ちょっとした絵(?)日記

思うところをつらつら書き並べているだけです。深い意味のない場合が多いですかね?

店のコンセプトと商品構成 その15

2009-07-22 19:34:02 | 体感ビジネス論
体感ビジネス論 続き 第三十八夜

食料品などの店頭での滞在日数は比較的容易に把握できるが、消費期限の長い保存食品や日用雑貨品はどうなのかというのは誰しも考えることである。

業態に限って言えば、コンビニなどでは消費期限が何年もある保存食品というのは品揃えに必要なのか?あるいは回転率の低い日用雑貨品は必要なのか?と言う疑問を持つ。

缶詰や飲料水はコンビニでは比較的回転率が高い商品であるといえる。それは、消費者の急なニーズを店自身が吸収しているからではないかと考えるわけであるが、普段の買い物、あるいはある程度予測のできる時の買い物で定価売りの缶詰をコンビニで買うだろうか?

実際に価格を見てみると某社の製品はコンビニ価格で198円のものが量販店で105円(!)。
少し足せば2つ買えるだけの価格差がある。この価格差を否定するわけではない。
むしろ、24時間営業しているコストを考えれば安い位ではなかろうか?

しかし、消費者の立場で考えるならば、安いに越した事はない。そして、店の立場に立つならば、そうそう売れない商品を店頭に置く事では品揃えの面から消費者への訴求は有効であるが、売れずに廃棄に至った場合には、これは資金的な損失となる。

店頭とは金庫と同じというと表現として適切ではないが、資金を投じて仕入れた商品を販売し、資金を回収するのであるから金庫は大袈裟にしてもオーナーから見ればお金と同じである。
だが、資金そのものを貯め込んでいても小売業の場合には利益を生まない。

大手のチェーン系列は商品毎に入荷日を決めて、店頭で在庫する分を少量配送をしている。配送センター自体が各店舗のバックヤードとして機能させているわけである。

しかし、実際には3ヶ月から4ヶ月に1回の棚卸で多くの商品が売れ残り、見切り品として値下げされた価格で店頭の投込みなどに陳列されている。
最近は、分析が行き届いているのか、値下げされた商品が殆どない店もあるのだが、以前として多くの商品を見切り品として販売している店は少なくはない。
この見切り品にした商品が売れなければ、再値下げ、あるいは廃棄という道を辿る事になる。

この見切り品を観察してみると面白い傾向がある。
メーカー側の生産中止の商品(流行性の高い商品)を中心とした商品が多く、人気のあるだろう商品(動きの良い商品)の場合には、傷物などが中心である。
これらの商品を見ていると、見切り価格自体が他店より高い商品が多い事に気が付く。
つまり、販売されていただろう価格は、少なくとも他店よりも価格が高かったという事がいえる。

そこで”廃棄率”と言う考え方が出てくるのである。売上に対してどの程度までの廃棄処分を認めるのかという金額ないしは割合を設定し、その設定までは経費として加味する考えである。
消費者ニーズを適切に吸収し、商品構成をニーズにあうように設定できれば廃棄率は限りなくゼロに近づく事が出来るとはいえるが、あくまでも理想論に過ぎない。
流行性のある商品はそれだけ商品の回転がよく、販売高を押し上げる反面、ある日、商品の人気が落ちて販売が低下するリスクを同時に抱える。季節性の高い商品は、冷夏や暖冬といった気象条件によって販売高が左右される。
廃棄を恐れ、品揃えを最小限に抑えてしまうと今度は消費者の販売機会を逸する可能性も十分あり得る。

これは一つの考えなのだが、自分たちの店の地域でのポジションと店のコンセプトから切り離すべき商品(取り扱わない商品)を明確にし、商品のバラエティ(種類)を抑えるという手法を取るべきではなかろうか?

コンビニと量販店が全面的にバッティングしても、価格競争と言う形で値段の引き下げ合戦をしたところで、互いに潰しあいになるだけである。
自分たちの地域にある同種の商品を販売する他店の商品構成を研究し、他店に譲れる部分を譲ることも潔しとすべきなのだと感じる。

大手チェーンのPB(プライベートブランド)商品戦略もこの点を加味していると考える。PBというと安さばかりが謳われるが、実際にメーカー製品と比べて安いものの、価格に併せて容量が減らされていたりすることがある。
しかし、そのチェーンでしか入手できないという事は、セールスポイントと呼べるのではないだろうか?

話が外れてしまったのだが、保存性の高い商品や日用雑貨品などはその使用期限が1年を越えるものなので、長期の在庫になっても構わないと考えるのではなく、基本は1年以内での販売・・・。つまり、在庫滞在率を”1”以上に設定しなくてはならない。
これは1つの商品が売れるのに1年以上の期間を要するのではなく、1年以下の期間で売り切ってしまうということである。

(続く)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