オソロシイ子

私の一体どこが恐ろしいというのか
真実を容赦なく見抜くからか
見たくないものを映し出す鏡だからか
この尋常でない怒りからか



思い出すのは、父方の祖母が何かの時に私に向けた言葉だ
「なんて恐ろしい」



衝突するたび　何度となく言われた覚えがある。
そういえば母にも「あんたはキツい」と口癖のように言われてきた。
同僚の男性も「おっかない」って・・・
そうだ、父もよく「怒っちゃイカン」と言っていたっけ。



そう言ったのは　彼ら彼女らの事情からなのだけれど
今になって、あの言葉にどんなに自分が傷ついたかがわかる。
一般的にみてそれは女性としては致命的な資質であるから。
ことに　
優しくて　どちらかといえば弱く可愛らしい女性が好まれるこの国にあっては。
でも　ほかならぬ私が知らず知らず　自分自身にその言葉を向けていたのだ。
『私ハ　恐ロシイノダ』
『コンナ　私ナンカ　大嫌イ』



しかし先日　マイミクのぴろこ☆女神さんによる
遠隔波動調整を受けた時のことだった。
始まって間もなく、下腹部がポカポカと熱くなってきて
そのうち　やはりお腹のあたりから　小さな女の子の声がした。



「アタシ　コワクナンカ　ナイモン」



嫌っちゃいけない。
こんな自分だって本当は愛されていいはずだ。
嫌うことで、この小さな女の子を潰すつもりか？
でも、いくらそう思っても
嫌いなものは嫌い。本当に嫌い。こんな奴死んじゃえばいいと思う。
『ワタシハ　恐ロシイノダ』
『ワタシハ　嫌ワレモノ』
『嫌ワレモノノ私ナンカ　大嫌イ』
みぞおちの重さ。潰れるような胸の痛み。半狂乱の叫び。
小さな女の子を嫌い続けたもう一人の私の痛み。
愛されたかったから。本当に愛されたかったから。
自分を愛しているだけに、本当に人から愛されたかったのだ。



その思い込みから、人に対してのシャッターを下ろす。
今日のワークでも、気づくとそうだった。
外の世界に対して、すれ違う人に対して
何も感じない。感じられない。
手を合わせたり　ハグしたり　触れ合ったにもかかわらず　
誰とも触れあえなかった　という
怒りとも寂しさとも虚しさともいえぬ感覚が、
後になって　みぞおちからせり上がってくる。
これまでの人生を、ほとんどそうして生きてきたことに気づいたのは
ごく最近になってのことだ。



嫌われていると思うから閉じるのか
閉じているから　嫌われていると思うのか
だったら　開けばいいじゃん



そんな風に　考えるのはよそう。
もう、自分を嫌いでいることを　シャッターを下ろしている自分を
その苦しさをありのままに　しっかり抱きしめよう。