井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

戦争はしたくない、平和を希求するけれど

2018年03月13日 | 日記

銀座に所用のあった帰りに、イーストウッド監督の「パリ発・・・・」を
観ました。昨日が「シェイプオブウォーター」だったかな、タイトル。

昨夜はふぐのコースだったので、今日はほぼ抜き。果物メインで少し。

テレビに寂聴さんが映っていらして、この方にお会いしたことがあることは
いつぞや書きましたが・・・・

「戦争に良い戦争も、悪い戦争もない!!」

「殺し殺されるのが戦争です!!」

国会前のデモに参加なさった時のアジ演説が流れていて、
私は寂聴という人間を描くのに、なぜこういう政治的発言を
とりたてて抽出して流すのか、疑問に思います。

流すなら、それへの対論も添えないと。

寂聴さんの仰る言葉に何ら異存はないのです。
非常に正しいし、共感もします。

しかしながら、いわゆる「平和主義」の人々の脳裏から欠落していることが一つ。
「戦争に良い戦争も、悪い戦争もない!!」とは思わない国々が、しかも近隣に
あることです。

煎じ詰めれば侵略されたら、させておけ、殺されるなら、殺されようではないか、殺すよりはましだ、
という極論に行きつかざるを得ません。

それも一つの見識でしょう。
しかし、それは大人の身勝手です。これから生きようとする幼い命に対して、
言えない言葉です。一種のエゴです。

また侵略者の、残虐な実態を棚上げにした戯論です。
おそらく「それは、起こらない。起きるはずがない」と思い込んでいます。
侵略を受けた国のむごい実情が、遠すぎて見えないのでしょう。

さんざん言われることですが、永世中立国のスイスでは各家庭に武器があり、
いったんことがあれば、国民総決起での防衛体制です。

国護るにいかに九条が足かせになっているのか、その現実を見ない、見る想像力が
欠落している人が多いように思います。

憲法改正=好戦ではありません。九条を護ることが平和を護ることと信じていられるのが
私などは不思議です。

防衛体制が不備であるがゆえに侵略を仕掛けられたら、「平和憲法」がその戦争の端緒になったのだ、
という皮肉な結果になりかねないことに、思い至らないのでしょうか。

平和を希求するから武器を持たねばならぬ、というパラドックスは「戦争を欲している国」
「虎視眈々と侵略の隙を窺っている国」がある限り、忘れてはなりません。

いつか、武器を必要としない時代が来ますように。

余談ですが、森友関連の土地は述べづらいことがからむので黙していますが
あの土地は、もともとまともな価格で売れる土地ではないはずです。
いくつかの条件において。文書改竄じたいはあってはならないことですが、こと
森友問題に関しては、核心には触れぬままただ、安倍政権倒しの道具として
延々と核心の周りを堂々巡りしています。

それにしても、安倍昭恵さん、時には沈黙も行動の一つだということが、お分かりではないのでしょうか。
こんな時期にフェイスブックは欠かさず、どこへ行った、誰に会った、何をしたと日々羅列。
懲りないのですね。

 

誤変換他、後ほど。


9 コメント

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ご無沙汰しています (菜の花)
2018-03-13 16:33:27
森友の土地については、先生が書くにはばかる部分を、読者なら構わないでしょう・・・・・。

森友学園が購入した国有地については鑑定価格が異常に(不当に)高く、実際の取引価格はゼロ(タダ同然)~マイナスが妥当なのだ。

理由は、次のとおり。
1.1975年時点まではの居住地
2.ゴミ(廃材等)が埋まっている。
3.広大な土地なので住宅向けの小さな土地よりも大幅に安い。(鑑定価格は住宅地の公示価格をベースにして算定しているので実態よりかなり高い)
4.伊丹空港への飛行機の進入路の真下にあり、建物の高さ制限や騒音のため、マンションなどを建設できない。
5.隣接する「豊中市公園」整備用地も、補助金や交付金が支給されて最終的にタダ同然で売却された。
6.付近の「豊中市給食センタ-」整備用地は、アスベストを含むコンクリートガラ等が埋まっているため、売買価格よりも埋設物撤去費用の方が大きく、事実上のマイナス価格となっている!

ttp://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6617.html


の他に朝鮮人がらみです。
メディアが禁忌で報道できないのに乗じて、野党の汚いこと。単に安倍政権倒しのみが目的で、国を考えてのことではありません。
国民は、積極的に知ろうとしないと本当に今や先生のおっしゃる通り「ネットにしか真実はありません」
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お知らせ (総太郎)
2018-03-13 17:28:17
先生の忸怩たるお気持ちお察し致します。

