井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

代赭色

2018年06月04日 | 日記

いささか弱っていましたがようやく立ち直り、清々しくいます。

身体の快適さにかまけ、原稿のほうはのんべんだらりと
先延ばししていますが・・・・・。

心身の蘇りと呼応するように大浴場の
脱衣所(私一人でしたが)の床に、かなり大きめで光も強い
金粉が二粒、きらり。
どういうものか、このホテルで現れるときは人の
絶えたときの、大浴場の床なのです。

ローマでは、あれだけの歓声に包まれ迎えて頂いたのに
金粉なし。
少々、ぶーたれすぎたかもしれません。

代赭色(たいしゃいろ)の建物と石畳が、もはやなつかしく。
イタリアの人たちになんと、大きな熱い愛を私は頂いたことかと、
今頃実感と共に噛み締めています。

 

代赭色という色彩名は三島由紀夫の小説「獣の戯れ」で憶えました。
JISの色彩規格では「くすんだ黄赤」ということですが、私はローマの建物群から受ける印象「赤みがかったベージュ」と捉えています。

「獣の戯れ」の舞台である西伊豆の地を小説を読んで遥か後に
ドラマの撮影で訪れたのですが、三島由紀夫の筆で描かれた
西伊豆はやはり、三島世界の中にしかない美しい幻なのでした。

なので・・・・三島描く女性も、下手にモデル探しなど
するものではないのでしょう。読者のそれぞれが脳裏に結ぶ
美人の面影をたぐりつつ、小説は読むほうがよさそうな。

 

誤変換、他後ほど。