茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

重茶碗 炉 各服点ならどうする?

2021-01-22 17:27:13 | 各服点
 今年は初釜は見送られ、先日、初稽古がありました。
我が社中もそうでしたが、コロナの影響で初釜のないお稽古場も多かったと思います。

 初稽古では、台子で薄茶と濃茶(重茶碗かさねぢゃわん)と続けてじっくりお稽古したので、
その差をしっかり把握できて、とても勉強になりました。

 考えてみると以前は大所帯の社中だったので、点前座も二か所あり、時間によってはお点前は1回しかできないこともあったり、同じ内容で薄茶と濃茶をお稽古するなんてことは、ありえませんでした。

 小習の頃は、何が何だかわからないけれど、兎に角、先輩や先生のおっしゃる通りに手を動かし、一通り点前ができることを目標に進んでいました。
 真の点前を学び終わり、今、こうして小習に戻ると、これはこういう意味だったのか、こういう違いがあったのかと、とてもよく理解ができ、改めて茶の道はよくできていると感動します。

 利休様の言葉に、
「稽古とは、一より習い、十を知り、十よりかえる元のその一」とあります。

 十より帰った元の一は、最初の一とは全然違った風景なのです。
続けていること、繰り返すことの大切さを実感します。
初稽古で、ひとつひとつ新しい一を噛みしめて進みたいと思いました。
まだ真の点前まで到達していない方は楽しみにしていてください。
新しい世界(境地)が待っているはずですから。


 さて、前置きが長くなりましたが、今回のお稽古では、二つの学びがありました。

① 炉 重茶碗 これまでと各服点の場合の差

② 炉 台子の濃茶薄茶の差



今日は ① 炉 各服点での重茶碗 について

 重茶碗はそもそも、お客様の人数の都合によって一碗の茶碗で濃茶を練られないときに行う点前です。

 茶碗を重ねて用いるので、二碗目(下の茶碗)は大ぶりなものを選びます。



 重茶碗のお点前は、お正月に島台茶碗を使って行われることが多いので、皆さんやっていなくても拝見したことはあるのではないでしょうか。



島台茶碗とぶりぶり香合
https://blog.goo.ne.jp/m-tamago/e/6bc3a9d0466ae71b577b560b85fc8108

 二碗のお茶碗を使うわけで、例えば六名のお客様なら、一碗目で三名分、二碗目で三名分の濃茶を練るということになります。

 でも、このコロナ下、濃茶は一人ずつ練るようになった今は、一碗目で正客、二碗目で次客の濃茶を練る、それ以降は水屋から持ちだして各服点ということになります。

(1) 通常は、一服目は濃茶は掬い出し、二服目は三杓掬う+人数分回し出し。
 各服点では、一服目も二服目も濃茶は掬い出し。

 (2)茶入の清め方も、通常は回し出しをしているので、蓋を開けて拭き清めますが、
各服点では掬い出しのため、口を清める必要がなくなります。

 (3)お服加減の声かけ、茶碗を拝見に回したり、返したりするタイミングなど、
各服点になったことによって、間合いが難しいと思いました。
これも工夫して、回数をこなして慣れていくことでしょう。


 先生と頭の体操になりますね、と言いながらお稽古しました。

 濃茶は数人分を一緒に練り、回し飲みをすることを基本にお点前が確立しているので、
これからしばらくは各服点だとどうなるかということを考えながら手と頭を動かす必要がありそうです。
 間違うこともあるかもしれませんが、お家元の教えが伝わってくるまではそれぞれの工夫でやってみることが大事かなと思います。

 コロナが収束しても、今まで通りになるのは何年先になるか、
あるいは今まで通りではなくて、新しい形が定着してそれが常識になるのか?
なんとも先が見えない年明けですが、今できることをして前に進むのみです。


② 台子の濃茶薄茶の差についてはまた後日。




 

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