先生にも転送させて頂きましたが、本日、荒木和博様から頂戴したニュースレターでも、今回の騒動に対するやりきれないお気持ちを綴られ・・。

荒木様曰く「森友問題よりも、もっと重要で深刻な問題に与野党、メディアも真剣に取り組んで欲しい!北朝鮮の拉致や工作活動を政府やメディアが隠蔽してきた歴史と事実の方がどれだけ重要か!」旨、怒りを記されておられましたが、全く同感です。

只、敢えて苦言を申し上げれば、先生はもちろん、小生も再三申し上げたように、虎視眈々と足を引っ張る勢力が厳然と存在する訳ですから、昭恵夫人や麻生先生も常に慎重な言動・行動を心掛けてくださるように願うばかりです。

さて、明日の18時30分より、都内・拓殖大学文京キャンパス・C館305教室におきまして、(地下鉄・丸ノ内線・茗荷谷駅より徒歩)
拉致問題並びに北朝鮮不審船・漂着船問題の現状に関する報告集会がございまして、荒木代表始め「特定失踪者問題調査会」と致しまして、役員の三浦小太郎先生、加藤博さん、竹下珠路事務局長らも出席。

そして、3月25日・日曜日には大阪市中央区の社会福祉会館・505号室におきまして、日韓クロッシング主催による
「朴正煕大統領生誕100記念講演会」も開催。

こちらも荒木代表、三浦小太郎先生が出席予定で、元駐日韓国大使館公使で現在「統一日報」論説主幹のホン・ヒョン先生を中心にお招きした講演会、弁護士の南出喜久治先生らも交えた意見交換会が開催されますので、宜しければホームページで詳細の閲覧、近隣の皆様の御参加・御協力をお願い出来れば幸いですm(__)m

心ある在日、親日派の皆様は文政権の現状を嘆かれており、真の日韓友好を願われる方々は確実に存在!
私達はこうした方々との連携・情報交換・共有は常に大切にしております。

それから、先月の「正論」2月号にはアジア調査機構の加藤健さんによる「朝鮮総連」の犯罪実態・資金源リポートが掲載されていたのですが、こちらへのお知らせが間に合わなく、興味のある皆様にはバックナンバーを御覧頂ければ幸いです。
加藤健さんも私達の同志ですが、大変優れた情報網と取材力を持つお方ですので、また何かございましたら今後もお知らせさせて頂きますm(__)m
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追記 (総太郎)
2018-03-13 17:43:00
関連して、
三浦小太郎先生のブログ、本日付けのエントリーは、
河野太郎外務大臣に苦言(~_~;)。

核査察の所期費用を日本側が安易に負担する事の危険性と問題を冷静に御指摘。

また2月14日のエントリー
「ウイグル人の訴え、いっそ、妻と母を撃ち殺してくれ」も是非御覧頂ければ幸いですm(__)m

三浦先生御本人からの拡散希望、紹介御許可を得ておりますので、御参考にして頂ければ幸いですm(__)m

先生、場をお借りして失礼致しましたm(__)m
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『シェイプ・オブ・ウォーター』雑感 (ぱたた)
2018-03-14 00:19:33
 時局に関しての今日のエントリー、端っこに『シェイプ・ウォーター』のタイトルが! 先生ごらんになったんだ!とうれしさのあまり飛んでまいりましたが... 映画について言及されていないところをみますと、お気に召しませんでしたか... (´・ω・`)

---(ここから先、映画の内容にふれますので、未見の方はお気をつけてお通りください(!?)-----

 たしかに見方によってはご都合主義炸裂のおとぎ話、『空海』同様、まあ見せ方に手間ひまかかってるよね、というところでしょうか。デル・トロ監督がオスカーを取るならば、10年前の『パンズ・ラビリンス』がよりふさわしかったと思います。(美術賞、撮影賞は取っていますね。外国語映画なのでメインの賞は対象ではないのでしょうが)映画一編をみての衝撃が、『ウォーター』の比ではなかった。 少女だけにみえる不思議の国の存在と、スペイン内戦のひりひりする現実のギャップがすさまじく、それだけにヒロインの孤独はより深かった。少女を脅かす剥き出しの暴力、画面からはほんとうに血のにおいがするようでした。

