下げてしまった
あーーーーーーダメーーーーー
時空をグルグルと急速に超えながら
私達は一足跳びに10年後に向かっていた
急激な加速の影響でタイムマシンは大きく揺れ
ちょっと開いたドアに 団塊くんは入れ歯を落としてしまった
あーーっっ
拾おうとしたら、団塊くんはドアから外に転げ落ちた
「出たら だめですよーーーー」
そういいながら 私も一緒に 転げ落ちてしまった
二人は未来に吸い込まれ
スクリーンには、もう 団塊くんも まりもちゃんの姿も
なかった
「お母さん、、あんなに お父さんが亡くなってからの
余生を 楽しみにしてたのにねぇ、、」
となりであたふたしてる かつおの
太ももに手をおいて
静代はニヤリと ほくそ笑んだ
ジャンジャン