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マレさんの休日2

北国のアウトドアー&インドアー

「想」を得たと言えばそうですが

2022年12月21日 | 読書

この二冊、前に読んだのにもう一度買ってしまった。

怖いですね。

もっと怖いのは、初めての時の様にまた新鮮に読めること。

『特別な一日』(浅田次郎 他の短編集)

中に太宰治の作品まで入っていて、収録の基準はナゾ?

ですが、粒選りの作品群

中でも最後の『大阪近鉄バファローズ!』(永沢光雄)には泣かされました。

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『芥川』は芥川賞のパク・・いやパロデイ・・いや「想」を得た?

作者は医師ですが、難解な医療用語や医療現場の仕組みに戸惑う、

患者や家族の視点で書いているところに好感が持てます。

余談ですが、芥川龍之介は日本の古典(宇治拾遺や今昔物語集など)から「想」を得た作品が多いですね。

翻訳家としても優れた日本の文豪の中には、

外国文学から勝手に「想」を得て名を成した方もいますね。

今の様な情報通信の発達した社会では、

すぐにネタバレして炎上するかも知れませんね。

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そんなことより、

家のあちこちで(勝手に)足湯が

ビニール袋を取ってみると、

肩身の狭い日陰者の割にはドヤ顔のシイタケ

コメント (2)
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晴耕待ちの雨読

2022年07月23日 | 読書

ずうっと雨っぽい、畑も乾かない。

ズッキーニは腐りかけ、キュウリの下の方は葉が枯れる。

カタツムリは元気・・

長雨せし間に いたずらに 移ろいけりなタイミング

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一応、『雨読』ということになっているので、

古くてごめんなさい。獅子文六の『てんやわんや』

私が3~4歳の頃の毎日新聞連載小説

終戦直後のどさくさと混乱のなかで、この文体と小説の雰囲気に心癒された人がたくさんいたかも知れませんね。残る価値のある小説でしょう。

今で言ったら『流行語大賞』かな?

エド・マクベインだから読もうと思ったのですが・・

偶然に頼る話は、作者の手抜きか能力低下の結果でしょう。

私に言われたくない?・・でも止めておいた方がよいのではないでしょうか。

元祖ワーナーブラザーズ『ネゴシエイター』のノベライズでも何でもない。

日本人作家 五十嵐貴久の力作

コンビニ強盗が総合病院に多数の人質と立てこもる。

交渉人の冷静沈着な犯人との対応で事件が無事終わるかに見えた、

が しかし、なぜかまだ本のページは半分も残っている。

一粒で二度美味しいわけではないが、これはよくできている。

これ以上ネタをばらすわけにはいきません。申し訳ない。

『小口テロ』頻発の世の中が舞台

これを読み始めてすぐに、安倍元総理が凶弾に倒れた。

亡くなった今なお「アベが~」のプラカードが見える。

正義ぶって声高にののしり罵倒してる(た)輩と、

小口のテロ人の心根には通じるものがあるのではないでしょうか。

誰かが亡くなってよかったなんて、死んでも思いたくない・・でしょう?

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SAC到着時の評価に

2022年02月22日 | 読書

ほとんどハズレが無いのが浅田次郎さん

若くして過労死した椿山課長が、期間限定(7日間)で現生に蘇る。

もともとは朝日新聞の連載だったそうで、テンポもよく数日かけて読むには区切りもつけやすい。

先ず元課長はSAC「スピリッツ・アライバル・センター」へ到着する。

次にいろいろあってRMR「リライフ・メイキング・ルーム」(特別逆送措置)を経て現生へ。

まあ横文字、それもいわくありげに頭文字だけ並べると、何やら有難くなりますね。

小説家は「稀代の大ウソつき」と作者本人がどこかで言っていましたが、

本領発揮の小説で、どこまでも縦横に大風呂敷は広がってゆきます。

しかし東さんの様に饒舌にならないところがやはりすごい!

ホロリとしたり、うんうんと頷いたりしながら読めました。

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次はこれ

何年も前から読んでみたいと思いながら、やっと読む機会を得ました。

設定はあり得ない「塩化する世界」ですが、その舞台を借りていろんな人間模様を描いています。

ただ「終わったかな?」と思うとまた始まる。「Fin」が出てくること何と5回

これは「大風呂敷」ではなく「パッチワークキルト」の様なものでしょうか?

