プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

ムチとアメ

2011-01-10 23:30:59 | 小ネタ





「はっろー!マーキュリーちゃん」
「・・・ハローって時間じゃないわね。もう夜よ」
「そう、夜ね!そしてオトナの時間よね。で、あたしが今日の仕事終了後自分の部屋にも戻らずにあなたの部屋に直行してきた理由は分かるわよね?」
「・・・何?」
「いやん、マーキュリーってばあたしの口から言わせる気?」
「生憎私はエスパーじゃないから言ってもらわないと分からないわ」
「真顔で聞き返されると言いづらいけど・・・その、最近忙しかったから」
「そうね。忙しかったわね、お互い。そのことは理解してるつもりよ」
「・・・ほら、その、色々溜まってるのよ」
「色々?」
「・・・そう。色々」
「そうね。あなたの言いたいことは分かるわ」
「・・・え?マジ?朴念仁のあなたがこの婉曲表現を理解?」
「・・・そもそも私のことを朴念仁だと思ってるなら、最初から朴念仁でも分かるような言動を心がけたらどう?」
「いや、だからっていきなり口に出すのもあれかしらーと思って。でも嬉しい!分かってくれたのね!」
「・・・ええ。私も・・・その、色々溜まってるから」
「はへ?えっ・・・・・・・・・・・・えええええ!?」
「・・・色々・・・ね」












「マーキュリーのばかっ!ひどい!オニ!人でなしー!!」
「私が人でなしならあなたはろくでなしよ!調子よく押し付けたつもりかもしれないけど、ちゃんと私がやる書類の中にあなたが自分の仕事の分まで混ぜ込んだの分かってたんだから!」
「そ、それはあなたなら何だかんだ言ってもきちんと遂行してくれると思って・・・!黙ってるからやってくれてたんだとばかり・・・!ちょ、明日朝一番提出の分がこんなに・・・ひぃっ」
「私だって手伝う気はあったわよ。でも今まで自分の分で手一杯だったわ」
「こ、これを明日までに完成させろって言うの!?無理!絶対無理!」
「そこを何とかするのがリーダーでしょう?頑張って」
「ええっ・・・て、手伝ってくれないの!?」
「生憎私は寝不足とストレスと疲労が溜まりに溜まってるのよ。流石に今夜あなたが来てくれなかったら自分から行くつもりだったわ」
「溜まってるものってそれなの!?あたしは最近夜はご無沙汰だったから・・・!あなたもそうだと思って・・・!」
「あなたはどうか知らないけど、私はそういうものより睡眠欲のほうが遥かに強いから。じゃ、おやすみなさい」
「ちょ、ちょっと・・・!い、いいの!?そんな無防備にあたしのいるところで寝ちゃって!お、襲っちゃうかもしれないわよ?」
「そんな余裕があるならどうぞご自由に」
「・・・・・・・・・・むきぃぃぃぃぃ!こうなったらこの部屋で仕事して占領して一晩中大声で泣きながら仕事してやるんだから!安眠妨害してやる!」
「書類仕事はあなたの部屋よりこの部屋のほうが何かと便利でしょうから好きに使ってくれていいわよ。それに、自分に関わりない雑音や騒音は却って快適な導眠を促すと言うデータも出てるから、むしろ思いっきり泣いて」
「ざ、雑音ですって・・・!?この愛の女神の美声を・・・!しかも自分に関わりないって・・・こ、この、ドS!」
「おやすみなさい」
「ちょ、マーキュリー・・・・・・・・・・・・・・・・ばかぁぁぁぁ!!」












