茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

割り稽古とふくさ捌き

2005-07-03 21:03:07 | 茶道マメ知識
 茶道を習っていらっしゃる方には馴染みの言葉だが、茶道を習う時は初め“割り稽古”から入る。お茶の点前の一連の動きをぶつ切りにしてそれぞれの場面を練習することで、それを全部やってから、点前として完成させる。
 
 割り稽古にはこんなものがある。
おじぎの仕方、襖の開け閉め、立ち方、歩き方、ふくさの扱い、ふくさ捌き、なつめの清め方、茶杓のふき方、茶巾のたたみ方、茶碗の仕込み方、茶筅通し、茶碗のふき方、炉と風炉での柄杓の扱い方、建水の仕込み方、置柄杓・切柄杓・引柄杓など。

 特にふくさの扱い、捌き方(真・行・草とある)は覚えるのが大変で、時間があればふくさをもって練習していた。“ふくさをさばく”とは、大切な道具を清める前にふくさを折りたたむこと。通常は草の捌き方だが、点前が上になると新しい捌き方が加わっていく。
 大事な道具を清めるだけならば、ひとつの捌き方でいいようなものだが、濃茶入などより大切な道具を清める場合は特に“四方捌き”というのをする。広げたふくさの四辺を順繰りに回しながら塵打(ちりうち)といって、軽くふくさを緩めて引っ張るしぐさをすること。
 これには大切な意味がある。茶道の根本は仏法(禅)の教えと中国の陰陽五行が深く関わっていて、四方捌きをすることで茶室(お稽古場)の東西南北を清める意味があるそうだ。
 私が先生から教えて頂いたのは、「四方」は、親の恩・兄弟の恩・社会の恩・師匠の恩、または、仏教の四天王である持国天・広目天・多聞天・増長天を表す。大事な道具を清める前にそれらを見つめひとつひとつ塵打しながら茶室も自分の気持ちもきれいにする、そして、道具もきれいにする、それからおいしいお茶を点てるのだと。

 割り稽古が完了して、初めて点前を先生に見て頂いた時はとても緊張した。
しかも、時間がかかるので、足がしびれてどうしようもなかった。指南する先生もさぞ大変だったに違いない。
 当初お点前の形から入って、覚えることに必死だったが、習っているうちに徐々にひとつずつに意味が込められていることを知り、感動して、それを知ると点前に心がこもってくる。四方さばきも初めは意味もわからずやっていたが、今はひとつひとつを大切にするようになった。

 形を通して奥にある精神を知る、私にとって茶道はまだまだ奥が深い。
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2 コメント

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Unknown (ゆづき)
2010-05-02 00:52:02
茶道ってひとつひとつに意味があるんですね

私は、春から茶道部に入りました。
でも、道具の名前と部屋の入り方は
クリアしたのですがふくささばきで
ひっかかってます(≧≦)

先輩がいない所でも自主練したいのですが、
手順が写真付きで載ってるサイトとかありませんか?
もし知っていたら教えてください(>_<)
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はじめまして (m-tamago)
2010-05-07 22:36:37
ゆづきさん、はじめまして。
春から茶道部に入られたとのこと、ふくさ捌きはまだまだこれからですね。お稽古、楽しみつつ頑張ってください。
サイトは私はわからないのですが、ふくさ捌きで検索すればでて来るかもしれませんね。
本ならば「新独習シリーズ 裏千家茶の湯 鈴木宗保・宗幹 主婦の友社」には写真付きで詳しく載っていますよ。この本は色々載っているので私も未だによく開きます。よろしければ書店で見てみてください。
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