プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

吊り橋効果

2011-09-07 23:56:00 | 小ネタ





 吊り橋にて。


「おおおおお揺れるぅぅぅ」
「ちょっ…まこと、危ない…!腕にしがみつかないで!」
「無理っ…むりむりむりレイ置いて行かないでっ…揺れてる!揺れてるから!」
「だからってうっとうしいのよ!余計渡るの遅くなるでしょう!」
「うっ…うっとおしいって…誰が好きでこんなこと…!」
「文句あるなら離れなさい!邪魔!」
「邪魔って!あ、あたしだって必死で…」
「耳元で喚くとうるさいのよ!体押し付けられるのもうざいし!」
「わっ…分かったよ!もうレイに頼るもんか!」
「じゃあさっさと離れなさいよ。こんなもん無念無想でさっと渡っちゃえば済むでしょう」
「す、すぐ離れるからちょっとタイミング待って…あ、亜美ちゃんにしがみつかせてもらうから!」
「…はぁ?」
「ひ、一人じゃ無理だもん!でっ…でももうレイには頼らない!ちょ、ちょっと待って風が止んだら離れるからっ…あ、あみちゃん!ちょっとこっち来て助けて」
「……………ちょっと、まこと」
「なんだよ話しかけんなよ!ちゃ、ちゃんと離れるから…す、すぐ離れるから……待ってろ、なんだ吊り橋くらいで」
「……行くわよ」
「へっ…ひあっ…ちょっレイ引っ張らないでぇぇぇ」
「そんなへっぴり腰で渡ってるから揺れるしいつまで経っても渡れないのよ!」
「ちょ、あたしは亜美ちゃんを頼って……あああやめてこわいこわいこわい!!」
「一気に渡ればすぐ終わるから!私が引っ張るから目つぶって走りなさい!」
「無茶だぁぁぁぁ!」
「手離されたくなったらついて来なさい!」
「やっ…やめて離さないで!ついてくから離さないでっ…ぜぜぜ絶対離すなよ!」
「離されたくなかったらおとなしく渡りなさい!」






「はいはーい、水野先生!」
「美奈?どうしたの?」
「まこちゃんのあの行動っていわゆる『吊り橋効果』ってやつ?吊り橋でどきどきでロマンスが生まれるってアレ」
「……ちょっと違うかしら…」
「どう違うの?」
「『吊り橋効果』っていうのは、簡単に言えば、こういう足場が不安定なところにいて恐怖でどきどきしちゃって、それを身近な人への恋愛感情と錯覚しちゃうようなことなの」
「つまり?」
「あの場合だと、まこちゃんは恐怖で誰彼かまわず助けてほしいって感じでいわゆる『吊り橋効果』とは少し違うわね。ロマンスならむしろ、恐怖ですくんでるまこちゃんを自分が守ってあげたいって感じるレイちゃん、の方が顕著かしら」
「ははぁ。まあ、確かにまこちゃんにボインを押しつけられたらどきどきしちゃうものねぇ」
「それもちょっと『吊り橋効果』とは違う気がするけど……レイちゃんも、あんな強引な真似するくらいなら私にまこちゃんを任せてくれればよかったのに」
「そ、それってやっぱり亜美ちゃんもまこちゃん守ってあげたいって思っちゃったわけ…?」
「それはまぁ…あんな緊急の場で名指ししてもらえたら、頼りにされてるんだって思えて嬉しかったわ」
「へー…」
「べ、別に怖がって腰が引けてるまこちゃんが可愛いとかそういうことを思ってたわけじゃないのよ。ほらレイちゃんも大変そうだったし…胸を押しつけられたら確かにどきどきするとは思うけど」
「……ほほー」
「……………そんな目で見ないで」
「まあ、素直でよろしい」
「え、えっと、だからつまり、今の『まこちゃんの』行動は吊り橋効果とは少し違うのよ」
「でも結果的にまこレイはいい感じじゃない?ならっ!亜美ちゃん!」
「どうしたの?」
「美奈子も吊り橋怖いのっ!足とか震えちゃってほら見て!」
「今の今まで怖がってたようには見えないけど…」
「そんなことないわよ!ほら見て、この救いを求めるかよわい子猫のような潤んだ瞳を…!」
「じゃあ渡らないでいたら?レイちゃんと違って、そんな風に怖がる人を無理やり渡らせるなんて私にはできないわ。あなたはここで待ってて」
「いやいやいやもっともなこと言って放置しないでよ!まこちゃんは助けるって言ったくせに!」
「まこちゃんはもうだいぶ進んでたから…でも、あなたはこれから渡るんだし、渡る前から震えるくらい怖いんでしょう?」
「亜美ちゃんがしがみつかせてくれたら大丈夫だから…連れて行って」
「………それは……別にいいけど……」
「ほ、ほんとに?じゃあ早速…」
「でも、美奈。怖いからしがみつくのは構わないけれど、暴れたりしないでね。私はともかく、先のまこちゃんが心配だから、あんまり余計に揺らす真似は」
「はいはーい」
「あと、掴むのはくれぐれも腕だけにしてね。変なところに触られたら、びっくりしてあなたを柔術の要領で橋の下に投げてしまうかもしれないから」
「こんな足場の不安定なところで柔術できるって十分余裕があるんじゃ…」
「何か問題が?」
「ないです、腕で十分ですからお願いだからしがみつかせて」
「なら、どうぞ。じゃあゆっくり行くから…もし、途中で気分が悪くなったり、どうしても怖いってなったらすぐに言ってね」
「(本当は吊り橋なんか全然怖くないけど…亜美ちゃんってガード固いしすっとぼけてはいるけど、やるとなったらちゃんと優しいのよね…)ねえ亜美ちゃん、こういう場所でもないと、なかなかこんなにしっかり腕組んで引っ付いて歩くってないわよね」
「普通の場所だとここまで寄りかかって歩く必要はそもそもないし…なんだか照れてしまうし」
「吊り橋さまさまね……ああ、ほら、やっぱり吊り橋ってロマンスの場なのよ。渡る前からどきどきが止まらないわ亜美ちゃん。ほら組んだ腕からあたしの胸の鼓動を感じて」
「そうね……美奈の場合はきっと吊り橋に対する恐怖が先に来ているっていうのもあるのだろうけど、実は私も渡る前からどきどきが止まらないの」
「ええっ…亜美ちゃんも?別に吊り橋怖くない亜美ちゃんをどきどきさせてる理由ってあたしよね?あたしよね?」
「ええ……あなたがもし恐怖のあまり私にしがみついたまま失禁されたりなんかしちゃったらと思うと…ちょっと怖くて」
「まこちゃんの胸押しつけられたらどきどきするって言ってたくせに、愛の女神の胸押し付けられてどうしてそっち方面にしかどきどきしないのよあなたって人はぁぁ!」




               **********************


 美少女で百合で下ネタの方向性が間違えまくってると思ううちのサイト…深見さんが某映画で「漏らしそう」的なことを言ってたのがインパクト強かったんでそういうネタやってみたくなったんです…信じて。

 まこちゃんは吊り橋とかそういうとこ苦手そう。レイちゃんは駄目じゃないけど体調によっては酔ったりするかもな。水野は安心の通常運転、そういうとこ図太そう。美奈は露骨にテンション上がって周りに迷惑かけるタイプかと(笑)
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