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コンサートを開く仕事とはなんぞや

2013年10月12日 | コンサート

朝から爽やかな秋空、心も気持ち良くなります。

コンサートを開くにあたって、いつも「なんで私はこんな事をしているのだろう」と自問することがあります。特に震災以降は。

震災直後の半年はキャンセル業務ばかりでした。演奏会を中止する為のお客様への返金作業です。とても悲しかったです。何も産み出さない作業、負の作業だったからです。

夢も希望もない作業。 「こんな時に音楽なんて・・・」と云う意見も「こんな時だからこそ音楽を・・・」と云う意見もさまざま。 結局その後は無料の音楽会が増えたこと、増えたこと。

あれから2年半経って、世の中は(東京では)震災前に戻ったように普通に流れています。音楽、映画、演劇、その他諸々。

 

先日、小林研一郎さん指揮・仲道郁代さんピアノ演奏のコンサートに行きました。 異例にも演奏の前にこれから演奏する曲目についての簡単な説明が入りました。

この時代、ベートーベンがどういう環境で誰に書いたとか、ナポレオンの攻めて来る大砲の音が聞こえる中で書かれたとか、簡単ではありましたが、その説明でぐぐっと曲への聴き入れ方が違ってきたので不思議です。

コバケンさんに至っては、「このフレーズとこのフレーズ・・・」などとピアノで音出しまでして下さって、また、「この章では最後にシンバルが入りますがこれは慟哭を表していると思うのです」などと言われれば、集中してそのシンバルの音に聴き入ります。

「最後にこれを聞かれた感想などを事務所に送って下さればありがたいです」などと仰るものですから・・・なんと、終演後のロビーに人だかり、何かと思えばアンケートを箱に入れる人、人で前に行けないのです。

初めて見ました! アンケートの紙でツリーのように高く上に伸びて行く様を。

凄い!と茫然。

ある日、私の関係する定期的なコンサートでもアンケート集計をしていたら、「今日は馴染みのある曲ばかりで楽しかった」という意見が圧倒的に多かった日がありました。

 

皆さん同じです。 曲に親しめたら、もっと聴いていて楽しくなるのです。

コバケンさんは客席のお客様とオーケストラが一体となるように、そんな歩み寄りの姿勢が見受けられ、「さすがコバケン」と唸りました。

 

先日、読売新聞に小泉今日子さんの「あまちゃん」を終えてのコメントが掲載されておりました。その中で彼女は「夢の箱の中にいる私達に出来ることは希望を与えることなのだと強い気持ちが湧きあがった」と書かれておりました。

そうなのです! 演劇、音楽、なんでも・・・・

最初の「なんでこんなことしているのだろう」に戻ります。

私の仕事は、来場したお客さまに「楽しかった~」と云う気持ちになって頂き、未来への希望を持って帰って頂く、そんな演奏会を催すことなのだと。

そうなのです! 大それてはいますが、それしかないのです。

私達の演奏する音によって、歓びで心を震わせて頂きたい。 音楽にはそんな力が沢山あると信じております。

その為に出来ることはすべてしよう! これが私の仕事です。

 

 

 



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