通院の帰り道、たまたまふらりと立ち寄った書店で、こんな本を見つけて買いました。
当然ながら新作はないわけで、全て過去にどれかの短編集で読んだ作品ばかりでしたが、改めて再読してもちゃんと面白い。
厳選恐怖小説集 牛の首/小松 左京(角川ホラー文庫)
恐怖小説と銘打ちながら、結構SF寄りというか、ほぼSFです。共に行間から世界観を立ち昇らせ、読者の想像力を100%喚起することに心血を注ぐ、SFとホラーという両ジャンルの親和性の高さを見せつける短編集です。
1960〜70年代に発表された古い作品ばかりですが、今読んでも本質的に古びていないのがさすが。
どの作品も、不条理極まりない展開をしつつ、最後にちゃんと理屈をつけているのが、SFテイストを感じさせる1番の要因だと思います。まぁ、その理屈自体がとんでもない作品も多いんですけど(笑)この振れ幅の広さこそ、まさにSF。
鴨のお気に入りは、「怨霊の国」「飢えた宇宙」「葎生の宿」。「怨霊の国」は、ホラー風味を前面に出しつつも、物語の骨格に「ゴルディアスの結び目」と同様の問題意識が貫かれています。「飢えた宇宙」は、宇宙×SF×吸血鬼というぶっ飛んだ三題噺ながら、最終的には「あー、なるほど・・・」と納得してしまうこの力技よヽ( ´ー`)ノ「葎生の宿」は、とてもリリカルでセンチメンタルな結末なのですが、そこに至るまでの展開が破壊力あり過ぎて、最後の詩情がどこかに吹っ飛んでしまう、という(笑)いろんな意味で、SF者にこそ読んでほしい作品集ですし、ジャンル関係なく「面白い本が読みたい!」という読書子にも、ぜひオススメです!
当然ながら新作はないわけで、全て過去にどれかの短編集で読んだ作品ばかりでしたが、改めて再読してもちゃんと面白い。
厳選恐怖小説集 牛の首/小松 左京(角川ホラー文庫)
恐怖小説と銘打ちながら、結構SF寄りというか、ほぼSFです。共に行間から世界観を立ち昇らせ、読者の想像力を100%喚起することに心血を注ぐ、SFとホラーという両ジャンルの親和性の高さを見せつける短編集です。
1960〜70年代に発表された古い作品ばかりですが、今読んでも本質的に古びていないのがさすが。
どの作品も、不条理極まりない展開をしつつ、最後にちゃんと理屈をつけているのが、SFテイストを感じさせる1番の要因だと思います。まぁ、その理屈自体がとんでもない作品も多いんですけど(笑)この振れ幅の広さこそ、まさにSF。
鴨のお気に入りは、「怨霊の国」「飢えた宇宙」「葎生の宿」。「怨霊の国」は、ホラー風味を前面に出しつつも、物語の骨格に「ゴルディアスの結び目」と同様の問題意識が貫かれています。「飢えた宇宙」は、宇宙×SF×吸血鬼というぶっ飛んだ三題噺ながら、最終的には「あー、なるほど・・・」と納得してしまうこの力技よヽ( ´ー`)ノ「葎生の宿」は、とてもリリカルでセンチメンタルな結末なのですが、そこに至るまでの展開が破壊力あり過ぎて、最後の詩情がどこかに吹っ飛んでしまう、という(笑)いろんな意味で、SF者にこそ読んでほしい作品集ですし、ジャンル関係なく「面白い本が読みたい!」という読書子にも、ぜひオススメです!