2022年12月29日(木)

#410 UFO「THE BEST OF UFO」(EMI 7243 8 52967 2 7)
英国のロック・バンド、UFOのベスト・アルバム。99年リリース。
UFOというと、いまだに活動が続いているという長寿バンドだ。なにせスタートは69年8月。ブランクは何回かあるものの、半世紀のキャリアは掛け値なしにスゴい。
日本でも70年デビュー・シングル「カモン・エブリバディ」がそこそこ話題になって、翌年には初来日公演まで果たしている。
実は筆者も、そのシングルを持っておりました。何度となく聴いたものです。懐かしい思い出(笑)。
当時UFOはレッド・ツェッペリン、ディープ・パープルあたりの対抗馬として期待されていたのだが、すぐに失速、墜落してしまう。
リード・ギターのミック・ボルトンが失踪、脱退してしまったのである。
その後、何人かの交代劇を経て、ドイツ人のマイケル・シェンカーが73年6月より正式に参加する。彼のスーパー・ギター・テクニックは、バンドの最大のウリとなる。
そしてそこから、UFOの快進撃が始まるのだ。
74年のアルバム「現象」以降、75年「フォース・イット」、76年「ノー・ヘヴィー・ペッティング」、77年「新たなる殺意」78年「宇宙征服」と、たて続けにヒット・アルバムを出し、人気を高めていく。
しかし、英語の不得手なシェンカーと他のメンバーとのコミュニケーションが上手くいかなかったこともあり、78年11月ついにシェンカーは脱退してしまう。
スター・ギタリストの脱退という痛手を負って、ここでバンドの命運も尽きたかと思われたが、すぐに後任のポール・チャップマンを迎え、79年には再来日も果たしている。
だが80年代はメンバーの交代が相次ぎ、不安定な時期であった。レコードのセールスも落ち込み、ついにバンドは83年4月に解散してしまう。
その後、オリジナル・メンバーのフィル・モグ(Vo)が再びメンバーを集めて、84年12月に再始動。
そして活動を続けるのだが、やはりスター・ギタリストのいない状態での存続は難しい。メンバー脱退が続き、再び休止に追い込まれる。
だが、天はUFOを見捨てなかった。
91年にギターのローレンス・アーチャーを迎え、再々始動。そして93年にはシェンカーを含む黄金期のメンバーでの復活を果たしたのだ。
まさに不死鳥。何度でもよみがえってみせるのだ。
しかし、いい状態は長続きしないもので、再びシェンカーは他のメンバーとの衝突を起こし、95年に離脱。
その後もシェンカーは短期復帰→脱退のパターンを繰り返しており、キリがないのでそのあたりは省略させていただく。
もう、ここまで来ると「お家芸」ですな(笑)。
まぁ、UFOにとってシェンカーが、なくてはならない才能である事実は間違いない。
さて、このベスト盤はそんな彼らの99年までの、約30年の歴史をコンパクトに凝縮した一枚。ちなみに第1期の音源は含まれていない。彼らにとってある意味、「黒歴史」だったしね。
黄金の70年代後半の代表曲、「ドクター・ドクター」「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」「シュート・シュート」「ロック・ボトム」など、「これぞUFOサウンド!」といえる16曲が詰まっている。
ギター・キッズにとってはもう教則本みたいな、シェンカーのプレイの連続。
結局トップ・バンドにはなれなかったけど、安定のハード・ロックを生み出し、ファンの心を揺さぶり続けたUFOの、最盛期の輝きがここにある。
ワン・パターンだけど、最強。それがUFOなのだ。
<独断評価>★★★★
英国のロック・バンド、UFOのベスト・アルバム。99年リリース。
UFOというと、いまだに活動が続いているという長寿バンドだ。なにせスタートは69年8月。ブランクは何回かあるものの、半世紀のキャリアは掛け値なしにスゴい。
日本でも70年デビュー・シングル「カモン・エブリバディ」がそこそこ話題になって、翌年には初来日公演まで果たしている。
実は筆者も、そのシングルを持っておりました。何度となく聴いたものです。懐かしい思い出(笑)。
当時UFOはレッド・ツェッペリン、ディープ・パープルあたりの対抗馬として期待されていたのだが、すぐに失速、墜落してしまう。
リード・ギターのミック・ボルトンが失踪、脱退してしまったのである。
その後、何人かの交代劇を経て、ドイツ人のマイケル・シェンカーが73年6月より正式に参加する。彼のスーパー・ギター・テクニックは、バンドの最大のウリとなる。
そしてそこから、UFOの快進撃が始まるのだ。
74年のアルバム「現象」以降、75年「フォース・イット」、76年「ノー・ヘヴィー・ペッティング」、77年「新たなる殺意」78年「宇宙征服」と、たて続けにヒット・アルバムを出し、人気を高めていく。
しかし、英語の不得手なシェンカーと他のメンバーとのコミュニケーションが上手くいかなかったこともあり、78年11月ついにシェンカーは脱退してしまう。
スター・ギタリストの脱退という痛手を負って、ここでバンドの命運も尽きたかと思われたが、すぐに後任のポール・チャップマンを迎え、79年には再来日も果たしている。
だが80年代はメンバーの交代が相次ぎ、不安定な時期であった。レコードのセールスも落ち込み、ついにバンドは83年4月に解散してしまう。
その後、オリジナル・メンバーのフィル・モグ(Vo)が再びメンバーを集めて、84年12月に再始動。
そして活動を続けるのだが、やはりスター・ギタリストのいない状態での存続は難しい。メンバー脱退が続き、再び休止に追い込まれる。
だが、天はUFOを見捨てなかった。
91年にギターのローレンス・アーチャーを迎え、再々始動。そして93年にはシェンカーを含む黄金期のメンバーでの復活を果たしたのだ。
まさに不死鳥。何度でもよみがえってみせるのだ。
しかし、いい状態は長続きしないもので、再びシェンカーは他のメンバーとの衝突を起こし、95年に離脱。
その後もシェンカーは短期復帰→脱退のパターンを繰り返しており、キリがないのでそのあたりは省略させていただく。
もう、ここまで来ると「お家芸」ですな(笑)。
まぁ、UFOにとってシェンカーが、なくてはならない才能である事実は間違いない。
さて、このベスト盤はそんな彼らの99年までの、約30年の歴史をコンパクトに凝縮した一枚。ちなみに第1期の音源は含まれていない。彼らにとってある意味、「黒歴史」だったしね。
黄金の70年代後半の代表曲、「ドクター・ドクター」「オンリー・ユー・キャン・ロック・ミー」「シュート・シュート」「ロック・ボトム」など、「これぞUFOサウンド!」といえる16曲が詰まっている。
ギター・キッズにとってはもう教則本みたいな、シェンカーのプレイの連続。
結局トップ・バンドにはなれなかったけど、安定のハード・ロックを生み出し、ファンの心を揺さぶり続けたUFOの、最盛期の輝きがここにある。
ワン・パターンだけど、最強。それがUFOなのだ。
<独断評価>★★★★