井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

熱狂の一夜

2018年05月27日 | 旅行

実のところ、自分が書いた物語がローマの一流劇場で上演される、 ということに現実味が薄く、迎えのベンツに乗り込んでもまだ半ば、夢の中の非現実感。

「観客がまばらだったら寂しいね」と同行の人と語らいながら
システィナ劇場前に着くと、路の両脇に行列が出来ていて「ああ、たくさん来てる、よかった」と、車を降りたとたんいきなりフラッシュの嵐、テレビカメラのライト、そして歓声。

狐につままれたような思いで、劇場内に入りながら思い出していたのは上海のテレビ祭に招かれた時、予期せぬレッドカーペット歩きとテレビカメラだったことなのですが、昨夜はその十倍の意外な成り行きで、なんなんだこれ・・・・と思う間もなく、開幕までの1時間、新聞社のインタビュー、撮影、それからファンの方たちとの写真撮影、サイン・・・・とびっしりで思えば、人々は1時間以上も劇場の外で私の到着を待っていてくださったわけで、人々から押し寄せる愛の奔流の中にいながら、感謝しきりでした。群衆の中に版権を預けている日本における代理店の社長さんと奥様、お嬢様を見かけたのですが熱気の渦に揉まれながら、近づくことさえ叶わず。
わざわざミラノから、そして遠くはシチリアから駆けつけてくださったファンもいらして、何ともありがたく。

 

ぶーたれていたローマ滞在でしたが、拍手と歓声のシャワーを浴びて、やっと「来てよかった・・・・」と思えたのでした。
懸念していた言葉も、ローマ在住歴の長い日本女性が通訳として待っていてくれました。

席についてからも、サインと2ショットの写真を所望する人々がひっきりなしで、不思議だったのはいい年齢のおじさんたちまで、その中にいたことで、観客の年齢層も6歳ぐらいの子から高齢の方たちまで。

イタリアの人たちの観劇はストレートで、見せ場になると拍手と歓声が沸き上がり、役者もより熱が入るようで、舞台は常に観客も実は作りての一人として参加しているのですが、イタリアの人々はそれを心得ているようです。

ミュージカルの中盤、ヒロインを探す男の役者が観客席の通路から現れるのですが、私の席の脇に立ち止まって「金髪の女性を見かけませんでしたか?」と日本語で尋ねられ、びっくり。
今夜限定の、私のため仕組まれた趣向でした。

カーテンコールで舞台に上げられ、通訳付きの挨拶をしました。

「私は古いタイプの日本人で、人前で感情を見せるのが苦手です。でも今夜は、自分が書いた物語を十倍にも膨らませ見せてくださった、俳優さんたち、作曲家、演出家・・・すべての人達に感動しています。(歓声)普段は、舞台の裏の暗がりで一人でひっそりと仕事をしている人間なので、このライトは私にはまぶし過ぎ、まるで太陽を恐れるドラキュラになった気分です。
・・・・・この公演のスポンサーがイタリア献血協会であると聞いて、ドラキュラにひっかけた日本人のジョークをイタリアの人々は理解してくださったでしょうか(爆笑・歓声)
グラッツェ」

当初予定していた英語の挨拶は読者の方に推敲していただいたりなどしましたが、こちらは公演のFBのほうに寄せさせていただきました。

幕が下りて、俳優諸氏と記念撮影をしたり楽屋を訪れたりしているうちすでに午前0時過ぎ。イタリアの劇場は開演が遅いのです。舞台裏からロビーに出ると、驚いたことに午前0時を回っているのに出待ちの人々が少なからずいたことです。
おそらく役者諸氏を待っていたのでしょうが、私はここでもまた2ショット撮影と、サインを多くの人々から所望され、今夜いったい何度、自分の名を書いたか覚えていません。

 

Mann Izawa Georgie musical at Rome authorship came from Japan!