「うぅ・・・・・・・・・・・・・えぅ・・・・・・・・・・ひっく・・・・・・・ぐずぐず」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・ふぇぇぇ・・・・・・・・ひぅ」
「・・・・・・・・・・・・ヴィーナス」
「・・・・・・・・ずびっ」
「ヴィーナス」
「・・・・・・・・・・・・・・・うぇ?マーキュリー?」
「おはよう、ヴィーナス」
「・・・ふへ?マーキュリー・・・え、どうしたの?」
「寝たのよ。そして起きたのよ」
「・・・・・・・え!?もう朝!?今、何時!?」
「まだ明け方よ。でも昨夜は仕事上がった後すぐ眠ったから、久々にたっぷり睡眠が取れたわ」
「明け方・・・集中してたから時間わかんなかった・・・」
「・・・流石のあなたも相当集中してたみたいね。ほんとに泣きながらやってるとは思わなかったけど・・・」
「でもそれでも終わるかどうか・・・」
「・・・あとどれだけ?」
「はへ?」
「半分こっちに回して」
「・・・にゃに?」
「早く回して。今から頑張れば一時間だけでも寝れるかも知れないわ」
「・・・・・ふへ・・・てっ・・・手伝ってくれるの!?」
「手伝う気はあったって言ってたでしょう?でも昨夜は流石に寝ないと私もきつかったのよ。作業効率も上がらないし」
「マーキュリーちゃん・・・」
「これに懲りたら、普段からこつこつやっておかないと駄目よ」
「・・・あのー、ちなみにあたし現在ぼろぼろなんですけど」
「見れば分かるわ。せめて鼻水くらい拭いてもいいと思うわ」
「ここであなたと交代、という選択肢は・・・」
「・・・さて、シャワーでも浴びてこようかしら」
「すみません手伝ってくださいお願いしますぅぅ」










「おっ・・・終わった・・・一時間半前の奇跡・・・・・・!ミラクル!」
「お疲れさま。あとは私が束ねて出しておくわ」
「ふへへ・・・頭が何かふわふわする・・・」
「少し寝たら?それともシャワー浴びるか何か食べるかする?」
「・・・寝る」
「どうぞ」
「一緒に寝る」
「はい?」
「あなたは睡眠欲のほうが強いって言ったけど!悪いけどあたしは睡眠欲を超える別のモンが溜まってんのよ!」
「・・・冗談でしょ」
「ムチの後にはアメがないとぐれちゃうわよぅ」
「だから手伝ったじゃない」
「あれは甘くないもん!確かにアメだけどハッカのようなすかすかなアメ!あっ・・・甘いアメが欲しいのです・・・!」
「お茶でも入れましょうか?角砂糖10個くらい入れたらいいかしら」
「角砂糖10個も入れたらそれ砂糖入りのお茶じゃなくてお茶の沁みこんだ砂糖だからね!」
「甘さを求めてる分には問題ないと思うけど」
「そういう甘さは求めてないわよ」
「・・・ならもう普通に寝たら?一時間半後には仕事開始よ」
「あたしがいいって言うんだからいいのよ!それにあなただって、睡眠不足が解消されたから睡眠欲が今は消えてるんでしょう!?だったらあたしへの情熱が溜まってるはず」
「ごめんなさい、今は食欲が来てるから」
「ここにサンドウィッチよりお手軽に食べられるかわい子ちゃんがいるわよ~」
「お腹に溜まらないのはちょっと」
「心は満たされるわよ」
「あなたのね」
「ま、マーキュリーは違うの!?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ひどい!やっぱり人でなし・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今までは体目当てだったのね・・・!うぇぇぇぇ」
「・・・・・・分かったわ」
「うぇ?」
「・・・ベッドで待ってて。書類提出用に束ねるのだけ先にやっておくから」
「えっ、マジで!?その作業で一時間半乗り切っちゃうとか無しよ!?」
「そんなせこいことしないわよ。早く行って」
「身づくろいして待ってます!!!」







「・・・ヴィーナス、来たわよ」
「・・・すかー」
「ヴィーナス」
「すぴぴぴぴ」
「(やっぱり寝てる・・・瞳孔開いてたしどうせもたないの分かってたんだから最初から大人しく一人で寝ればいいのに・・・)」
「・・・ふがー」
「(まあ、あと一時間そこいらだけど)」
「すごー」
「ヴィーナス。私、結構あなたに甘いと思うわよ?」」
「ふぎゅるるるる」
「・・・普段からこつこつ仕事しておけばこんなことにならないのに」
「しゅかしゅか」
「・・・おやすみなさい」







「・・・・・・アメは、また今度・・・ね」









          *****************


 ヘタレじゃないとやたらクールなマキュさん。いや、前世もやっぱりヘタレじゃないと嫌なんですけど、なんかクールになってしまった。
 前世はそれなりに大人な関係だったりしますが、現世では「せこいこと」ばっかやらかすようになる水星(笑)
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