まりはな屋

地方都市で、清貧生活  

雨の日には河童を思う

2009年10月02日 16時55分03秒 | 日々雑感
ときどき、河童のことを考える。

そんなにしょっちゅう考えているわけではないが

たまに思い出しては考える。

河童はいたのだろうか、と。

わたしの手元に、昭和40年に発行された「日本の伝説・西日本編」という本がある。

表紙はガムテープで補強され、ボロボロであるが発行された年が古いからではなく

30年近く前にわたしが手にしたときからすでにボロボロであった。

図書館の蔵書であったため、傷みが激しかったのだろう。

それが廃棄処分になり、持って帰ってよいと許可されたのだ。

内容は昔話と似た部分もあるのだが「伝説」と題されているだけあって

昔話のように教訓やオチがなく、尻切れトンボの話も多く

そこがいかにも「本当にあった話の言い伝え」っぽさを醸し出している。

その本の中に、やたらと河童が出てくるのだ。

狸の話も多いが、狸は今も存在する。

しかし河童は本当にいたのだろうか。

こんなにたくさんの伝説が残っているのであれば、存在したのではないかと思いたいところだが

口裂け女が流行ったときには、全国的に目撃証言があったことを考えると

河童も、単に面白がって目撃証言を流したお調子者が多かったのではないかと思うのだ。

こんなのいたら面白いだろう、と思う人の心はいつの時代も似たようなものだ。

今も確か、どこかの観光協会が冗談で河童の捕獲許可証を出しているはずだ。

でも、もしも河童を見つけたら、捕獲しないでそっとしておいてやって欲しいと思う。

わたしの持っている本によれば、お酒が好きらしいので

見つけたら川に酒でも流してやって欲しい。

あと、結構怖い話も多いので

もしも出会ってしまったら、すたこら逃げ出したほうがいいのかもしれない。