 

 

 

Lady Georgie at rome Mann Izawa

 

 

 

 

 

誤変換他、後ほど。


11 コメント

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おめでとうございます (aubrey)
2018-05-27 19:26:52
晴れやかな舞台で幸せそうな先生の笑顔が、
キラキラと輝いて本当に本当によかったです!
心配で、祈っていました。
お天道様、ありがとうございました(*^-^*)
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素敵です。 (じゃあがじゃあが。)
2018-05-27 19:55:24
私も夢の様な贅沢な時間を過ごさせて頂いてる気分になりました。
井沢先生のコメントも素敵です。
こんなにも沢山の方々が作品を愛して下さっておられるのですね。
YouTubeにもいいね!つけました(’-’*)♪
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おめでとうございます! (くるみのばぁば)
2018-05-27 20:59:20
熱狂がこちらにも伝わってきました!!!

劇中、ヒロインを探す男が「金髪の女性をみかけませんでしたか」と日本語で話したくだりは、ぞくぞくして読みました。
地元の方々も原作者をお迎えして、素晴らしい歓喜の一夜でしたね。

先生が憂鬱だのしかめっ面だの楽しめないだの仰るから心配していましたが、こんなとびっきりの時間が用意されていて、それを堪能するために必要な休眠時間だったのかも・・・ですね。

私たちにも感動と歓喜もシェアしてくださって有り難うございます。
グラッツェ!
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おめでとうございます! (マユババ)
2018-05-27 21:29:05
皆さんの熱狂ぶりが伝わってきました。
30年も前に書かれたお話がこんな形で外国で…。
人生で起こる不思議を考えさせられました。

残りのイタリアでの滞在も良きものとなりますように。
地方のワインや食べ物はおいしかったなあという思い出があります。
帰国までご無事でありますように。
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先生にヴラボー!(←合ってますか? (mai)
2018-05-27 21:32:51
先生ご自身が想像以上の盛況ぶりに驚かれていらっしゃるのか、ちょっと緊張気味な感じが、より臨場感が伝わってきました
皆様に愛され歓迎されていらして、私まで嬉しい
やはりイタリアの方々は熱いですね
続くイタリア紀行を楽しみにしております
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お疲れ様です (まりりん)
2018-05-27 22:07:22
今回の旅行のメーンイベント、盛況で何よりでございました😃
先生に対する熱狂的な歓迎は、そのミュージカルが素晴らしいく、イタリアの人に感動を与えているのですね。
是非、観て見たいものです。
逆輸入は無いのでしょうか?
明日からの旅が、少しでも楽しい時になりますように‼️
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先生、おめでとうございます (琥珀)
2018-05-27 23:01:51
熱気あふれる様子がこちらにも伝わってきます。
先生の笑顔からもキラキラ感が!!
またお召し物もとても素敵です!
本当におめでとうございます。
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素敵な時間ですね (ソマリ)
2018-05-28 01:40:33
やっと先生の笑顔見られました(^○^)
やっぱりお着物はいいですね。
小柄な先生が大きな人達に囲まれていても凄い存在感!
くるみのばあば様が仰られてる通り、素敵な時間の為の休眠時間だったのですね。
どうぞ残りの日々は楽しんでくださいませ。
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(^ - ^)v (ぱたた)
2018-05-28 08:01:31
やっぱり、やっぱりね♪

... ハラハラしたけれど、「やっぱり」こんな素敵なナリユキに!
って、まんまドラマですやん、先生!

うれしくて、アレ目から汗が...(; v ;)
古都羅馬の「ひとびとが」胸いっぱいの愛で迎えてくださいましたね。
いと、めでたし!
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おめでとうございます (こちょう)
2018-05-28 23:27:35
ローマっ子の情熱が、先生の不機嫌な虫を飛ばしましたね

日本語のサプライズは、演出家さん、出演者の皆さんが、先生がどんな顔をするのかなと想像し、結果、豆鉄砲をくらったような顔された先生を見て、大成功‼︎って喜んでいたのでしょうか

まりりん様のいう通り、イタリアで成功を収めて、来日して欲しいです
その時は、また先生との観劇会があったらいいな〜と思っています

イタリアでの残りの時間が、先生にとって有意義でありますように
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