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音曲日誌「一日一曲」#8 ザ・バンド & ボビー・チャールズ「Down South In Neworleans」(The Last Waltz/Warner Bros.)

2023-04-09 05:00:00 | Weblog
2007年8月11日(土)

#8 ザ・バンド featuring ボビー・チャールズ「Down South In Neworleans」(The Last Waltz/Warner Bros.)





皆さんご存じ、ザ・バンドのアルバム「ラスト・ワルツ」からの一曲。

ザ・バンドのラスト・ステージにゲストとして登場したのは、本欄でも取り上げたことのある(2001.4.28の項参照)白人シンガー、ボビー・チャールズ。彼が、カントリー界の大ベテラン、ジム・アングリン、ジャック・アングリン、ジョニー・ライトの作品「Down South In Neworleans」を自分流にアレンジ、ザ・バンドの面々を交えて大合唱。これがいかにもニューオリンズっぽい、いなたいサウンドで◎なんだな。

ボビー・チャールズ。38年、ルイジアナ州アビーヴィルの生まれ。以前にも書いたように、チェスの白人シンガー第一号として、50年代より活躍。白人・黒人、音楽のジャンルを問わず、さまざまなミュージシャン達と交流があった。

白人でいえば、前述のアングリン・ブラザーズ、ジョニー&ジャックのようなカントリー系。黒人でいえば、ファッツ・ドミノ、デイヴ・バーソロミューのようなN.O.のR&B系。

70年代には、所謂ウッドストック派のアーティスト、ポール・バターフィールド率いるベター・デイズ、そしてザ・バンドらとも親交を深める。

まさに、ジャンルフリーの、クロスオーバーなミュージシャンの元祖といっていいだろう。

で、この曲を聴いて感じるのは、黒いフィーリングを持ちながらも、やはり白人、カントリー的な要素を抜きにボビー・チャールズの(そしてザ・バンドもそうだが)音楽は成立しないということ。

日本において、ブラック・ミュージック好きな人々の中には、あからさまにカントリー的なもの、白人的なものを嫌悪するひとが結構いるのだが、それってすごいナンセンス。

白人音楽、黒人音楽は、相互に隔離状態におかれたまま、おのおの独自に発展したものではなく、常におたがいを意識し、刺激を与え合いながら成長してきたのだ。

ラジオから流れてきた曲は、それがどんな人種・民族が生み出したものであれ、いかしたものならば遠慮なく取り込んでいく、そういうゴッタ煮性こそが、アメリカ南部に育った音楽の本質なのだと思う。

ボビー・チャールズは、まさに南部音楽の象徴とでもいうべき人物。

このライブでは、もうひとりのクロスオーバーなミュージシャン、ドクター・ジョンのピアノもフィチャーされ、非常に豪華な演奏だ。フィドルやアコーディオンも実に効果的に配されている。

チャールズ、ヘルムらが軸となった分厚いコーラス、短くとも、聴き応え十分な一曲であります。

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