プラマイゼロ±

 某美少女戦士の内部戦士を中心に、原作、アニメ、実写、ミュージカル等問わず好き勝手にやってる創作、日記ブログです。

柚湯

2015-12-22 23:59:40 | 小ネタ






『・・・はい、もしもし』
「あ、もしもし、レイ?」
『・・・まこと。なんの用?』
「んー、レイ、もう、晩ごはん食べた?」
『当たり前でしょ。もう9時よ』
「だよねえ」
『なに、なんの用なの?晩ごはんならもう片づけたけど』
「いや、もし、晩ごはんこれから食べるなら別にいいかなって思ったんだけど、レイ、今から体空いてる?」
『あとはお風呂に入って寝るだけだけど・・・なんで?こんな時間に』
「いやー、今日冬至だったの忘れててさー。柚湯用の柚買うの忘れてたんだよね。で、今から買いに行くのもなんだかなって感じだし。そもそもうちお風呂狭いから、今日は銭湯でもいこっかなって。あんまり行ったことないけど、たぶん、今日は柚湯やってるだろうから」
『・・・で?』
「だから、レイ、もし体空いてるならいっしょに行かないかなー、と思って。お風呂はまだなんだろ」
『せっかくだけど、うち、お風呂、もう用意しちゃってるのよ。柚湯』
「あ、そうなんだ。じゃあしかたないね。レイの家のお風呂広いもんなあ、柚湯楽しそう」
『・・・・・・・・・』
「遅いのに急にごめんな。気にしないで。せっかくだし、レイ、家のお風呂入ってよ」
『・・・まことは?ほかの誰かといっしょ?』
「いや、ひとりだよ。ただ、せっかくだからレイに会いたいなってちょっと思っただけ。だいじょうぶ、銭湯はひとりで行くよ」
『まことの家、近くに銭湯あったの?』
「そんなすぐってわけじゃ・・・ちょっとは歩くかな。あ、でもよく考えたら、レイ連れていったら、神社からはもっと帰り遠いよね。帰るまでに湯冷めしたら大変だし、そもそももう結構遅いし、おじいちゃん心配するよね。ごめんごめん、ほんとちょっと聞いてみただけだから気にしないで」
『遅くなるし湯冷めするのはあなただっていっしょでしょ。ましてや、ひとりで』
「だいじょうぶだよ。神社ほど遠くないし」
『・・・・・・・・・』
「ごめん、遅くに。でも、レイの声が聞けてうれしかったよ。じゃあ、おやすみ」
『・・・待って!』
「・・・えっ、なに?』
『・・・言ったでしょ。まこと。柚湯、うちには用意してあるって』
「・・・え、でも」
『銭湯なんか行くくらいなら、うちに来なさいよ』
「そんな、急に」
『今からひとりでそんなとこって聞かされる方が迷惑だわ。よく知ってる場所なだけうちのほうがましでしょ』
「・・・神社の方が遠いけど」
『あんまり行ったことない銭湯よりはよく知ってる道でしょ』
「遠いと、帰るとき湯冷めしちゃうなじゃいか』
『・・・帰らなきゃ』
「え?」
『うち来てそのまま・・・帰らなきゃいいじゃない』
「・・・ごめん、レイ、もう一回・・・もう一回言って」
『切るわよ!』
「あ、ごめん!泊まりの準備してすぐ行く!」
『まったく・・・早くしなさいよ。遅ければ遅いだけ迷惑なんだから』
「わかった。急ぐよ。柚湯、楽しみ」
『・・・・・・・・・』
「あ、レイに会うほうが楽しみだけど」
『そういうの、いいわよ。じゃあほんとに切るから』
「あっ、待ってレイ。すぐ行くけど、着る前に聞いといていい?」
『・・・なに?』
「柚湯・・・いっしょに入っていい?」
『私が出るまでに間に合えばね。じゃ』
「・・・言ったな。待ってろ、ダッシュで間に合わせるから」
『・・・・・・待ってる』








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 火野さんは、時間に関わらず木野さんが公共浴場行くこと自体好ましく思ってないと思います。
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