まんまるお月様

今日は朝からメールがあったよ。
すごく頭痛がひどいみたい。そしてまたアタシの夢を見たんだってさ。
アタシは逢いたいって言ったよ。
『本当に逢いたいの？本当にすきなの？』
アタシの気持ちを確認してくる。
なんて答えようか迷った。
逢いたいのは確か。好きなのも確か。
でも本当のことを言いたくない。
だから「逢いたいよ」ってだけ答えたの。
『好き？』ダイレクトに聞いてきた。
「好きかどうかは分からない」こう答えようとしたけど。
昼休みになって、結局スキだよって言っちゃった。

『今日ってすごく寒いよね？』
おい。なんだよこの返事。
前のメールとまったく繋がってねぇじゃん。
ムカついたから弁当食べながら「はい」ってだけ送ったの。
そしたらなんと電話が！
いきなりだったからビックリしたけど、ゴハンを丸呑みしてトイレに入って出たよ。
『まい～逢いたい』甘えた声。
「逢いたいね」普通に答えるアタシ。
『軽い！』なんか言い方があまりにも普通すぎて、気持ちがこもってないみたい。
『本当に逢いたいの～？』
「逢いたいよ」
『・・・・苦笑。あのさ、もしかしたら土曜日逢いに行けるかもしれない』
「ホント？マジで？」
『うん、なんか飲み会あるからさ、それ終わったら逢いに行けるかも』
この前一生酒は飲まないって言ったクセに。
「・・・・・・ドコのお姉ちゃんと飲んでくるの？」
『さぁ、ドコのお姉ちゃんと飲んでこよっかな～』
「・・・・いいよ、行って来なよ」
『１次会だけで帰ってくるからさ』
「ドコのお姉ちゃんと飲んでくるの」
『内緒～』
「あっそ」
『いいの？』
「お姉ちゃんと飲んでくればイイじゃん！！マジむかつく！」
『ヤキモチ妬いちゃったの？』
「知らない！バカ！」
ホントは全然妬いてなんかないんだけどね。
ダーリンはキャバ嫌いだし、飲み会自体もスキじゃないし。
会社か何かの飲み会だって分かってたよ。
分かってたけど、こういう勢いに任せてヤキモチも妬きたいの。少しだけ。
ダーリン、くふふって笑って嬉しそう。ドコがや。
『まい好きだよ』
「・・・・うん」
１５分話してトイレから出ました。
そしてやっぱりすぐにメール。
『会いたい』
「土曜日必ずね」アタシが弱気なメールを送る。
『早く帰れたら会いに行くよ』
なんだよその後ろ向きなメール。
むかつく。
「了解」
『いっぱいチュウしようね』
「そうね。いっぱい」マジそっけなく返しちゃう。
少し返事がこなかった。
『バカまい』
『怒るな』
アタシが怒ってるって思ったみたいで。
気ぃ張って「怒ってないし」こっちのが拗ねてるみたいよね。笑
『悲しいの？へこまないで』
へこませてるのはだれだっツーの。
なんか気持ちが伝わらないみたい。
急いでゴハン食べようとしたけど、会社のお偉いさんが来て忙しくて。
あんまゴハン食べれなかった。

午後になってからダーリンからメールが。
まだ頭が痛いみたい。薬も効かないみたいで。
なでなでしてあげるからって言ったんだ。
そしたらダーリン『飲み会は女の子と飲まないよ。会社の新年会なの。心配した？』って。
いや、分かってたけどね。
心配してほしいのかな。妬いてほしいのかな。
それとも妬かれるのはめんどくさいかな。重いかな。
そんなことを考えると、何もいえなくなってしまう。
アタシは彼女じゃないからヤキモチを妬ける立場じゃないのよ。
分かってよ、ダーリン。

２０時前に電話がかかってきた。
終わったのかと聞いたら
『まだ仕事中。まいの声が聞きたかっただけ』だってさ。
嬉しいよ。
今日はお月様がキレイだよ。
一緒に見たいな。