ちょっとした絵(?)日記

思うところをつらつら書き並べているだけです。深い意味のない場合が多いですかね?

設備投資と減価償却

2009-10-23 18:00:53 | 体感ビジネス論
体感ビジネス論 続き 第五十一夜

設備投資を借入金で行った際に貸借対照表上においては、購入した資産に対して同額の負債が計上され、損益計算書上には借入金から発生した利息以外は減速として計上されないということを説明してきたわけだが、もうひとつ、設備投資に関して損益計算書に計上されるものとして”減価償却”が上げられる。

減価償却は”資産の価値的減損”を会計期間ごとに計上するもので、実際の資産そのものが減るわけではない。
自動車や機械設備のように使用する期間が長期に渡れば"故障”や”メンテナンス”の必要性が生じてくるが、このことを言っているわけではなく、あくまでも”書類上の価値”を低減させることができるということである。

減価償却は会計期間ごとに一定の割合を低減できる”定率法”と一定の金額を低減できる”定額法”の二つがある。(詳しくは会計の専門サイトなどを参照して欲しい)

この減価償却は企業の資金繰りにとってプラスなのかマイナスなのかという判断は非常に明確なのだが、”費用”として計上されるものの、実際に金銭が動くものではないので、最終的な利益を圧縮するが資金繰りには影響が及ばないのでプラスと考えても良いだろう。実際、銀行などは決算が赤字でも減価償却が赤字相当分以上あった場合には黒字という見方をする。

中小企業。とりわけ、零細企業ではこの減価償却を曲解している経営者が少なくはない。
それは”資産の残存価格”=”ローン(リース料金)残価”と考えている人が意外に多いのである。
「償却が終わったらその分が利益になる」というのだが、ここでいう”償却”とは”ローンの支払い”を指していることが大半である。
また、リース物件についても誤解をしている方も少なくはない。これはリースが残価を設定し、販売価格から残価を差し引いた額を毎月均等払いするものを誤解しているのではないかと考えるのだが、リースで発生する料金は”費用”として計上するので、借入金で購入した資産とは全く性格が異なる。

この点を強く指摘するのは、利益の発生する構造と資金繰りは全く異なるものであり、費用計上される減価償却と借入金の返済も同じように一致するものではない。
法人においては平成19年度からの新しい減価償却の方法では償却の前倒しも認められているので、借入金の返済期間より前に減価償却が終わってしまうこともあり得るのである。

上記のような経営者は書類上の減価償却は気にしてないので、借入金の返済が終わる前に自らの考えている以上の利益が計上されることで、納税などの資金の不足に悩むことになってしまうのである。

運転資金はその範囲を考えるならば”納税”までを念頭に置かねばなず、利益が生じてから納税に必要な資金(消費税を含む)を考えていたのでは遅すぎるのであるる。会計期間の終わりに利益が確定してから慌てて経費を増やそうと努力する方も少なくはないのだが、消費税などの納税もあるのだから、帳面上に発生する利益を余剰資金と判断することは大きな間違いと言える。



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