皆様、お月見を楽しんでおられますか。
一昨日は十五夜で、昨日は十六夜で、今日は立待月(十七夜)、明日は居待月(十八夜)。
十六夜(いざよい)=月が出てくるのをためらっている、
十七夜 立待月 =立って待つうちに出てくる、
十八夜 居待月 =座って待つうちに出てくる、の次は、
十九夜 寝待月(臥待月)=寝て待つうちに出てくる、
二十夜 更待月(玄中月)=更に夜も更けて出てくる、と続きます。
天気予報士さんがおっしゃっていましたが、
月の出る時刻は一日で30分程遅くなっていくのだそうです。
それが月の名称に反映されているようです。
勿論、古の人が30分という具体的な時間を意識していたわけではなく、
体感として付けた名称なのだろうと想像します。
現代人は月が出てくるのをゆっくり待ち見ている人は少ないですが、
名称から古の人が月を愛でる時間を楽しんでいたことが感じられます。
そんなわけで、月そのものも、月の名称も美しくて、両方を味わっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/48/52a4dd3f9bb3b6b35e8c4ca7025cb14d.jpg)
10月1日になったら、朝、窓を開けた瞬間に、金木犀の香りを感じました。
季節は確実に移ろっていくなあと思った瞬間でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/55/18a3787a35a5a9c15bb3533af6371272.jpg)
さて、前置きが長くなりましたが、先日も外出ついでに高島屋美術画廊に立ち寄りました。
茶道具以外にも素敵な出会いがまた沢山あって。
お茶のお道具は2週間ほどで変化していきます。
今回まず目に入ったのは、”木守”のお茶碗でした。
中村良二 灰釉 木守絵 茶盌
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/95/a5042ca3f28834be4417938a14247e3d.jpg)
巌窯 御本 木守 茶盌
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/d8/b8211b24026b78794a80834959968858.jpg)
中村良二さんは、この間、彼岸花のお茶碗を見て素敵と思ったけれど、
絵に繊細な感じあり、また柿の色合いと茶碗自体の地の色がいいなあと思いました。
私が”木守”という言葉を知ったのは、大学時代で、ささまさんの和菓子がきっかけでした。
来年もよく実るようにと、お守りのように木に一つ二つ取り残しておく柿のことで、
自然に感謝し、他の生き物(鳥など)と実りを分け合う意味もあると聞いた時、
なんて素敵な名称なんだろうと感動したのでした。
それ以来、近所で重たそうに沢山実った状態から、徐々に減り続け、
たった一つになった柿の木を見たり、
出かけた先で寂しそうに一つ二つ木にぶらさっている柿を見つけると、
なんともいえない気持ちになるのです。
秋というと、一番先に思い付くのが”木守”くらい、私にとっては印象深い言葉。
茶道具でもその名称を見るとついついいつも以上に注目してしまうのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/79/27/a1acd0d26c94c397134b5fb3eabbba10.jpg)
”木守”の語源には、「木名乗り」と、「木名残り」があるそうです。
実も葉も落ちて何の木だかわからないような枝だけの木が、
名乗りを上げるようにひとつ実が残って主張しているという「木名乗り」
実を実らせる季節が過ぎても、最後に残った実が、その季節の名残を見せているという
「木名残り」
どちらもよいな、と思いました。
木の名乗りと、実りの名残、木を守る、どれも伝える”木守”をこれからも楽しみに見つめていきたい。
最後に、ささまさんの和菓子の柿は、こんな風に変化します。
9月 初秋 (緑色・黄緑) → 柿の実がなったところ
10月 秋日和(橙色・黄緑) → 柿の実が色づいたところ
11月 木守 (朱色・渋緑) → 柿の実が十分熟したところ
毎月食べたら、季節の変化を楽しめそうな。
ささまの木守
http://www.sasama.co.jp/wanamagasi11.html
木守のお茶碗から色々な想いを巡らしました。
とりとめのない文章になりましたが。
秋を楽しんでおります。
考えれば月は満ち欠けがあって30日ほどで元の形に戻るのですから・・・
tamago様のブログでいろいろなこと気づかせてもらっています。
私も今回初めて月の出が毎日30分位遅くなるということを聞き、驚きました。
日の出と日の入りはよく聞くし、実感としてありますが、月の出と月の入りなんて普段意識しませんよね。
月の名称はこれまでも知っていましたが、こういう意味だったのかと繋がって嬉しくなりました。
私も先生のブログで色々お勉強させて頂いております。ありがとうございます。
月の呼び名がそれほどあるとは知りませんでした。
十六夜はよく言われておりますのでよく聞きますが、そのほかは中々・・・です。
「木守」と云えばお茶碗を思いだします。
今頃から良いですネ。
良いお勉強をさせていただきました。
月の呼び名、並べてみると風流ですよね。
木守は、私は和菓子から入りました。
これまであまりお茶碗では見かけたことがなかった(気づかなかっただけ?)のですが、今回画廊でいい出会いをしました。
ありがとうございました。