家の中の書類などを整理している時に、もうずいぶん前にもらったFさんの手紙が目にとまった。
癌の手術後3年が経過。ドキドキしながら検査を受け、異常がなかったことの報告とともに、仕事で部署異動となったことなどが記されていて、次のような文章を綴っていた。
「人から信頼されていると感じると頑張れます。仕事ができると思うと自信がつきます。自分の考えが相手に伝わると相手の話も理解しようと努力します。・・・・もう朝がやってくるのが楽しみです。」
Fさんはずっと昔同じ職場で働いていた人だった。
お互い別の道を歩んでいる現在、今は年賀状のやりとり程度となっているが、忘れたことは一度もない。
口数が少なく地味で、いわゆる要領のよい人ではない。
でも、裏表がなく誠実で、人として信頼できる。そしてとても強い人だ。
大好きな友人とは別に、私には無条件に尊敬している人が4人いる。
自分にも他者にも誠実に向き合い、責任をもって生きている人達だ。年齢など関係ない。事実この歳になっても、私など彼らの足元にも及ばないのだから。
癌の再発に怯える夜もあったはずだが、Fさんは仕事を辞めなかった。介護の仕事だから、しんどい日も多かったはずだ。
朝がやってくるのが楽しみですというFさんの直筆を見つめ、ホッとしたあの日の気持ちを思い出しながら、こんな人と知り合えて幸せだとあらためて思った今日であった。
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