映画:眺めのいい部屋

2011年01月02日 | 映画・本
眺めのいい部屋   1985年  イギリス



監督:J・アイヴォリー 、
出演:H・ボナム=カーター,D・エリオット,J・サンズ,D・デイ=ルイス,M・スミス,J・デンチ

実は こやぶん、原作のE・M・フォースターが大好きな作家だったりする。
(長編・短編・エッセイなど・・・ ほとんどの本を揃えてしまったぐらい、お気に入りの作家)

念の為、こやぶんは少々世代が外れるけれど(ハマりもしなかったが)・・・
本作がきっかけで、英国の貴公子ブームが始まった と聴いた事がある。
Maurice Another CountryA HANDFUL OF DUST・・・
などなど、当たり外れもあったけど英国純文学的映画がたくさん公開されたんだよねぇ~。
今の英国映画自体が変わってしまったから、ある意味― 貴重な映画群かもしれない。
J・アイボリー監督は80歳を超え、製作のマーチャント氏は故人になられたしねぇ~。

さて 原作を鑑みて感想を。
恋愛モノと思われがちだけど、ハーレクイン的展開はない(=たぶん退屈するね)
このお話の面白さは恋愛要素ではなく人物描写にあり、
主人公の叔母シャルロット演じるM・スミスは実に見事だ(J・オースティンを彷彿させる)!
人物描写する上でポイントになる、
20世紀初頭の英国人の階級意識がわかりやすく描かれ、とても面白い。
映画の場合は台詞と映像で話が進みますから― 
上流階級のまわりくどい云いまわしのKinksと、労働者階級が話すCockney・・・
日本に例えるならば、
高級住宅街(田園調布や成城)奥様と下町(浅草や築地)のオヤジの言葉使いの違いかなぁ???
特に正しいBR英語ってカンジでイヤミな上流階級を演じたD・デイ=ルイスは最高だね! 

さて 眺めのいい部屋と云えば、物議もあった― 例の名シーン「水浴び」。
男性の裸をあこまで見せるかぁ~! って思える場面なんだけど
現代は芸術として認められたのでしょう・・・ 今回は編集・修正なしでした。
こやぶんが初めて観た当時は、走り廻る場面はカット&巨大なボカシがあって―
それは それは 妙に違和感のある場面になっていたことを 覚えています。
ちなみに原作を読むと― 水浴びシーンには深い意味があるのだけどねぇ。
※映画だけでは 少々わかりくい描き方ですねぇ(単に監督自身の趣味かもしれないし・・・)

ちなみに、主人公が彼の全裸を目撃した結果 更に意識するようになるという、
起承転結で云う― 『転』にあたる結構重要なシーンだったりする。

こやぶん評価(ただ インパクトのある水浴びシーンに注意を!) 


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