敬老の日、長女が母に贈ってくれた花は、しばらく蕾ばかりだったけれど、
この数日の間に花が開きはじめた。
一つの鉢に数種類の色がとてもきれいだ。
昔、私も次女からこの鉢をプレゼントしてもらったのだけれど、水をやりすぎて枯らしてしまい、未だに次女から文句を言われている（笑）。
母に贈られた大切な花だから、枯れないように慎重に育てなければ。
「もう10月。あっという間に過ぎるね。」
カレンダーをめくりながら誰もが口々にそう言ってため息をつく。
季節が明らかに変わったので、人はつい後ろを振り返りたくなるのだ。
確かにあっという間に時間が過ぎていったような気がする。
今年私は一体何をしていたかな？
不安や苦しみに気を奪われて、一日いちにちをかみしめて生きる余裕もなかったような。
空白の中で生きていたような。
緊急事態宣言も解けたので、
友人の退職祝いに、2年ぶりに仲間が集まった。
検温消毒はもちろん、マスクも着用。何だかこれまでのようでなく、少し調子が狂うけれど、それでも久しぶりに元気な顏を見ることが出来て嬉しかった。
コロナが完全収束する日はまだまだ先だろうし、冬にはインフルンザも加わる。
私たちはもはや明日何が起きても不思議ではない世界に生きている。
だからこそこうして直接顔を見て声を聴ける機会を得たことに感謝したい。
次に会う日まで元気で。
お互いそう声をかけあって別れたのだった。