初々しさの残るデビュー作ですが、楽しめました。

ところで ここだけの話ですが、有川浩って女性だということを初めて知りました。

ずっと男性だとばかり思ってました。

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「世界中で最も多くの読者をもつ自己啓発書作家」

と言われたベストセラー作家オグ・マンディーノの作品

『この世で一番の奇跡』の続編で心の洗濯に最適

僅かでも「一番の贈り物」ができる、

ラグピッカー擬き程度にでもなれたらいいと思いながら読みました。

SAC到着時の評価とは関係ないとは思いますが・・。

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黄昏て終末物を

2021年11月08日 | 読書

『脂肪の塊』こんな題名だったんだ!

モーパッサンの短編を数十年ぶりに再読

 

今ならセクハラで消滅しそうな題名ですが、今に残る価値のある名作でしょう。

人間の醜さ愚かしさは、昔から少しも変わっていない。

取り繕っていても状況がそろえば、いつでも表に出てくるものみたいです。

これも人間の本性なので、乗り越えるために膨大なエネルギーを費やすよりは、

「人は弱いものです」と自覚し、謙虚に生きるのが正解じゃないでしょうかね。

不遜で生意気になりそうな頃に、また読んでみましょう。

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『極北』村上春樹の翻訳です。

村上春樹の作品は苦手ですが、

翻訳は無駄なくテンポよくいいですね。

何があったか世界が廃墟になり、

わずかに残る極北の集落も変貌してゆく。

生きるすべを求めて旅に出る主人公メイク・ピース

本とたまに訪れる人との出会いが、冷え切った心に灯をともす。

何やら、以前紹介した『ザ・ロード』と似た世界

人間性を問うには、切羽詰まった究極の状況が必要ということかな?

訳者の力も借りて一気読み

ただし北海道の冬を知る者にとっては、あまい極北の冬

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『スローターハウス5』は、

ドレスデン無差別爆撃を目の当たりにした作者の自伝に近い内容

勝者にとってドレスデン無差別爆撃は、不都合な真実だったようです。

でも筆者は、「広島』を超えるかも知れないこのことを声高に非難したり、

戦争反対を叫んだりしてはいません。

時空を行ったり来たりしながら、ただ事実を受け止める。

作中、ある決まった状況の際「そういうものだ」という、

主人公の言葉が103回出てきます。

受け入れ、割り切らざるを得ない状況を、

通過しなければならない時ってありますよね。

ちなみにスローターハウス5は、『第5場』とのこと

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しつこく、もう一冊これ

伊坂ワールド

あと3年で地球が滅びるとしたら、

親子は、夫婦は、兄弟は、老人は、若者は・・・どうします?

読後に自分の一章を勝手に付け加えてみるのもいいかも知れませんね。

さて、私なら・・

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・・終末物ばかりなのは後期高齢のせいかな?

昔の読書は週末物?だったのだが

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反則技の一冊ですが

2021年07月29日 | 読書

『メッセージ The Last Card』(マークース・ズーサック)

南半球、オーストラリアの作家の作品

クリスマス時の情景描写など、多少の違和感があります。

謎のトランプカードに記されたミッション(人助け)をクリアーしてゆく中で、

若い主人公が生きる希望や自信を見出してゆくという物語です。

古本屋で手に取ったのは、左側(the Last Card)

読み始めて「何か変??」

しばらくして、やっとわかりました。

前編が有るらしい。『メッセージthe First Card』

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普通なら副題が付いていても『メッセージ上・下』とか前編・後編とかだと思うのですが、

ましてや古本屋でLast一冊だけ棚にぽっんと置いてあったので勘違い。

思い出したのですが、時々古本屋で上巻は値段の安い棚、下巻は高い棚と分けて置いてあることがありますが、

販売戦略なんでしょうかね?

結局、後編だけ読んでみましたが、それでも面白かった。

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ただし、ラスト付近の驚天動地の「実は・・」は、ほとんど反則技。

柔道では「指導」、サッカーではレッドカードに近いのではないでしょうか?

でもよく考えると、これもありですね。だれも出来なかっただけで・・

作中の人物が勝手に動きだすと自慢する類の作家とは、違いますね。

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今の私たちに対する大切なメッセージが込められた小説だと思いますが、

どうでしょう?

 

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