『ウォーター』にも赤い血は流れましたが、臭いは感じられなかった。”不思議な生き物”が予定調和的に「良いヒト」で”猫ちゃんたべちゃってごめんね”して頭なでなで、ってなんなのよ?と思わないではなかったですが、それでもくだらねーもの見せやがって!木戸賃をカヤセ!とまでは^^; やっぱり、美しいものをみせてもらった、という満足感が少なからずあったからです。
 パンフのインタビュー記事によれば、監督は「僕は『美女と野獣』が好きじゃないんだ。『人は外見じゃない』というテーマなのに、なんでヒロインは美しい処女なんだ?なんで野獣はハンサムな王子になるんだ?」とアンチ美女と野獣を標榜しておられましたが... でも。イライザ役のサリー・ホーキンスは美しかったじゃないですかカントク! 口が利けぬ分、万感を込めて相手をみつめる目には、みるものの心を捉えて離さない力がありました。そして”不思議な生き物”、彼もまた作中の科学者と美術家をして「美しい」と言わしめる存在。彼を美しく見せているのは、海の生き物を模した凝ったつくりのスーツもさることながら、その下にあるダグ・ジョーンズの見事な肉体です。着て動くだけで多大な運動量となるため、「56歳にして人生最高の体になったよ!」だそうですが。これが往年の「アマゾンの半魚人」の如き、いかにも魚サカナした顔に黒目のちいさな情緒にとぼしい眼、エサを飲み込むために開閉する以外に用途のなさげな口、細い手足の先にでかい水かきが存在を誇示している...という姿だったら、この映画は成立しなかった!と自信を持って言えます。「美」の解釈が多少変わっただけで、『ウォーター』もまた「美女と野獣」のアナザーバージョン、美しくも勇敢な姫と海の王子の物語なのでした。
(言ってしまってから、あ、やな連想のあるコトバつかってしまった... えーと、うみへびの姫とおーじ様のお話は、またいずれさせて頂きに推参するかもしれません??( ̄^ ̄)ゞ)

...お伽話のこの先は... 想像するのが恐ろしい。
ふたりはこれから、彼が生まれた故郷の河をめざすのだろうか。行けども行けども水ばかり、口にするのはつめたい魚だけ。ああ、あたたかい暖炉のそばでコーヒーをのみながら音楽がききたいな。あのまずういパイまでがなぜか懐かしい...。とイライザが思いやしないだろうかと。
 イギリス視点でみたターザン映画、『グレーストーク』というのがございました。その最後、「アメリカのジェーン」はターザンに付き従って密林の生活に足を踏み入れはしなかった。繻子の日傘を優雅に傾けつつ、悲しげに、去って行く彼を見送ったのでした。文明社会に属する女として、その一線を越えることはついにできなかった...。作家野田昌宏さんはじめ、筋金入りのSF者の方達からは「けっ!」と唾棄された映画でしたが、なぜかこのエンディングは忘れられないでいます。
『ウォーター』の”不思議な生き物”は「神」ですから...。一度は死んだイライザが、水の中で息をし始めたのも、彼が彼女を水の中の生き物につくりかえたからなのかも。故郷の河に着く頃には、すっかり彼の似姿になっていて、”神が女神をつれてもどられた!”と原地の民をして狂喜せしめるのかもしれません。
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ぱたたさん (井沢満)
2018-03-14 09:43:09
好みではないかも・・・という予見のもとに
ただ、映画館(TOHOシネマズ)に入ったらたまたま
時間に滑り込みだったので、観たのがこの映画です。

魚人(と言いたくなる、私には神には見えないので)とのセックスのために、階下の映画館まで水浸しにする粗雑さが好きではないし(かと言って私が書いてもああなるかなあ。映画的スペクタクルで。でも、タオルでドアの隙間を塞いだだけで大洪水とかいう嘘も受け入れられず)
あと、ヒロインの容姿は映画とドラマに関する限り「分かりやすい美貌」が好み・・・というのは思春期のモンロー、テイラー、ヘップバーンという、お金を払っても観ていたい顔が刷り込まれているからでしょう。

だから、ラ・ラ・ランドにも今ひとつ、乗り切れず。なんでこの顔が後に大スターになるのかなあ、などと余計なことを考えるので。
ヒロインが従来のヒロインでなくなり始めたのは、タイタニックあたりからでしょうか、か細く美しい(当時は)男優が海に沈み、がっちり体型で美しいとは言えない(典型的分かりやすい美貌という意味で。要するにお金払ってまで観ていたくない)顔にシラケた、というのもあります。

ただ観ている女性にとっては、AVの男優が必ずブサイクなのと同じ心理で、「自分だって」と思わせる効果はあったのかもしれません。
最近の傾向、女優より男優が美しい・・・はそういう造り手側の魂胆もあるのかも?

