ちょっとした絵(?)日記

思うところをつらつら書き並べているだけです。深い意味のない場合が多いですかね?

店のコンセプトと商品構成 その10

2009-07-08 18:00:22 | 体感ビジネス論
体感ビジネス論 続き 第三十四夜

しかしながら、店側もビジネスであるので”適正なる利益”は得なければならない。
前述したが、消費者のことばかりに目を奪われ、自店なり自社の利益を得なければ、自らの存続することはできない。これは同時に消費者への不利益にも繋がる。

自分たちの販売した商品、提供したサービスを消費者に供与するだけではなく、その後のメンテナンスも販売した、提供した物の努めである。
それもなしに、ただ、売るだけ、ただ提供するだけではいけないと感じる。

最近では、販売代理店と称して消費者と”リース契約”だけを結び、後はメーカーとリース会社に丸投げするビジネスを展開している企業は少なくはない。
役割分担という言えば聞こえがいいが、やっていることは顧客を育てずに売りつけているだけではないだろうか?

私は企業なり店のコンセプトには必ず、自らは消費者に対して何をしたいのか?ということを含めて考えるべきだと感じている。

しかし、高度経済成長期の名言「お客様は神様です」というのは消費者を馬鹿にしていると感じている。(苦笑)
企業や店と消費者の間には壁なぞはなく、対等に立場であってもいいのではないかと感じるのだ。
企業や店は消費者から苦言を呈されて成長し、逆に消費者はアドバイスを受けていく、そのような関係を築くことで”信頼関係”も持つことが、同じ水準の商品やサービスを常に提供され、消費できるのではないだろうか?

ある地域やある特定の業界では請求書を見てから”値引き”を求める人たちがいる。
その地域やその業界では”商慣行”なのだろうが、このような方法をとる人たちははっきり言って「無能」と烙印を押してもいいと感じる。
(実際に大手の企業でも平気でこのようなことをする。しかし、本人たちは自社の中で鼻高々のようだが・・・。まあ、大抵は下請けの中では評判が悪い 苦笑)

自らの成長を望むのであれば、自らとともに必ず成長する企業なり人なりを常に周囲に持たねば、自らの企業としてビジネスとしての成長などあり得ない。


さて、自らのコンセプトを掲げ企業なりの店の運営をしていくのだが、掲げたものを”文字”にするだけではなく、それを具体的に商品やサービスに反映させていかなければ消費者には伝わらない。
消費者はコンセプトだけを買うのではなく、コンセプトから生まれるものすべてを対価として購入するのである。

サービスについては別にするとして、消費者に向けた商品の構成について考えてみたい。

コンビニは”定価売り”が当たり前なのにも関わらずコンビニが成長し続けた背景には、商品そのものに付随した”便益”がある。
「地理的な便利さ」、「時間的な便利さ」、「商品構成」など様々な便益が上げられる。

これは消費者が商品そのものに対してだけではなく、その商品に付随する要素を評価したものであると言ってもよい。

また、最近ではスーパーセンターやショッピングセンターのような大型店も消費者に受け入れられる背景には、「安価な商品提供」、「娯楽性」、「利便性」などの諸要素があるものと考えられる。

そして、今現在生き残る零細の小売店には、その小売店の提供するサービスなどに消費者の支持が集まっていると考える。

このことから小売店は商品プラスアルファの要素が重要と考えるわけである。

家電量販店などが、「他店のチラシをお持ちください。」とか「店の開店時に驚くべき価格」を提示したりして話題になったが、家電のような買回り品はメーカー間の特徴を除けば、A店で購入してもB店で購入しても全く同じ商品が入手できる。
更に最近では故障時の保証やポイント還元などもほぼ同じ水準のサービスが提供されている状況では、消費者に自店を選択させるのは困難といえる。

「他店のチラシ・・・」などは邪道な販売方法に見えるのだが、これは消費者に「ゲーム性」を与えているのではないかと分析する。
以前に東海では某中堅の家電系の量販店が、消費者は10円安くなると100メートル余分に歩いて買い物に行くというCMをしていたが、実際に10円、20円の価格差では家電のような大型品を余分に移動して購入するというのは考えにく。

仮に数店の量販店を見て回って、1軒目よりも2軒目、2軒目より3軒目で購入することが多いのではないだろうか?
その購入の決定要素は消費者個人によって異なるだろうが、価格が多少高くとも納得することがあることは経験上あるのではなかろうか・

商品そのものが他店と全く変わらないことは誰しも理解している。(同じメーカーブランドであれば・・・)
しかし、店を見て回る、販売員との駆け引きなどの「ゲーム性」が商品にプラスされることで、買い物そのものがレジャー化することで、安く買えたと満足や良いサービスを受けたという満足感を得るのだろう。

何度も言うようで恐縮だが、商品そのものの性能は同じメーカーであれば、中身は全く同じであるし、付け加えれば、商品の価格が大きく変わることはない。

1日を費やして、疲れてまでもいくつもの店を見て周り、商品を購入するのは家電などの買回品の特徴とも言えるが、高額商品だけに自らが納得するものを納得した買い方をしたいというのが、消費者の心理ではなかろうか?

そこのことから考えるならば、家電量販店のような業種では価格もさることながら、他店と同じ商品を商品として所持していなければならないと言えよう。

(続く)


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