１２センチメートル

「ねえねえまこちゃん、まこちゃんって身長何センチ？」
「いきなり喧嘩売るねえ、美奈」
「け、喧嘩なんて売ってないわよ・・・！単に何センチかなーって」
「あたしにとって身長は、体重よりも預金残高よりも聞かれたくないものなんだよ」
「だから、背の高いことってまこちゃんが思ってるほど悪いものじゃないって。バレーやってたらそれくらいの身長でも小さいくらいだし、モデル業とかだったらそれくらいタッパいるし・・・あたしは正直うらやましいとも思ってるのよ？」
「あたしはバレーやってないしモデルになるわけでもないんだし。あたしは美奈くらいになりたかったなぁ」
「いやーでもまこちゃんとレイちゃんとの身長差には憧れるけど」
「あたしとレイの？なんで？」
「いや、ほら、雑誌とか見てたらさ、キスしやすい身長差１２センチって書いてたから。まこちゃんとレイちゃんってそれくらいかな～って思って。身長聞いたのもそういうことよ」
「キスしやすい身長、ねえ・・・そんなことないよ。理想とは程遠いよ」
「え、そうなの？しづらいの？」
「そういうわけじゃ・・・も、もう、知らないよそんなの・・・」
「やだ！まこちゃん照れなくてもいいのよ！」
「だいたい、キスしやすい距離とか考えたこともないし、身長差なんて好きだったら関係ないし、あんまり立ったままキスしないし、そもそも押し倒されたら関係な・・・・・・いや、なんでもない」
「聞こえたわよまこちゃんしかも押し倒される側なのねよくわかったあたしも亜美ちゃんに押し倒されたい」
「いや、あのその、えっと・・・・・・あ、でも、あたしは身長近い方がしやすそうな気もするけどねえ」
「そうかしら・・・でも、やっぱり身長差には憧れるのよねえ」
「美奈、亜美ちゃんとほとんど変わらないもんね。並ぶとちょっとだけ亜美ちゃんの方が高いけど」
「そこがちょっと悔しいのよ！あとほんのちょっとなのに抜かせないんだもんっ」
「いいじゃないか、小さい方が可愛くて」
「だってさー・・・お勉強ばっかりしてる人に身長で負けるってのもそうだけど、やっぱりちょっとはリードする部分がありたいって言うか、ちょっとでもおっきい方が亜美ちゃんも頼ってくれるかなーとか・・・」
「そんなことないって、美奈は今の美奈のままで十分素敵だよ。それに、もしかしたら、高校生なんだから、身長まだこれから伸びるかもしれないし」
「それは亜美ちゃんも伸びる可能性があるしぃ～・・・ああ、でも、やっぱり本音を言えばまこちゃんとレイちゃんくらいの身長差が欲しいわ。１２センチくらい。理想なのよ」
「理想かなぁ・・・むしろ、美奈が言ってるみたいになるにはあたしとレイじゃ、やっぱり美奈たちよりも理想の距離には遠いよ」
「へ？」
「だって、あたしとレイが、美奈が言うような理想の身長差になるには、レイにこれから２４センチくらい伸びてもらわなきゃだからね」
「えっ・・・」
「そりゃ、まだレイも身長は伸びるかもしれないけど、さすがに２４センチは無理じゃないかと思うし・・・美奈と亜美ちゃんの１２センチより遠いじゃないか」
「・・・・・・まこちゃん、根が深いのね」
「んー？」
「人ってないものねだりする生き物ってよくわかったわ・・・あたしもう身長についてどうこう言わない・・・」





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　身長差はうぃきさんとかを参考に。身長差カップルもぐっときますが、ほぼ差のないカップルが主導権を奪い合ってたり軽くコンプレックス抱いてたりするのもぐっときます。

　レイちゃんってまこちゃんがいるから目立ってないだけで、結構長身ですよねー。そして亜美ちゃんが若干美奈子より背が高いらしい設定がすごく好き。