ウォーターでは、分かりやすい美貌が全然出てこないのでつまらない、というのもあったのかもしれません。唯一、まずいピザの店の店員が、整ってましたね。
あの顔が出てくるとホッとしたり、そんな粗雑な観方しか出来ませんでした。

と、こういうつまらないことも映画自体に感銘を受ければ思わないのでしょうが。冷蔵庫に食べなかったパイが何十と並べてあるシーンも嘘っぽくて。後で食べるわけでもなかろうに。映画的誇張と嘘は許容範囲内なのですが、私の基準をはみだしてました。

ただ好きで観た人は、ぱたたさんのように深い思いを巡らせられるのだろうなぁ、とそこには賛同します。
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先生と同じ (ひろ)
2018-03-14 19:04:21
先生こんばんわ

ララランド最近レンタルして観ましたが
ヒロインの容姿に?でした
最初は違う女優俳優のキャスティングだったのが
降板してあの2人になったそうですね

最近吉永小百合さんが映画の宣伝であちこち出てますが
彼女の思想は置いといて若い頃本当にお綺麗ですね
あいだのドラマ予告CMに出てきた人気若手女優が
とても不細工に見えてしまい
その女優さんは目頭切開してるので
韓国の女優と同じ不自然な目の大きさをしているのですが、整形していてもあのレベルかと
以前見たドラマではそこまで演技も上手くなく目元が気になって仕方なく

日活時代の女優さんはどの人も本当に綺麗で
今でも人気出るだろうなと思う人が多くいますね

梅宮辰夫さんも「昔は本当に綺麗な人しか芸能界に入れました」といってましたし

ララランドの女優さんは演技の技術で何とか最後まで見れましたが
やはり顔が気になって入り込むまでは行きませんでしたから
主役を演じる女優俳優はある程度の見た目は最低限必要だと個人的に思っています
返信する
『シェイプ・オブ・ウォーター』追伸 (ぱたた)
2018-03-17 14:07:12
 お忙しい中エントリーひとつ分くらいのお返事いただきましたこと、ありがたくもうれしく存じます♪
 横からで失礼ですが^^;「ひろ」様コメントも興味深く拝見しました。
 わるのりついでに?また『ウォーター』につき駄弁を弄しに推参、もしお時間がゆるせばおつきあいのほど願い上げます( ̄^ ̄)ゞ

「わかりやすい美貌」、不特定多数を相手の商売には不可欠のこと、全力で同意、いたします^^;
でも、ホーキンス最低限にも満たなかったかなあ...とやや凹みましたです。台湾出身の画家 ジェームス・ジーンが描きおろしたポスターのイライザは、たしかにホーキンスとわかるものの誰かに似ている...としばらく考えていたのですが、”そーだ!スカヨハに似てるんだ!”と思い当たりました。ヨーロッパの美のイコン、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を映画で演じたスカーレット・ヨハンソンです。画家の筆が、ちょっとした手心を加えてくれたかも? そういえばどこか??(どこが?!)と思ってまた眺めてくださいませ^^: ちょっとした造作の違い、それが巨きな違い、なのですよね...。

 銀幕のスタア(!) のクラシカルな美貌が拝めたのは50年代あたりまででしょうか、大戦で勝利し世界をファシストの魔手から救った (と自身確信していた) アメリカが自信満々で輝いていた頃...。ベトナム戦争の痛手が大きくアメリカを変えましたね。ジェーン・フォンダのような反戦女優もあらわれた。( 非難の意味で言ってないです!ただ「現象」として!大きなうねりとして、あまたのジェーンがいた ) 疲弊したアメリカ人の心を癒したのが1970年にヒットした『ある愛の詩』でした。なにがびっくりしたって、ヒロインのアリ・マッグローがハリウッド美人女優の範疇からかけはなれていたことです(!) アメリカのどこの大学にもふつうにいそうな女子学生にみえた。このころから女優はあこがれから共感の対象に変わっていたのかも。

(イマドキの若いヒトに『ローマの休日』をみせると3度驚きます。まず、「なにコレ、きしょっ!」(←気色悪い、の短縮形^^; カラーでないことが驚きなのです。そうか白黒映画みたことないもんね) その2、「カワイーーー♪」(オードリーの美貌は問題なく認識できるもよう。カワイイは時代を越えて正義!) その3、「コイツ、オッサンやん!」(年若い王女の恋の相手がオジサンなのが納得いかないもよう。そういえば昔の映画では、ヒロインの相手は金も社会的地位もそれなりにある大人の男。若い男が主役に収まるには ジェイムズ・ディーンの登場を待たねばならなかった...。いまはもう辞めましたが、映像の専門学校で学生に映画の「古典」をみせることを仕事にしていました。想像の斜め上いく感想を読ませて貰ったのもいい思い出です^^;)

『ウォーター』の「洪水」と「パイで一杯の冷蔵庫」についてですが----
降って湧いた得恋に舞い上がったイライザが、周りの迷惑顧みず粗雑な振る舞いにおよんだ...こともさりながら、「洪水」はもっぱら視覚上の必要から生じたものかと。「映画的スペクタクル」はもちろんのこと、あのポスターにもなった映画のキービジュアル、水の中で抱き合うふたりの画を、前もってみせておくためでもあったと推測します。いちどみたものには安心感をおぼえますから... あの「画」をもって大団円、無事お伽話の幕を下ろせると。
 映画のリアリティを壊さぬため、「嘘」のレベルをどの程度に保つか、も大きな問題ですね。それでいいのか?タオルなんかで??と誰もが思うでしょうが、もしイライザが水も漏らさぬ周到さで、ドアの隙間をパテでこてこて埋めたりなんかすると、なにやら偏執狂的なふいんき(←コレも学生愛用のコトバ^^; いちいち漢字で雰囲気と訂正入れるのに疲れました!) がただよってしまいそうで...。
 冷蔵庫にズラリと並んだパイ、あの店員に会いたいばかりに、うまくもないパイを今日も買ってしまった切ない恋心...ですが、あれも開けた瞬間目に飛び込む「緑」のインパクトを狙ったものかと。そういえば研究施設の内装も緑、コワモテさんのぴかぴかの新車も緑 (じゃなくてナンとかいう色、ティールでしたっけ??)、 監督の言によれば、「台詞にもあるように、『グリーンは未来』なんだ」そうで。なんなのかなコレ? と心にひっかかっていたのですが、3/14付けのニュースでこんなのが。

「グリーンが未来をもたらす:中国のインテリジェント製造者Greeがミラノを"照らす"
【珠海(中国)2018年3月14日新華社=共同通信JBN】イタリアのミラノで開催されている欧州最大規模で最も広範な商品を対象とする専門的な冷蔵展示会で現地時間3月13日、GreeのIEMS Local Energy and Internet Management Systemのプロモーションが行われた。システムの開発者として、Greeは世界にその中核的"グリーン"技術を紹介し、このファッションの中心地で中国のインテリジェント製造の到来を告げた。」
 
 ようするに、太陽光発電、蓄電池、その他再生可能エネルギーを組み合わせた、中国発の「グリーン技術」が地球の未来を明るく照らすんだそうです。中国資本がハリウッドを変質させつつある、とはとみに言われることですが、まさか...? スポンサー様のご意向に添って「グリーンは未来!」とやってるんじゃないですヨね.....?

 与太話も大概にせいよ!と眉をすずしくして(!?) お聞きくだされば。
 映画のキービジュアルが異種族の男女が抱き合う画というのがちょっとひっかかったのです。(なにかとひっかかる性分で^^;) そんな、始めっからネタを割るよーなポスターでいいわけ?...と。この『ウォーター』、デル・トロのファンなら賞を取ろうが取るまいが、おかまいなしに喜んで観に行きますが、ごく普通の映画好きの人が「ことしのオスカー作品賞ならみてみようか」と足を運んだとして、果たして納得して映画館をあとにするだろうか。ファンのひとりである不肖でさえ、『ウォーター』はベストの作品だとは思いません。なのにこのプッシュのされようは??? 
『アバター』の時にもそんな感じがしました。あれはネイティブアメリカンとの「歴史」を描いた『ソルジャー・ブルー』や『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の系譜につらなる作品かと思いますが、異星人との交流をつきつめて描き、観客をして異星人に「なる」疑似体験までさせる映画がこれほどまでヒットするか、と。
ハリウッドは時として、娯楽作品のふりをして、このさきを予見しそれとなく心の準備をうながすような(!) 映画を送り出します。異常気象下の地球を描いた『デイ・アフター・トゥモロー』のような。人間とたいそう外見のちがう生物と、あたりまえのように恋に落ちる人間の女性を描いたこの映画も、なにかの意図----人間と異種の生き物との心理的な距離を縮めようとするような----をもって制作されている? 賞まで与えて広く「宣伝」を行き届かせようとしている...?
 ヒラリー・クリントンが、当選のあかつきには「UFO情報」を公開すると約束したことを覚えていらっしゃいますでしょうか。アメリカでは、それは「あるか、ないか」の問題ではすでになくて、「いつ公開に踏み切るか」でしかないと。つまり、近々異星人についての情報公開がなされようとしていて、大衆を教化教育する必要に迫られて、このような映画がつくられ広められているのではないかと想像するのです。
三島由紀夫はおおまじめに宇宙人の存在を信じていましたし、空自のパイロットがUFOに接近遭遇した例は多く、元空将の佐藤守氏が本にまとめてもいます。いきなり「完成」したかたちで地球上にあらわれたエジプト文明は、宇宙人の影響下に築かれたものではないかとも。
 もしかしたら、常識がぐらりとひっくり返るようなその時が、間近に迫っているのかもしれない...というようなことを考えさせられた映画でした。

 前のコメントで「美しくも勇敢な姫と海の王子の物語」などと書きつけつつ、秋篠宮眞子内親王殿下と「海の王子」様のことを思い出していました。どうやら事実上の破談へ向けて舵が切られたようですが、しかしあの「鈍感力」高きおーじとその母堂のこと、辞退など言い出しそうにないな、と心配の種は尽きませんが、それはさておき。
 眞子さまといえばお小さい砌の葉山海岸でのお父上との会話、「うみへびいるわよね〜おとうさま」「行きますよ」「うみへびのところー?」のやりとり、海の方へ「バイバイ」と手を振られたおかわいいしぐさが強烈に焼き付いています。そのエピソードから「うみへびの姫」「豊玉姫」と愛称されておいでになる。豊玉姫はわたつみの神の娘、山幸彦こと彦火火出見尊のお子を産むにあたり、海辺に産屋を立てて「元の身となって産みます。どうかごらんにならないで」と尊に告げますが、見るなの禁は破られるのが常、尊が産屋をのぞきみると、姫は八尋の鰐の姿になっていたのでした。(この「鰐」は爬虫類ではなくて鮫のたぐい) 恥を覚えた豊玉姫は、産んだ御子を陸に残して海へ帰ってしまう。この御子がまた海神の娘・玉依姫を娶ってなしたお子が、神倭伊波禮毘古尊、神武天皇ですので... わが皇室には連綿として「魚人」のDNAがつたえられていることになります^^; この『ウォーター』、日本人がつくるべき映画だったかも。いや、日本のカイジュウを愛してくれているデル・トロが撮ったのだから、ちゃんと日本の海のにおいがするはずです。
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ぱたたさん (井沢満)
2018-03-17 15:04:15
若者に関するとても興味深いコメントをありがとうございます。


年齢の幼いのがもてはやされ、年齢を重ねることが恥ずかしいことのように刷り込まれた世代ですね。
それに心で愛することを理解するなら、年齢は無関係、時に性別までも・・・・・ですが。
性愛の相手しか、恋の相手にならないのでしょう。


宇宙人は私もすんなりいると思ってますよ。
私はUFOすら遭遇がないのですが、周囲の
これといって普通の知人友人たちが当たり前の
ように見ていることもあり。

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追記 洪水は・・・・ (井沢満)
2018-03-17 15:12:44
私なら、せめてYMCAの深めのプールに連れて行くことを考えます。黒人親友の、夫が夜間の警備を不定期にしているとかの設定で。

私は妙に倫理的で、映画的感興のための優先と解っていても、ある線からは出来ないのです。人に迷惑をかけた幸せというのが許容できないのです。

だからヒロインのファックユーも拒絶反応でした。
というのは、下手したら黒人の親友j女性にも
火の粉が飛ぶからです。

あとリアリティでいえば、ヒロインの上機嫌から親友の黒人女性が即セックスを連想したことで、理解がはや過ぎます。相手は人間ではないので。

私なら、ちょっとぎこちない歩き方をさせておいて、親友に「ついに初体験?」とか訊かせます。あの図体なら、でか過ぎるだろうし、と職業柄、すぐ裏の裏までビジュアル付きで「見えてしまう」もので、嘘っぽさが余計気になるのかもしれません。

痛くて苦痛でも結ばれた事自体に至福を感じるヒロインのほうが、可愛いし、せつないでしょう。
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